世界の街角

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バンコクからクアラルンプールへ

2015-02-19 15:05:50 | 旅行
 2015年2月18日、バンコクからクアラルンプール(KL)へ移動した。1年振りのKLである。エアーラインの選択に苦慮した。マレーシア航空もエアー・アジアも事故を起こしたばかりで、多少不安である。それではタイ航空ということになるが、早朝発とKL夕刻8時頃着で勝手が悪い。不安はあるもののマレーシア航空とした。

 機体は型番を失念したが、ボーイングで左右3列シートの中型機である。スワンナプーム空港からまっすぐ南下したが、タイーマレーシア国境に近いハジャイを経過したあたりから、進行方向右に旋回した。見ると高度2万メートルはあろうかという積乱雲を回避したのだ。エアーアジアはこれに突っ込み墜落したのだが、この積乱雲は、とんでもないパワーを持っているのだ。
 クアラルンプール空港からは、いつもタクシーにしているのだが、KLエキスプレスに乗ることにした。終着はKLセントラル駅である。料金は35RM(約1,300円)で、びっくりしたことに高速運転で、空港からKLセントラル駅まで20分であった。タクシーなら1時間は要するが、これからはこれだ。


 写真は車内を写したものだが、大きなバゲージ置場も設置されており、移動手段としては問題ない。

 写真の像をスワンナプームで御覧になった方々は多いと思う。この像は<乳海撹拌>の場面で、アンコールワット第一回廊のレリーフが著名である。スワンナプーム空港の乳海撹拌のキャップションによると、以下のように説明している。少々長いが全文転記すると、以下の内容である。
 「この巨大な彫刻はビシュヌ神と、その乳海撹拌という天地創造神話を描いています。蛇王であるナーガ・ヴァースキは、大マンダラ山をその長い胴体を絡ませています。ヴィシュヌ神の化身である大亀クールマは、大マンダラ山をその背中に乗せています。不老不死の甘露<アムリタ>を作り出すために、両サイドからデヴァ(正義の神々)とアスラ(阿修羅:神々に対する悪神)は、大蛇ナーガの胴体を綱として引き合うことで、山を回転させながら海中をかき回します。さらに1000年以上も撹拌が続き、乳海から多くのものが次々と生まれました。最後にようやく天界の医神ダスヴァンタリが不死の妙薬アムリタの入った壺を持って現れました。その後、正邪両神の奪い合いは、デヴァ(正義の神々)がアムリタを得たことで止まりました。デヴァはアスラ(阿修羅)を天上界から地下界へ追い出しました。」・・・とある。


 その大マンダラ山の手前をよく見ると、何やら巻貝のオブジェに水が注がれている。これは日本伝来の仏教でいう法螺貝で、シャンク貝というベンガル湾やスリランカに棲息する巻貝らしい。聖貝とされ、更には聖水を注ぐ器とされた・・・とある。
 北タイ陶磁の貯蔵壺の耳に巻貝状の耳をみる。中国伝来であろうと考えていたが、そのような短絡思考では、彼の地の背景を見誤ることに、改めて気づかされる乳海撹拌像であった。

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