風そよぐ部屋

ウォーキングと映画の無味感想ノート

やがて来る君へ/サラの鍵/人生はビギナーズ

2012年06月09日 | 映画

秀作です。
イタリア北部のボローニャ近郊の村で、大所帯の農家の一人娘、8歳のマルティーナは、両親や親戚と穏やかに暮らして来ました。
彼女は、生まれたばかりの弟を自分の腕のなかで亡くしてから、口が聞けなくなり、友達からからかわれていました。
第二次世界大戦、1943年12月、ドイツ軍とパルチザンの攻防が激化し、マルザボットの虐殺が引き起こされました。
幼い彼女には、パルチザン・ドイツ軍のどちらが味方か良く理解出来ませんでした。
パルチザンがドイツ兵を殺害したことを理由にドイツ軍はパルチザン掃討を名目に多くの女性や子供が殺されたのでした。
マルティーナだけが奇跡的に助かり、新たに生まれた弟を抱え逃れます。
映画は、これまで口をきけなかった彼女が弟に子守歌を歌い始めるところで終わります。
私は、マルティーナと赤ん坊も無くなっても、人々の命は紡がれていくと言うメッセージはより痛烈と思ったのですが。
第二次大戦の時、イタリアのファシストと、ドイツナチス、日本天皇制の三国は全体主義国家でした。
ドイツ、日本ではその抵抗勢力は初期に弾圧粉砕されましたが、イタリアではパルチザンが粘り強く戦い抜きました。
そのことが、戦後イタリアの社会運動の豊かさに結びつきました。
この映画では、ドイツ軍があまりにも品が無く描かれています。
ドイツ軍兵士が人間的優しさを持っていても、否応なく非人間的悲劇を引き起こしてしまう、と言う方が良かったと私は思います。
それがちょっと残念でした。
自国の兵士が殺されたと無差別の報復に出るアメリカとイスラエルが思い浮かびました。
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夫と娘と共にパリで暮らすアメリカ人女性記者ジュリアは45歳で待望の妊娠を果たしますが、夫から思わぬ反対を受け、
人生の岐路に立たされます。
そんな中、彼女が義理の祖父母から譲り受けたアパートのかつての住人が、1942年のヴィシー政権によるユダヤ人迫害事件で
検挙されたユダヤ人一家ではと思いはじめます。
その一家の10歳の娘・サラは、一家が逮捕される時、とっさに弟を納戸に隠して鍵をかけ、そのまま収容所に送られてしまいます。
弟を救い出そうと、収容所を脱走します・・・。
ジュリアはその後のサラをまるで自分のルーツを探るように探るのでした。
弟と美しかったサラは果たしてどうなっているのか、というナゾ解きをするかのように映画は進みます。
ジュリアはそれまでおばあさんのように老けて見えたのでしたが、映画の終盤、ルージュを差した彼女はとても美しかったです。
この映画のポイントは、弾圧したのがナチスではなく、フランスの官憲であることだと思います。
第二次大戦の始め頃、フランスのヴィシー政権はナチスに協力的で、ユダヤ人弾圧を積極的に行ったのでした。
ドゴールは決して進歩的ではなかったのですが、ヴィシー政権の反動に対決し、支持を拡大しました。
フランスは戦後、不十分とは言えこうした過去を告発・反省しています。
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さて、この二つの映画、"戦争と弟、そして抵抗"が共通しています。
5月4日見に行きました。ヨーロッパからの旅から帰国したばかりで、時差ボケが残っていましたが。

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6月11日『人生はビギナーズ』を見ました。

私は、てっきりコメディと思って行ったのですが、妙に深刻ぶって、とてもつまりませんでした。
末期癌の父親から、ゲイであることを打ち明けられたオリバーの物語。      【この映画については、6月29日記】

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