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8月17日の報道ステーションの特番「徹底分析 高速道路政策 無料化論VS民営化論」には心底、ガッカリした。
おそらく、どちらに与(くみ)するにしても視聴者は関心の深いテーマ。しかも、時宜を得た企画だけにぜひ、「なぜ、無料化ができるのか」、その仕組みをトクと検証してほしいと期待していたはず。
それが、全くもって、無料化を説く山崎養生氏と、それをマジックだとけなす民営化論者の猪瀬直樹氏の議論がかみ合わない。
おまけに、仕切りが勉強不足の上に、この番組ゲスト常連の猪瀬氏に気を使いすぎる古館では、徹底どころか、議論に水さす始末。
何しろ、相手の猪瀬氏は道路族や国交省官僚に民営化を骨抜きにされたと言われたくないから、徹頭徹尾、現在の民営化会社を自画自賛。
おまけに、無料化論のどこがおかしいかを指摘せず、「民営会社になったからこそ、高速道収入2兆円で、サービスエリアのトイレや食堂のラーメンの味がよくなったと自慢。そして、道路特別税2兆円も地方ごとのコストダウンで努力していると一人悦に入る。
そして、一方で、高速道を無料化して、民営会社を国有に戻すなど不可能だと言い、借金返済に充当する60年国債の発行は邪道だと、山崎氏が言ってもいないことを勝手に解釈するなど、まるでデイベートになっていない。
これもあれも視界不良の仕切りをする古舘の不徳のいたすところか。
そんでもって、突然、「真っ向からかみ合わないので結論がでません!時間が来ましたのでありがとうございました」と打ち切る・・。
おいおい、それはないだろう。結論は要らんけど、あんたの不手際で、ほんとに聞きたい部分が聞けなかったじゃん。謝るのなら、視聴者に対してとちゃうの、と思わずTVに向かって突っ込んでしまった・・。
処で、これでこのエントリーが終わったのでは番組を見なかった人には何がなんだか分からずじまいで申し訳ない。
そこで、古舘と猪瀬両名に邪魔されながらも山崎氏が縷々(るる:細々)、説明していたのを整理して、少しでも彼が言いたかった「無料化」の真髄に迫ってみよう。
尚、以下を補足するためにもいささか古いものですが「日本列島快走論 高速道路を無料にして日本再生へ(http://www.yamazaki-online.jp/)」を付記しておきます。
まず、山崎氏は、①高速料金2.5兆円とガソリンの特定財源2兆円は二重取りであるので、高速道を無料にしてもこの特定財源で高速道路の借金返済に当てるのが当然であるという。
②猪瀬氏が自讃する民営化の実態は全く逆。今も依然、100%、国が株を保有する特殊会社。しかも役員の半分が天下りで、傘下のファミリー企業は民営化後、3倍に膨れ上がっている。
③また、40兆円の借金の上に、さらに20兆円の新規道路建設を目論んでいるが、すでに日本の道路投資総額は欧州英仏独伊の4大国をあわせた額にほぼ匹敵。逆に教育費はOECD国の中で最低。韓国より下という酷さである。
つまり、道路の作りすぎだといいたいのだろう。
④一方、無料化後の最低必要な高速道建設費6500億円と同維持費2600億円の計9500億円のコスト負担は、現行の▽渋滞緩和のための道路建設費4900億円 ▽高速料金割引量2500億円 ▽街づくり交付金の道路ユーザー負担金1500億円 ▽地方への無利子交付1000億円の計9900億円でまかなうことが可能。
⑤そして、何よりも国交省の試算でも、7兆8000億円の高速道無料化によう経済効果があるのだし、民営化会社の資産処分だけでも1兆4000億円(簿価)があるので、これを借金の返済に使う。即ち、借金をまず減らすことで金利分が少なくなるという至極当たり前の理屈をいう。
⑥さらに、決定的な理由は欧米の高速道路の原則が無料であること。但し、英米で有料がでてきているがそれは全て、混雑を回避するためのもの。あるいは、道路を傷める大型車など、外国から流入する車(ドイツ)に課すなど例外はある。
⑦それに、地方の高速道料金が1時間、100KM、2500円では高くて利用できない。それが証拠に、地方の車はほとんど下の道を走り、それでも渋滞を起こしていない。これが日本の高速道の実態だと彼は言うのである。
なるほど、整理して見れば、山崎氏の言い分の方が、民営化を自分の手柄顔にする猪瀬氏の論理よりずっとまし。
いや、これで、まともな司会者がいれば、もっともっと無料化の真実に迫られたのでないだろうか?
ぜひ、今一度、民営化論者の猪瀬氏をほかの論客に代えて、「NEWS ZERO」で、でもやってもらえないだろうか?・・。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。ご批判ご賛同、なんでもいいですからコメントもいただければ幸いです。♪
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