備忘録

カカオ豆からチョコレート

2012-09-19 21:12:44 | その他の会
S氏から教えていただき、CACAO HUNTER O氏主催のカカオセミナーに行って参りました。
会場は東武伊勢崎線・梅島駅から徒歩約15分のところにある㈱富士珈機・東京セミナールーム。

表に看板は出ていませんが、中に入ると色々なコーヒー機械がずらりと並んでいます。
まず、カカオとは?という説明からスタート。

カカオは熱帯のフルーツで、手のひらサイズから両手サイズまで色々あり、大きなものは1kgもあるのだそう。
色も黄色や赤、オレンジ、黄緑、緑、栗色や、形もツルンとしたものやゴツゴツしたものなど様々(トップのカカオ画像は冷凍保管で約2週間経ったもの)。
カカオを切ると、果肉とその中に20~50粒の種が入っているそうです。
日本でも冷凍で販売されているという、カカオの実のピューレを試食。

少し酸味があり、甘くておいしい。
カカオの種をこの果肉と一緒に発酵させることで、カカオのたんぱく質がアミノ酸に、糖が単糖に、ポリフェノールがまろやかになり(重合)、チョコレートの香りの「モト」が生まれるのだそう。
発酵させ乾燥させたカカオ豆がこちら。

O氏がコロンビアのトゥマコからお持ちになったハンドピックで選別された逸品で(発酵7日、mix type)、軽い酸の香りがします。
ポリフェノール含有量の多少や乾燥の強弱で豆の断面の色が違います。

輸入前に↑の器具でカットし、カビや虫がいないかなどの品質確認をするそうです。
次は焙煎。
カカオの生豆を「炒っ太郎」へ投入します。

焦げないように、45分ほどかけてじっくり焼きます(焙煎方法は殻付きでする場合と殻を取り除いてからする場合と2種あり)。
まずは蓋をして蒸し焼きに、40分ほどたったら蓋を外し水分を飛ばします。

豆を割ってみると、すっかりチョコ色に・・・、まもなく焙煎完了。

焙煎機から出てきたばかりのカカオ豆。

奥の生豆と比べると、ぷっくり膨らみ一回り大きくなっています。
そして、殻(外皮・シェル)を剥き中の胚乳部分『カカオニブ』だけにし、粉砕しやすいように軽く砕きます。

そして、このカカオニブを「ミルっこ」へ投入し予備粉砕します。

カカオニブは約55%が油脂分(ココアバター)のため、粉ではなくドロドロになって出てきます。
すり潰したものは『カカオマス』と呼ぶそうで、名称は変わりますがどちらも100%カカオです。

このままでは粗いため、(砂糖なども一緒に)粒子を舌で感じない程度まで微粉砕(18~35μm)。
そして、時間をかけて練り上げます(精練)。

上はO氏が前日から準備して下さったモノ。
このコンチングという工程で、チョコレート中の水分や酸、雑味を蒸散させたり、滑らかな食感を作ります。

コンチング前後の違いが分かるでしょうか。
さて。
まず、このコンチング前のカカオマスを使いブラウニーを作ります。
卵と砂糖を混ぜ、もう1つのボールでカカオマスとバターを溶かし混ぜ、

その2つを混ぜ合わせてから小麦粉とナッツを投入。

ダマにならないように混ぜ、鉄板に入れオーブンで焼きます。
そして、コンチングしていた方には、溶かしたココアバターを投入し、ダークチョコを作ります。

十分に練り合わせたら、濾して

テンパリング(温度調整)してから型に入れ、冷却します。

出来上がりがこちら↓

ブラウニーとダークチョコレートです。
出来立てなので酸味が立っていましたが、時間が経つと落ち着くのだそう。
「チョコにも食べ頃がある」とは、考えた事もありませんでした
   (2012.09.19)