たけこの部屋

観劇と東方神起が好きです。

タージマハルの衛兵

2020-05-07 23:59:55 | 舞台(TV・DVD・配信)
BSプレミアム「プレミアムステージ」で5/3に放送された『タージマハルの衛兵』を観ました。

成河さんと亀田佳明さんの二人芝居。
想像もしていなかったストーリー展開と、私の心にダイレクトに問いかけてくる登場人物の会話、そしてお二人の魂のお芝居に、
五感全開でショーゲキを受けながら釘づけで観てしまいました。


ストーリーをざっくり説明すると、

お互いに兄弟と呼ぶほど仲の良いフマーユーン(成河さん)とバーブル(亀田佳明さん)はタージマハルの衛兵。
タージマハル以上の美しいものをこの世に生み出させたくない皇帝の意により、「タージマハル建築に関わった2万人の両腕を切り落とす」という任務を2人は遂行する。

遂行後、自分のしたことに苦悩するバーブル。
俺たちは仕事をしただけだ。命令に従わなければ自分たちが殺された。と言うフマーユーン。

その任務を遂行したことで2人は出世することとなり、バーブル念願のハーレムでの皇帝警備の任務に就くことが決まる。
喜ぶ2人。しかしバーブルはそうなれば自分たちが皇帝を暗殺できる環境に身を置く事になると気づき、皇帝を殺すべきだと強く主張する。
フマーユーンはバーブルの命を救うため、3日の投獄で済む冒涜罪でバーブルを牢へ送る。
しかしフマーユーンの嘘がばれ、フマーユーンは大切な友人バーブルの両腕を切り落とすことに・・



視覚から入ってくる血生臭さの衝撃よりも、
17世紀のインドで起こっているはずのこの舞台上のことが、今の世にそっくり存在することに気づいた衝撃の方が大きかったです。


親友である2人に起きた悲劇。
もしかすると1人の人間の中にはフマーユーンとバーブルがいて、常に2人が会話しているのかもしれない。
頭ではバーブルのように考えながらも、フマーユーンとして生きている人は実は多いのではないだろうか。
あるいは個々の人間はバーブルだが集団ではフマーユーンである場合も。

内側の世界と外側の世界のバランスをとることの難しさ。

しかしそれを考える以前に疑問を持つべきは、バカげた理由でいとも簡単に4万本の手を切り落とす皇帝の狂気。
形は違えど実はこれと同じようなことが、今の世の中で起きていないでしょうか?
コロナ禍でいろいろ覚醒した方々にぜひ観ていただきたい作品でした。



舞台「タージマハルの衛兵」(2019)
演出:小川絵梨子 作:ラジヴ・ジョセフ 翻訳:小田島創志
出演:成河 / 亀田佳明
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