拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

ルチア・ポップの「春の声」

2017-03-15 09:34:34 | 音楽

ユーチューブがとびきりの映像を奨めてきた。ルチア・ポップの「春の声」(Jシュトラウス)。この曲を最初にいつ聴いたかは覚えてないが、記憶の中で一番古いのはJシュトラウスの伝記映画(最近も記事にしたばかり)。その後、いろいろ聴いた中で、もちろんグルベローヴァは素晴らしいが、ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートでのキャスリーン・バトルの歌はチャーミングだった。その年、指揮をしたカラヤンが招いたのだった(このコンサートにゲストが来るのは前代未聞)。ちょうどこのときウィーンを旅行していて、添乗員さんがわれわれを置いてきぼりにして10万円払ってこのコンサートを聴きにいって「最高だった」と興奮冷めやらぬ様子だった。私は楽友協会の外側だけ見て、帰国後録画を見たのだった。バトルはこのとき絶頂だった。いつも私とグルベローヴァの素晴らしさについて熱く語っていたFさんも、さすがに「この曲はバトルが最高」と言っていた。とかいろいろ言いながら、結局、今回リンクしたこの映像が私の脳裏からほかのものを全部追い出してしまった。ポップこのとき20代半ば(私は小学校低学年)。ふと思った。クライバーは1989年と1992年にウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートに登場しているが、もしポップと喧嘩してなかったら、カラヤンに次いで史上二度目となるゲスト登場とあいなったかもしれない。なにせ、クライバーはポップと押しかけ同棲を試みるほどの緊密な仲だったから。ミュンヘンでクライバーがバラの騎士を振るときのゾフィーはきまってポップだった。で、いよいよ出世魚のごとくポップがマルシャリンを歌うことになったとき、リハーサルで二人は大げんか(痴話げんか?)をして決別したのだった。

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