ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

五和ダム

2022-05-31 23:00:00 | 熊本県
2022年5月21日 五和ダム

五和ダムは熊本県天草市五和町城河原の内野川水系古道川にある灌漑目的のロックフィルダムです。
大河がない天草諸島では古くから水源を小中小河川やため池に依存してきましたが、各河川は流域面積が小さく慢性的な用水不足に悩まされてきました。
天草下島北東部の旧五和町では、1979年(昭和54年)に県営かんがい排水事業五和地区が着手され、その灌漑用水源として1985年(昭和60年)に竣工したのが五和ダムです。
運用開始後は五和町土地改良区が管理を受託し約240ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
さらに2002年(平成14年)には当ダム東方約2キロに五和東部ダムが完成し、2ダム合わせてた受益農地は500ヘクタールに拡大しました。

ダム下流から遠望
ダム下のコンクリート建屋は調圧水槽。
堤体向って右手(左岸)に洪水吐が見えます。


リップラップには草木が繁茂し、もはやロックだかアースだかわからない状態。
グーグルの空撮写真ではきれいに草が刈られているんですが、直に見るとここ何年かは手が入ってない様子。


草まみれの堤体とは裏腹に洒落たデザインの管理事務所。


左岸の横越流式洪水吐。


洪水吐導流部
こちらも草木が覆いかぶさっています。


竣工記念碑はもちろん金箔仕様。


天端から洪水吐を望む。
叩きは石張り。


総貯水容量は57万立米。


どこを探しても取水設備が見当たりません。
上流面のこれが取水設備?


右岸から
天端は車両通行可能
下流面には木が伸び始めています。5月だからではなくもう何年も手入れしてない様子。


上流面の草も負けてはいません。

天端中ほどのパイプが取水設備なのか?そこだけが謎のままの五和ダムです。

2684 五和ダム(1819)
熊本県天草市五和町城河原
内野川水系古道川
37.1メートル
173.3メートル
570千㎥/561千㎥
五和町土地改良区
1985年

五和東部ダム

2022-05-31 16:00:00 | 熊本県
2022年5月21日 五和東部ダム

五和東部ダムは熊本県天草市五和町城河原の内野川水系横尾川にある灌漑及び上水道用水目的のロックフィルダムです。
大河がない天草諸島では古くから水源を小中小河川やため池に依存してきましたが、各河川は流域面積が小さく慢性的な用水不足に悩まされてきました。
天草下島北東部の旧五和町では、1982年(昭和57年)に県営かんがい排水事業五和地区によりで238ヘクタールの農地を受益地として
五和ダムが建設されました。
五和東部ダムはその2期事業ともいえる県営かんがい排水事業五和東部地区の灌漑用水源として2002年(平成14年)に竣工しました。
事業には水道事業者として当時の五和町(現天草市)が事業参加し、運用開始後は五和町土地改良区が管理を受託し約260ヘクタールの農地に灌漑用水を供給するほか、天草市五和町に上水道用水を供給しています。

まずはダム下へ
右手が洪水吐斜水路からの水路、左手が放流設備からの水路になります。


洪水吐斜水路と減勢工
下流からフィル堤体を一望できる場所はありません。


右岸ダムサイトを市道が通っています。
堤高33メートルですが、ダム下が土捨て場として盛土されたため見た目は15メートルほど。
リップラップは一部草が生えていますが、土地改良区管理の農業用ダムとしてはきれいな方です。


天端は車両通行可。


上流面。
対岸の建屋が管理事務所


天端からは正面に雲仙が望めます。
天気が良ければいい眺めなんでしょう。


総貯水容量は73万9000立米。


斜樋をズームアップ。


左岸の横越流式洪水吐。


アングルを変えて
ここから2枚目写真に流下します。


九州ではおなじみ、金箔仕様の記念碑。

竣工当時の受益農地は256ヘクタールで現在は262ヘクタール。
過疎化や高齢化による離農で受益農地が減少する農業用ダムが多い中、わずかながらも増加している点は注目に値します。

3185 五和東部ダム(1818)
熊本県天草市五和町城河原
内野川水系横尾川
AW
33.3メートル
170メートル
739千㎥/720千㎥
五和町土地改良区
2002年

楠浦ダム

2022-05-31 08:00:00 | 熊本県
2022年5月21日 楠浦ダム

楠浦ダムは熊本県天草市楠浦町の方原川上流部にある漑及び上水道用水目的のアースフィルダムです。
1963年(昭和38年)に農林省の補助を受けて着手された県営土地改良事業楠浦地区の灌漑用水源として1966年(昭和41年)に竣工しました。
なお現地記念碑では1967年(昭和42年)竣工となっています。
同事業には水道事業者として当時の本渡市(現天草市)が事業参加し、運用開始後は楠浦町土地改良区(現在は本渡改良区)が管理を行い、管内農地への灌漑用水及び天草市楠浦町への上水道用水の供給を行っています。
上水道向け取水量は日量5000立米と旧本渡市向け水道の主要貯水池となっており、農業ダムと言うよりは上水ダムと言う側面の方が強いようです。

天草市楠浦町から県道278号線を約3キロ西進すると楠浦ダムに到着します。
楠浦町はミカン栽培が盛んで県道わきのみかんを模した『映柑湖』の石碑が目印です。


天端へは車両の乗り入れはできませんが、徒歩での立ち入りは特に規制されていません。


県道沿いに建つ管理事務所。


左岸の横越流式洪水吐
緩やかにカーブを描いています。


洪水吐越流部の脇にシャフトがついています。
これが取水設備?
ちなみに斜樋などは他には見当たりません。


洪水吐斜水路。

提体に階段がついています。
こちらも規制がなかったので下りてみました。
堤高32メートルとアースフィルとしては結構な高さ。
池と呼ぶよりダムの方が妥当ですね。


洪水吐斜水路を見上げます。


こちらは調圧水槽。


調圧水槽から伸びる水路管が洪水吐を跨ぎます。


映柑湖と名付けられたダム湖は総貯水容量106万8000立米。


2663 楠浦ダム(1817)
熊本県天草市楠浦町
方原川水系方原川
AW
32メートル
139.1メートル
1068千㎥/969千㎥
本渡土地改良区
1966年