拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

カンカンの発音

2017-02-05 10:53:04 | 音楽
(承前)じゃあ、カンカンと言ったらランランか?と言うと、それがそうではなくて、私にとってカンカンと言えばオクタヴィアン(バラの騎士)。彼は、親しいご婦人からは「カンカン」の愛称で呼ばれる。親しいご婦人って自分が17歳だから、お相手は年上ばかりだろう。事実、第1幕の前奏曲の間にベッドを共にする(音楽が露骨に描写)マルシャリンは32歳(15歳差かぁ。新婚さんいらっしゃいでは珍しくない)。その第1幕が開いていつも気になるのは、マルシャリンが「Quinquin(カンカン)」をどう発音するか。「カンカン」「キャンキャン」「ケンケン」といろいろ。「ケンケン」だと「チキチキマシン猛レース」でブラック大魔王とコンビを組む犬になってしまう(「ひーひひひひひ」と笑う)。この「quinquin」はフランス語の方言で「child」の意味だそうだ。フレンチカンカンとの関連性は?あっちは「cancan」で別物。意味は「噂話」。

ランラン(と言ったらカンカン)

2017-02-05 10:31:42 | 音楽
テレビをつけたらランランがピアノを弾いてる。画面隅に「LANG LANG」のテロップ。え?「長い、長い」?じゃなくて、これがランランのアルファベット表記。じゃあ漢字だと「長長」……なわけはなく「朗郎」。因みに、日本に始めて来た二頭のパンダのうち雌の名前はランラン。漢字は「蘭蘭」だった。「蘭蘭」でぐぐると中国料理店が複数ヒットする。ランランより5歳下のユジャワンは「王羽佳」。欧米風に(と言ってもハンガリーは違うそうだが)名字を後にしてんだな。ランランはどっちが名字かを考える必要がない。牛牛もそうだ。「にゅうにゅう」と読むそうだ。因みに「ぎゅうぎゅう」でググると焼肉屋さんがヒットする。「牛」+「にゅう」=ミルク。牛つながりで言うと、日本にも牛田智大って少年ピアニストがいる(もう少年じゃないか)。ランラン(新しい大河ドラマのオープニングテーマを弾いている)に戻る。私、どうしても、「ランラン」と聞いたら「カンカン」と言いたくなる。二頭のパンダの雄の名前だ。

トランプさんもデカメロンを読めばいい

2017-02-04 10:46:19 | 日記
母の付添でいく病院は待ち時間が超退屈。なのでデカメロンを持ってく。待ってる間にでかいメロンを食べて……ではない。ボッカチョのデカメロンの文庫本だ。で、待合室の椅子にこしかけ鞄から出すと、ありゃ、カヴァーが女性の露わになった太もものイラスト。なんだかエイチな本のようだ。そういう本ではないのに。ほとんどが中世の堕落しきった為政者や聖職者への風刺。たまーにスパイスのように淫靡な話が混じるだけ(=私のブログ)。そもそもペストの流行から逃れるために疎開した男女数名が暇つぶしにかわりばんこにお話をする、という話。高貴なご婦人もいるわけだから、そんなにしょっちゅう下ネタばかり話してはいられない。パゾリーニがいけない。淫靡なエピソードばかり選んで映画にしたから。とにかく、このカバー付きだと看護師さんに変態と思われかねない。カバーをはずして読む。で、こんな話があった。どっかの王様が金持ちから金をまきあげようと思って、その金持ちに「ユダヤ教とイスラム教とキリスト教のうち真の宗教はどれだ」と尋ねる。王様の魂胆は、金持ちが下手に答えたらそれにいいがかりをつけて財産をまきあげる、というもの。金持ちは王様の内心を見破ったうえでこう答えた。「ある一族が立派な指輪を代々受け継いできた。今それを手にしているのは三人の子を持つ者。その三人の子銘々が自分に継がせてくれと嘆願するので、困った父は精巧なイミテーションを二つ作って、全員に「受け継ぐのはお前だ」と言って渡す。父の死後、それぞれが自分こそ真の継承者だと主張して指輪を取りだしてきたが、どれもがそっくりで、どれが本物か分からないまま今に至る。宗教についても同じ。各民族はそれぞれ遺産と宗教と戒律を持っているのであり、どれが真の宗教という問題は解決できるものではない」。広い心だ。自分がいいと思ってるものだけがいいというのではなく、他人の考え、信仰にも理解を示す。もちろん、金持ちがした話は王様の策略から逃れるためにしたものだが、でも、こういうことを書ける、というのは作者のボッカチョがそういう考え方を持ってたからだろう(頭にないことは書けない)。なんでもかんでも自国ファーストで特定の国からの入国を禁止するどっかの大統領にも聞かせたい。因みに、物語では、王様はその金持ちの話を聞いて感じ入り、心中を吐露し、金持ちは喜んで金を貸した。王様は後日ちゃんと借りた金を返したうえでお礼もし、二人はずっと仲良しであった、で終わる。この王様も偉い。某大統領はどうだろうか。だめそうだな。気に入らない人はすぐ「You're fired」だもんな。

ボンカレーとお仙

2017-02-03 10:58:43 | 日記
(承前)そう言えば、小学生の頃、品川隆二さんと松山容子さんが結婚して子供ができたらすごい役者さんになるだろーなー、と思ってた。ませたことを考えるガキだ。いえ、単にご両人の芝居がすごいと思ったからそう考えただけで(キングカメハメハとジェンティルドンナの間の子供なら走るだろうなー、ってそういう類の想像)、お二人の接点の有無など知る由もない(大体、子供ができる仕組みも当時分かってなかった)。その松山容子さん、なんで知ったんだろう?まずボンカレーのCMに出てらした。その前にドラマだ。たしか、女剣豪の役で、焼津の半次みたいな相棒もいたと思う。なんて名前だっけ。ここですぐググってはだめだ。頭と筋肉は使わなければダメになる(最近のモットー)。記憶の底をほじくり返す。えーと、えーと……おせん!「おせん」じゃなかったか?もういいだろう、答合わせ(ググる)。当たり!「お仙」だった。相棒は大信田礼子さんだった。Wikiに「月影兵庫と花山大吉の路線を踏襲した」とある。さもありなん。だから、好きで見てたんだよなー。

焼津の半次で感激!(パパゲーノはぱくってません)

2017-02-03 09:01:21 | 音楽
昨日のファミリー・ヒストリーは、故松方弘樹さんと目黒祐樹さん兄弟のお宅のヒストリー。この方達のお父様は近衛十四郎。近衛十四郎と言えば月影兵庫(とその続編の花山大吉)。大好きだった。だからひとんちのヒストリーだが興味津々。狂喜したのは焼津の半次(相棒役)を演じた品川隆二さんの現在のお姿を拝見できたこと。剣豪の月影兵庫(花山大吉)とおっちょこちょいの焼津の半次のコンビは絶妙だった。「てへへへへ、だんなぁ」とすり寄る半次に対して「このぉ、ばかたれが」と罵る兵庫(大吉)。やりとりが耳に残っている。当時夢中になって見てたもんだからすっかり影響されて。授業で芝居の脚本を書かされたときも「村人が首をつろうとする。そこに素浪人が通りがかり助ける」という話を書いたら先生が「よくこんな話を思いつくもんだ!」とえらくほめてくれて、で、みんなの前で読まされたらあちらこちらから「月影兵庫のぱくりだー」の声。知らぬは先生ばかりなり。だからクラス中で見てた、ということだ。あれ、今の筋、パパゲーノとも似てる(助けるのは素浪人ではなく3人の少年だが)。でも、魔笛はぱくってません。これ、小学生んときの話だから(私がオペラに目覚めたのは中一のとき)。

調教助手

2017-02-02 15:17:44 | 日記
ミルコ・デムーロ騎手からベートーヴェンに話が流れていってしまったが、またデムーロ騎手に戻る。デムーロ騎手にしろ、ルメール騎手にしろ、感心するのは早い時期からインタビューを日本語で受けてること。当初、意味不明なことが多く、聴き手の想像力が必要だったが、あっという間に上手くなった。文法もへったくれも気にせずとにかくしゃべる、これが語学上達のポイントだと感じさせる。この二人に限らず、騎手はかっこいい。でも誰にでもなれるものではない。体重制限(49kg)をクリアーしながら馬を追うための筋力も必要ということになると、やはり小柄が有利。騎手に二代目が多いのも、そのあたりの体格のDNAを受け継いでいるからだろう。それに、騎手は命がけ。今活躍中の福永祐一騎手のお父さんで天才騎手の名をほしいままにしていた福永洋一騎手は落馬して大けがをし、騎手生命が絶たれた(一時、生命の危険もあったその落馬事故、よく覚えてると思ったら私が大学生のときだった。つーか、今ぐぐって知った。洋一元騎手は私より10歳しか離れてなかった)。騎手ではないが、日々、馬にまたがって実際に調教するのが調教助手さん。かつてジェンティルドンナの担当だった調教助手さんは井上泰平さんて方。高校のとき国体で優勝し、当然のごとく大学では馬術部に入り、で、競馬の世界に入られた。そういう生き方もあるんだなー(プロフェッショナルにひたすら憧れる私。騎手になれないんならせめてコックさん(また誰か赤面?)になりたかった)。その井上さん、ジェンティルドンナがラストランの有馬記念で優勝したとき、涙ぐんでたそうだ。

連想するもの=猫だったり犬だったり

2017-02-02 08:30:56 | 言葉
「ミルコが引退」というニュースを聞いて、え?ミルコ・デムーロ騎手が?と思ったらプロレスラーのミルコだった。そうだよ、いまが盛りのデムーロ騎手が引退するはずはない(きれいな奥さんはデムーロ騎手よりずーっと背が高い)。名前を聞いて連想するものは人それぞれ。「マイケル」と聞いて、「ジャクソン」を思い浮かべる人もいれば猫を思い浮かべる人もいる。「ベートーヴェン」と聞いて、作曲家を思い浮かべる人もいれば犬を思い浮かべる人もいる(アメリカ人は「ベイトウヴェン」と発音するみたい。漱石は小節の中で「ベトヴェン」と書いている)。私が思い浮かべるのは、第一には「Ludwig van Beethoven」だが、第二は犬にいかず、一度テレビで見たベートーヴェンの子孫だというご婦人(ベートーヴェンには子供がいなかったから(隠し子がいた、と書く本もあるが)、弟の子孫?)。ご先祖様のベートーヴェンを「とてもハンサムだった」と言っていた。身びいきな感じもした(いや、容姿はともかく、もてたことはもてたらしい。才能があるともてるんだ)。「マイケル」に戻る。これはもともと天使の名前だ。「大天使ミカエル」の私のイメージ。シン・ゴジラほどの大きさのクールな(ちょっと怖い)美青年。萩尾望都の「百億の昼と千億の夜」(原作=光瀬龍)の影響。

ザ・グレイトもぱくりぱくられ~神宮の岡田選手のホームラン

2017-02-01 15:24:41 | 音楽
(承前)第九は第4楽章でモーツァルトをぱくったが第1楽章をヴァーグナーにぱくられた。同じく、シューベルトのザ・グレイトは第4楽章でベートーヴェンをぱくったが第1楽章を某W大の応援歌にぱくられた(かもしれない。ここでは推定有罪で話を進める)。ザ・グレイトの冒頭は「♪ドーレミ、ラーシド」。「なんとかの空」は「♪ドーレミ、ソーラド」。曲想はかなり違う。ザ・グレイトは、ゆっくりでどこかもの悲しい(「ラ」のせい)。「なんとかの空」は元気一杯。当たり前だ、もの悲しい応援歌なんて聞いたことがない。さて、この応援歌をぱくって(というか、ちゃっかりというか)自分達の応援歌にしていたのが何を隠そう某高校の白組(わが母校は体育祭のとき生徒を生まれ月によって四つのグループに分けていて、その一つが白組だった)。「白つながり」で「なんとかの空」だったのだろう。某KO大の応援歌(○き血)をぱくった組もあった。で、私は白組だった。だから高校のとき歌った応援歌をそのまま大学でも歌うこととなった。因みに、神宮でこの歌を歌って応援していたときのスラッガーは岡田彰布選手。「かっとばせー、お、か、だ」と叫んでいたら目の前でホームランを打った。

「オランダ人」が第九をぱくった?

2017-02-01 08:34:12 | 音楽

第九のぱくりと言えば歓喜のメロディーだけではない。第1楽章の冒頭も「オランダ人」によって狙われたのかもしれない。いい機会だ。4年前の記事を再掲しよう。当時は、実験音源(自作)はFBにしかアップできなかったが、今はYoutubeを使ってブログでも聴ける(それをFBにリンクさせる)。文中に書いたとおり、このアイディアはピアニストの都子さん(仮名)からインスパイアされたもの。この記事を書いた当時、都子さんは、この記事が売れたらあたしに儲けの半分よこせ、と恫喝……し、失礼しました(汗)、この二文字即撤回……お申し出になられた(今の撤回の速さはアイーダがアムネリスに対して「上等じゃん」と啖呵を切った1秒後に「あ~、許して」と言ったのと同じくらい)。が、まったく売れなかったので、儲けはありません。感謝の気持ちだけ差し上げます。ということで、当時の記事(実験音源付き)をどうぞ。あっ、タイトルの「間抜け」は、「間の音が抜けてる」=空虚五度、ということですので。「ヴァーグナーのさまよえるオランダ人の序曲の冒頭は、ベートーヴェンの第九の冒頭とそっくり。最大の類似点は、弦楽器が、第3音を除いた和音をきざんで開始している点。音で比較してみるとこのことは明らかです(実験音源は、最初がオランダ人、後のが第九です。実験しようと思ったきっかけ。らららクラシックの第九の実験についての私の記事に、都子さん(仮名)さんが、オランダ人を連想した、とコメントを下さったこと。それを聞いて、あっ、この二つ似てるっと思った)。スコア上は、第九は4分の2拍子でラとミを6連符できざむ。オランダ人は、4分の6拍子でレとラを8分音符できざむ。が、後者の3拍を1拍と数えれば同じです。楽器編成は、第九は第二ヴァイオリンとチェロできざむ。オランダ人は、ヴァイオリンとヴィオラできざむ。ともに、弦の一部がきざんで、それに管楽器がかぶさります。ともに、3小節目のアウフタクトからパッセージが入ります。違うのは、調。音量(第九はピアニッシモ、オランダ人はフォルテ)。かぶさる管楽器の数(第九はホルンだけ。オランダ人はたくさん)。ヴァーグナーは、ベートーヴェンの崇拝者で、それまで理解不能な曲とされていた第九を、初めて聴衆が受け入れられる形で演奏をした人。だから、両曲の類似は、偶然ではない、と考える次第です。」以上、当時の記事。一つ追加。ヴァーグナーは、「昔、ベートーヴェンと会っていろいろな話をした」と吹聴しているが、これは事実としてあり得ないこと、と言われている。そうとうあぶない人だ(だから、あんなすごいオペラをたくさん書けた!?)。