ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

八戸ダム

2021-06-01 16:15:22 | 島根県
2021年5月22日 八戸ダム
 
八戸(やと)ダムは島根県江津市桜江町八戸の江の川水系八戸川にある島根県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、八戸川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、江津市・大田市への上水道用水の供給、岩見臨海地区の工場群への工業用水の供給、島根県企業局八戸川第1発電所(最大6000キロワット)及び第2発電所(最大2500キロワット)での水力発電を目的として1976年(昭和51年)に竣工しました。
また2000年(平成12年)には河川維持放流を利用して最大240キロワットの小水力発電を行う八戸川第3発電所が増設されました。
もともと当地には八戸川第1発電所の取水堰である旧八戸ダム(八戸堰堤)がありましたが、新ダムに取り込まれる形で貯水池に水没しており、ダム水位が最低水位(堆砂位)を下回る渇水になると旧ダムが水中から姿をあらわすことがあるそうです。
 
江津市桜江町中心部から県道桜江金城線を西進し、八戸ダムの標識に従って八戸川沿いの南に進むとダムに到着します。
残念ながらダムを下流から正対できる場所はありません。
ダム下第2発電所への管理道路から。
クレストに3門のラジアルゲートを装備、このほか写真では見えませんが常用洪水吐としてコンジットゲート2門があります。
 
右岸から
堤体下にコンジットゲートが見えます。
左手の赤いゲートは取水ゲート。
 
赤が目立つ取水ゲート
コースターゲートになっています。
 
コンジットゲートのデフレクター。
 
水没した峡谷名から桜井湖と命名されたダム湖。
総貯水容量は2680万立米で島根県営ダムでは最大です。
 
右岸の艇庫とインクライン。
 
天端は車両通行可能。
 
ダム下の発電所。
 
上がダムと同時に完成した島根県企業局八戸川第2発電所
下の建屋が2000年(平成12年)に増設された河川維持放流を利用した八戸川第3発電所。
第2発電所には放水池があり、放流水は導水路で八戸川第1発電所に送られます。第1発電所停止中は放水池脇の余水吐から減勢工に戻されます。
この放水池が旧八戸堰堤の堤高と同じ高さになるようです。
 
上流面。
 
(追記)
八戸ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

1749 布部ダム(1634) 
島根県江津市桜江町八戸
江の川水系八戸川
FNWIP
72メートル
151メートル
26800千㎥/23200千㎥
島根県土木部
1976年
◎治水協定が締結されたダム


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