ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

八面沢ダム

2022-12-05 22:19:00 | 秋田県
2022年10月24日 八面沢ダム
 
八面沢(やつらざわ)ダムは秋田県大館市比内町中野の一級河川米代川水系長内沢川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧では秋田県の事業により1951年(昭和26年)に竣工と記されています。
ダム下流の米代川南岸地域は江戸時代より米代川から導水した二井田堰を水源として開田が進められ、戦後の圃場整備事業によりきれいに整地された30アール区画の水田が広がっています。
当ダムからの用水路は犀川の取水堰から伸びる用水路に合流しており、戦中戦後の食糧難に対応した新規農地開発目的に建設されたものと思われます。
管理は大館市土地改良区が行い、59ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。

訪問時は朝の冷え込みが厳しく大館市一帯は濃い霧に覆われていました。
ダム下には杉林が広がり堤頂長270メートル(ため池データベース)に及ぶ長大な堤体の一部しか見ることができません。
写真右手に底樋管があるのですが、草が茂り写真が撮れません。


ダム下を当ダムを水源とする用水路が横切ります。


左岸ダムサイトに上がりますが、霧のためご覧の様相。
この時期に草が繁茂しているということは草は刈らないのか?


左岸に立派な取水塔があります。


こちらは土砂吐へ降りる階段。


取水設備には昭和44年3月竣工とあり、この時期に改修が行われたようです。


上流面はコンクリートで護岸。


右岸にある洪水吐を目指し草まみれの天端を進みます。
振り返ると赤い取水塔。


総貯水容量68万1000立米の貯水池。
雲の合間から日が覗きますが霧が晴れる気配はなし。
幻想的といえば幻想的ですが、わたしゃあ芸術写真家じゃないもので。


ようやく右岸に到達するも洪水吐の周りも草まみれ。
横越流式洪水吐がありますが、これが精いっぱい。


立派な取水塔がありますが、もう何年も草が刈られた様子はなし。
どこも少子高齢化や過疎化で人出不足は深刻な問題なんでしょうが、もうちょっと整備してくれませんかねえ??

0327 八面沢ダム(1905)
ため池コード
秋田県大館市比内町中野
米代川水系長内沢川
16.5メートル
226.7メートル(ため池データベース270メートル)
681千㎥/681千㎥ 
大館市土地改良区
1951年