経済(学)あれこれ

経済現象および政策に関する意見・断想・批判。

三歳時神話とやら-母性剥奪理論について

2020-02-14 15:45:14 | Weblog
三歳児神話とやら-母性剥奪理論について
 昨日2020-2-13日、産経新聞に三歳時神話とやらが載っていた。正確には、三歳までは母親は児童の傍にいる必要がある・従って乳幼児を持つ母親は働きにでるべきではない、という理論は誤りだと言っていた。重大なことなので反論する。
 母親が少なくとも児童3歳までは児童の傍にいるべし、と言うのは母性剥奪理論という。傍にいない、母性が児童に示されない事を母性剥奪と言い、母性剥奪が児童の将来にわたって重大なマイナスの影響を与えるという理論を母性剥奪理論という。産経の記事ではこの理論が御茶ノ水大学の女性教授の研究により否定されたとかいう。母性剥奪理論は主として精神分析学において唱えられた。J・ボウルビ-、A・フロイト、R・スピッツ そしてM・マ-ラ- などがこの理論の提供者普及者である。産経にはこのうちJ・ボウルビのみが取り上げられていた。彼らの所説はなんらかの形で母性を剥奪されれば児童の発達に重大な障害、軽くて対人関係障碍、ある種の愚鈍、重ければ死亡が起こると言う事だ。彼らは主として当時の孤児院に置かれた児童の観察を主としている。孤児院での環境は劣悪であり、だからその結果はすさまじいものであった。これらの研究は実証的であり中には科学的実験もあった。二三例を挙げる。猿の飼育だ。猿の幼児を母猿から分離して育てると、確実に発達障害、同僚の中に入って行けないなどの障碍がである。母親の代わりに表面を柔らかい布で覆ったロボット猿に育児をさせれば、一応この障害はなくなる。しかし後年成人した時に配偶者への接近には障碍をきたすなどなどの事実はある。またマルガレ-ト・マ-ラ-は緻密な観察と実験を繰り返して、児童が母親から分離する過程を叙述し、この分離と言う作業が如何に児童にとって(また母親にとっても)難しい作業かを詳述している。同時に分離以前の母親との共生の重大さを強調している。ボウルビ-以下4人の研究は50年以前の研究であり、その事実は古い。古いが事実ではある。現在では人権云々の理由でこのような観察はできないだろう。繰り返すが母性剥奪の災禍は事実である。事実過ぎて精神分析学ではこのような理論を再検討するような作業は行われていない。さてくだんの女性教授の研究であるが数点について疑問がある。まずこの研究では三つの変数が使われている。母親が働きに出る事、父母の関係が良好で相互の作業が円滑である事、近所との関係が比較的濃厚な事の三つである。後者二つの事実が満たされれば母親が働きに出ても児童の発育には障碍がないとなっている。さて母親が働きに出る事は父母の連携に支障をきたすのではないのか。また近所との関係に対しても同様である。母親が働きに出れば夫婦の関係は薄れ、近所とも交際も疏にならざるをえないのではないのか。明らかに実験の条件と結果は矛盾している。いかなる賢明な女性といえども、時間が絶対的に不足しておれば我が子の世話はもちろん、配偶者との交流も近所とのお付き合いも不十分になる。だからこの実験の意味が判然としない。三つの事実・変数が矛盾するのみならず独立ではないのである。次にこの調査では児童の行動・心理をどこまで追跡したのか?母性剥奪が人間の人生に与える影響に関しては極端に言えば人生の最後まで影響してくる。少なくとも思春期を過ぎて30歳前後になるまでは追及しなければならない。仮にこの実験で追及が3年くらい為されただけならば、意味はほとんどない。幼児期少年期には異常がなくとも思春期さらに労働に際して、また恋愛ないし配偶者との関係、またさらに自分が子供を持ったときなど人生の危機はいくらでもあるのだ。だから調査の結果は最低25年は為されるべきだ。御茶ノ水大学での研究はどうなっているのか。
 精神分析学は多くの知見を集積してきた。中には過誤もあるが現在でも捨てられない現象もある。それは人間の発達にとって性愛が如何に重要であるかと言う事だ。この端的な例証が「オイデプス複合体」だ。理論の詳細は避けるが、ここでは厳然として父母つまり男女の性別分業は強調されている。そしてこの複合体の最終根拠は母性愛なのだ。さらに我々の学説では「転移」という現象が重要視される。過去の体験は将来さらに治療関係に必ず再現されるとされる。この転移は性愛「父母と子供の三者から成る性愛」を原動力としている。転移を通じて治療者は患者の過去を見通せ体験できる。患者つまり被治療者は必ず過去つまり親子関係の不備を訴え行動化する。その中には幼児期における母性不在もあるのだ。以上私は新聞に載った実験の不備さと、それに反するものとしての精神分析療法上の知見をのべた。以上の根拠から三歳時まで母性が必要つまり母親は不在であってはいけないという事実を強調しておきたい。新聞ではスウェ-デンではほとんどすべての母親が働きに出ていて家庭は実際上存在しないと言う事が、いかにも民主主義の勝利成果のごとく強調されていた。事実を述べておこう。スウェ-デンでの犯罪率は人口比で換算して日本の10-15倍は
あると言われる。特に性犯罪は多発している。この事実は銘記しておこう。この事実を知らせてくれたのが1-2か月前の産経新聞だったことは皮肉だな。現在私は平成不況に関心を持っている。不況の根源は、我々は30年来それまで享受繁栄してきた日本型経営を忘れ欧米特に英米の民間主導と言う均衡理論に支配された結果であることを感じた。日本型経営の長所を捨てあまつさえフェミニズムに毒されて日本型育児の長所を捨てれば日本は滅んでしまうだろう。この事は強調しておく。「君民令和、美しい国日本の歴史」には日本の社会と文化の優秀性が端的に述べられている。参照されたい。

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