六本木にある国立新美術館に行ってきた。黒川紀章氏がご存命の頃は「四角い箱にビラビラを取って付けた冴えない建物」ぐらいにしか思って無かった。夢のない話だが、名声と金の投資を惜しまなければ、巨大建築はどんなものでも出来るのだと思っていたのである。しかし、氏が逝去された今となって、やっとこの建物を一度見ておきたいという思いに駆られて行く事にした。
「四角い箱は機能的に整備された展示スペース」で、「取って付けたようなビラビラは巨大なアトリウム」になっていた。特筆すべきは、アトリウム部分は鑑賞券無しで行き来が出来、3階からも1階からもこの巨大な空間の光と影を享受できるということ。また、全ての展示スペースへは必ずこのアトリウム部分から入場し、そしてアトリウム部分に向かって退出する構成になっている。それは、巨大なコンサートホールのホワイエと客席の関係に似ていると思った。
至極単純なゾーニングではあるが、裏を返せば明快なプランニングに仕上がっている。それなのに、この居心地の良さは一体何なのか?それは、おそらく不要なまでに大きい吹き抜けアトリウム空間の中の至る所にベンチやテーブルが配されていて、軽食などの飲食を伴わなくても、ゆっくりと思索に耽ることが出来るようになっているからなのかもしれない。 (つまり、スケール的には不要な空間ではないことの証明でもある)
それよりも何よりも、数え切れない程の過剰なガラスルーバーの本当の意味を知ったのは、分厚い雲が途切れ、眩いばかりの陽光が建物全体に射したその瞬間であった。
キターーーーーーーー!!!!
ガラ~ス萌え~!!!
しばしのあいだ、ガラス萌えの画像をお楽しみあれ・・・
更に、黒川氏が訴えていた環境との共生についてもリアルで外観風景を見る事によって、何を目指していたのかがわかるような気がした。金と名誉を注ぎ込んでも、(建築への)情熱と愛情がなければ、こんな空間は生まれないのだと改めて思った。
↑右手背後に見えている建物は東京ミッドタウンの一部。それぞれ、愛情と情熱の注ぎ方が全く違うところが対比できて面白い。
今度は夕景の綺麗な日に訪れてみたいものである。
メンテナンス大変そうなので、一般化はしないかな…。
有名なフランス料理食べましたか?
上空からも見てください
http://www.flickr.com/photos/pinboke/1437509985/in/set-72157600298403603/
夕景の光がみたいです。
雑誌「新建築」によるとメンテはロボット
で出来るように設計されているようです。
また、内部側には一定の高さ間隔毎に、
キャットウォークが設置されているので
一応考えられているようです。
「小さなモジュールの透明な連続体」という
キーワードで辺りを見回すと、最近割りと
多用されているモチーフなのかなと個人的
には感じています。
pinbokeさん
フランス料理屋は開店前だと言うのに、
超長蛇の列でした。3回転くらいしないと
無理な程並んでいました。
それと、毎度毎度リンクの方サンクスです。
この建物、鳥瞰だとイマイチなのに内外共
地上目線だと「馴染む」という不思議な
建物です。是非、リアルで見てみて下さい。
いのっちさん
近いうちに、また上京する機会があるので
狙ってみます・・・晴れるといいのになあ。
ガラスを通してできる独特の優しい日差し、私も大好きです。
国立新美術館・・・私はまっしゅさんのように専門的な視点から見る事は到底できないけれど、素人目で見ても十分楽しめそうな場所、ですね♪
案外、現地でバッタリお会いしたりして(笑)
それは無いでしょうけどね。
行かれた折には、感想など聞かせてください。
enoさん
ガラス萌え、是非してください。
行くなら、雲の変化の激しいときがお薦め
ですよ。いろいろなガラス達の表情の変化を
見る事ができるのでね。
行く前にこれ見てれば注意して見れたのに。
しまったな。
見に行ってください(笑)