白黒ブログ~続カウンターの内側から~

カウンターの内側目線&店の外のマスターの顔

場所をめぐる4つの物語

2019-07-29 00:01:20 | Weblog


東京都写真美術館で開催中の
「場所をめぐる4つの物語」という展示を
ようやく見に行くとこができた。

同館所蔵の作品の中から
4人の作家のそれぞれのシリーズにスポットを当てたもの。

テーマを持ったシリーズもの、組み写真の力強さが
感じられた。

1)W. ユージン・スミスの「カントリー・ドクター」より
アメリカの田舎町のたった一人の医師の
日々と仕事を撮り続けた作品。

怪我も病気も何でも一人で診なければならない医師。
赤ん坊を取り上げ、老人を看取り
休む間もなく町の人々のために動き続ける。
手術台の上でうつ伏せになって休む姿が印象的。
すばらしい。


2)奈良原一高 軍艦島の作品
当時の島の様子や炭鉱で働く人たちの表情。

圧倒される距離感と濃いプリント。
仕事が終わってみんなで風呂に入る炭鉱夫の
真っ黒な顔が忘れられない。

あまりにすごくて
最後まで回った後
もう一度戻って見返した。

3)内藤正敏 「出羽三山」より
山奥に入って修行する人々。

作家自身も山伏になって何年も修行し体験しながら
修験道というものを撮り続けた作品。

即身仏となった上人様の姿とか
ロウソクの灯りだけで
2時間ぐらいかけて露光したシリーズの作品が
力強くてすごかった。

4)山崎博 10 POINTS HELIOGRAPHY
午後3時から3時間、長時間露光で
調布の西の太陽の動きを捉えた作品。

日々繰り返される日没の様子。

大変なことをやり続けた作品だけど
あまり自分にはピンと来なかった。
ごめんなさい。



テーマを持って撮り続けることの
パワー、精神力みたいなものを
どーんと突きつけられた展示。

見に行って良かった。

あと1週間。
8月4日(日)までやってますよ。
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