『下世話な話』 印度旅行記-その16


これまではインドの宗教観、死生観、宇宙観などなど、
もっともらしくエラソーに書き連ねてきたけれど、
今回はちょっと下世話にウンコの話。
今じゃインドに行ったことのない人まで知れ渡っているあの事実、
『インド人は素手で尻を拭く』についての一筆を…。
噂に聞く「そいつ」に出会ったのは夜中についたニューデリー、
ボンベイロッジの共同便所。
インド初体験のボンベイロッジについては以前にちょっと書いたけど
第4話「あぁ憧れのインド航路」)、
シングルルーム10Rs(当時120円)の安宿。
部屋にはポツンとベッドが一つ。
天井は低く、真っ直ぐ立てない。その上、窓がない。昼でも真っ暗。
で、便所は4~5部屋ごとの共同。入ってみると…、
「おーい!便器がないぞー!」
コンクリートの床には排水溝と足乗せ台。隅には汚れたプラスティックの手桶。
ウンコをした後は目の前の蛇口を捻る。
足乗せ台の周りを勢い良く水が流れ、ウンコは水と一緒に排水溝へ、という仕組み。
お尻の始末は…、まず、目の前のひび割れた手桶に水を汲み、それを右手に持つ。
その手桶の水を左手に掛けながら洗う。

で、その便所に飛び込んだ僕はどうしたか?
ジーパンのベルトに手をかけ一考。

結局また飛び出して部屋へ戻り、
アタックザックの中からトイレットペーパーを引きずり出してジャパニーズスタイル。
人心地だぁ。
次は挑戦しよう、と心に決めるのだが、
どうもひび割れに汚れの入り込んだプラスティック手桶を見ると、
まさに「フン切り」がつかなかった。
きっかけはトイレットペーパーを使い終わったときにやってきた。


My 自転車、どこまでも行こう

最初のときの感触は今でも忘れない。
自分のウンコを自分の意思で触るなんて22年間なかったわけで…。
で、感想は?と聞かれると気持ちいいのだ。病み付きになってしまうのだ。
お尻が喜んでいるぞーってのがしっかりわかってしまったのだ。
それからはずっと水派。もちろんインドの中での話ですけどね。
インドに後からやってきた新米旅行者に会うと、しきりに勧めちゃったりしてね。
うーん、やっぱ紙は汚いよ。

インドにはトイレットペーパーはやっぱりある。ちゃんと売っている。
だけど高いんだよね。
1巻で5Rs(約50円だけど、インドの物価事情では500円くらいの価値)くらい。
踏ん切りのつかない旅行者が時々トイレットペーパーを雑貨屋で買うのを見るが、
店のオヤジが汚れ物を見るような目をしていて面白い。
僕ら水派も一緒になって「汚ねぇーな」という顔をする。
うーん、やっぱり紙は汚い。絶対に尻にウンコがついている。


「そっちから先はジャングルだぁ、危ないぞ」
「うちで休んで行け」そう呼ばれて訪ねた家。

2度目のインドは当時同棲中の妻を連れていった。
で、彼女には初日から「水」を強要。
ビビッてたけどすぐに慣れたみたい。お尻の悦びが分ったみたいだね。

インドの路上には様々なウンコが落ちている。道の真ん中には牛のウンコ。
端の方には犬やサルや人間のもの。
さらには象のウンコや、ラクダのウンコ、山羊や豚や…。
ゲゲッと思うけど、まあよろしい。
でも人間のウンコにだけ紙がちょんと載っていたら、それは気持ち悪ぃーぞ。
何か平等じゃないよな。やっぱ紙は汚い。

でも日本に戻れば仕方ないね。インド式じゃトイレは水浸しだ。
ウォシュレットも姑息だよなぁ。
左手でちゃんと触らなくちゃ。確かめて安心できるんだけどね。

彼らはとても貧しく、出されたチャイ(紅茶)は見るからに汚く、
でも、僕は下痢を覚悟して飲んだよ。それが僕にできる唯一のこと

(wrote in 1990)

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