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『脳内麻薬』

2018-07-23 21:53:22 | 読書。
読書。
『脳内麻薬』 中野信子
を読んだ。

快感を生む脳内物質ドーパミン。
その作用や放出される過程や、
過不足の時にどうなるか、などなど、
まずドーパミンを中心に、
それから、そのほかのセロトニンやオピオイドという脳内物質についても
説明されていきます。

次章では、
依存症から入って、
アルコールやニコチンの中毒に触れることを契機として、
コカインやヘロインといった麻薬についての説明に移っていきます。
これは『脳内麻薬』というタイトルを見て買って読んでみた僕にとっては
予想外のトピックの広がりでもあり、
昔読んだ中島らもさんの『アマニタ・パンセリナ』を彷彿とさせるというか、
よりマジメに端的に、そのものを説明するものになっていました。
「脳内」だけでは済まずに、麻薬そのものについても紙幅を割いていたのでした。

そして、セックスや恋愛、ギャンブルやゲームなどの依存症についても語られ、
最後に、社会的報酬、つまり、社会への利他的行動をとって得られる脳の報酬系の興奮、
つまり、その種の満足感や快楽の生成過程や、
何故、利他的行動で報酬系が興奮するのかについて大きく見ていっています。

アヘン戦争にいたった過程など、
いろいろなエピソードを引用しつつ
主軸のトピックスを解説していくのですが、
知識量がすごいうえに簡便に整理されていて、
かつ、新書形式の本ということで、偏った形で深くつっこまずに、
おしなべて大勢を見た上でその論を進めていくような、
マジョリティーに立脚した、でも、
いろいろと行われた実験の結果や考えに矛盾がないかだとか、
そもそものところに間違いや勘違いがないかということについて、
そういうところには細心の注意がなされている
論述になっていました。

著者はIQが高いことで有名ですが、
記憶力・記憶量の良さ・強さに、
情報整理力・情報処理力の優秀さが僕なんかにも感じられる構成と内容の本でした。
もちろん、面白いです。
欲を言うならば、新書という形態にガチッと優等生的にハマりすぎている感はありましたが、
でもそういった、ある意味ではスマートな形態で読める本なので、
時間の無くても読書はしたい人にはピタッとはまるのかなあと思いました。


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