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天皇は文化の守護者(1) - 「天皇制の擁護 第四章」解説 

2008-11-23 00:11:58 | Weblog
「天皇制の擁護」 第四章 天皇は文化の守護者(1)

本章の主題は上記お通りです。天皇が天皇であるために天皇は自らが「神」である事を演じます。第一が即位の時に行われる大嘗祭。「ゆき」と「すき」の二つの黒木の宮(御屋)が造られます。そこで天皇は天なる神と共寝し共食して自らが神である事を演じ確認します。儀式は夜、浄闇の中で行われます。
第二が和歌の編纂です。和歌は呪言、天に訴える言の葉です。和歌の編纂は、天地を主宰する天皇の重要な行為とされました。醍醐天皇の古今和歌集から花園天皇の新続古今集まで計21。万葉集は孝謙天皇の命で作られた準勅撰集です。収録された和歌は総計略4500。こんな詩集歌集は世界のどこを探しても無いでしょう。天皇・皇族・大臣他の高級官僚以下地方の一農民に至るまで実名で収録されています。1500年前の昔からわが国の文化は民衆のものでもありました。和歌そして連歌と俳句などは現在でも作られ続けています。私はある会合の後の宴会で、連歌をやってみました。みな結構面白がって発句挙句を作り続けました。カラオケより面白かった。歌のできばえは自慢できませんが。
「古今」と「源氏」の伝統により日本の古典的情緒が作られます。古今伝授という形の師子相承でもって文化が引き継がれます。やや偏狭な形態ですが、これで日本の文化の伝統が維持され護られた事は否定できません。
「お内裏さまにお雛様、二人並んですまし顔」これは3月3日桃の節句を祝う童謡です。内裏(だいり)は宮殿の中の天皇の私室、転じて天皇その人を指します。桃の節句は上巳祓、本来は旧年の厄を人形に託して放逐する悪魔祓いの儀式です。これが優雅な桃の節句の儀式になりました。このような儀式を年中行事と言います。この年中行事を天皇は主宰して天地の司祭であること演じました。
大嘗祭、和歌編纂、古今と源氏に代表される美意識、年中行事などなどわが国の文化は天皇朝廷によって主宰され保持されてきました。わが国ほど多彩な文化の伝統を保持する国はありますまい。天皇は文化の守護者です。(続)



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