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北タイ名刹巡礼#1:ワット・プラシン チェンマイ

2016-06-13 07:03:49 | 北タイの寺院
<Wat Phurashing:ワット・プラシン>

旧市街西部にランナー朝5代・パーユー王(在位:1336-1355年)が父王・カムフーを祀るため仏塔(Chedi・チェディー)を建立したことに始まるとされ、チェンマイを代表する寺院として多くのガイドブックに紹介されている。

ここワット・プラシンは当初ワット・リーチェンプラと称していたが、1467年9代・ティローカラート王(在位:1441-1487年)の時、スリランカからプラシン仏(獅子仏)が寺院に祀られ、ワット・プラシンと改称された。
写真では分かりにくいが、パーユー王が建立した仏塔は拡張され、象に囲まれた基壇に3層の円形基台、釣鐘状の身舎が載るものとなった。1925年その基壇から王家の遺灰を納めていたと考えられる金・銀・青銅の壺が発見されたという。

Viharn Laikham(ライカム礼拝堂)は、19世紀に大規模な改修を受けたが、14世紀半ばの建立で木造であり、東向きの正面扉は、金漆の装飾があり、3段2層構造の屋根は、ランナー様式の代表例である。ここにはプラシン仏が祀られているが、1922年に頭部が盗難にあい、そのレプリカである。ここの内壁には有名な壁画がある。それは本生話(ジャータカ)で、19世紀の修復時に復興ランナー朝のタンマランカー王(在位:1816-1822年)の命により描かれたと云われている。この壁画は、古いものの残存が少ないタイにあっては、200年前の風俗が描かれ貴重である。

正面に建つViharn Luang(ルアン礼拝堂)は14世紀に建立されたが、1925年高僧Khru Ba Srivichai(クルーバシーウィチャイ)の大修復の時に再建されたもので、80年程である。ここには1805年、西双版納から来た僧が、カーウィラ王(在位:1782-1816年)を摸した仏像として贈った青銅製(金箔貼り)の仏坐像Phra Chao Thong Thip(プラチャオトンティプ)が祀られている。
Ho Trai(経蔵)は1447年の建立で、1867年と1920年修復され、基壇に木造の堂が建つ。現プミポン国王によると、北タイで最も美しいフォルムをしているとの評価である。
寺院の奥まったところに、涅槃仏を祀る細長い堂がある。そこの涅槃仏はコンクリート製で金色のペンキかと思われる塗料で塗ってある。こんなもの無い方がましだと思うが如何であろうか。
このワット・プラシンには、チェンマイへ来る都度訪れている。木造のライカム礼拝堂の佇まいが良く、堂内の壁画には当時の風俗が細かく描きこまれ、見ていると何か楽しくなる。ランナー王家とのつながりをもつ格式の高い寺院である。




                              <続く>







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