拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

女王陛下のお気に入り/ラ・ファヴォリータ

2024-02-03 10:13:35 | 音楽

今週の朝ドラは悲しい話だったけど、来週いよいよスズ子は「東京ブギウギ」を歌うらしい。一転、元気溌剌!?「泣いてばかりいたって幸せは来ない」と歌ったのはキャンディーズ(春一番)。キャンディーズのランちゃんはスズ子を演じる趣里さんのお母さんです。

ということで(話はつながってないけど)、エマ・ストーンを見たくて見た映画のうち、今回は「女王陛下のお気に入り」の話(と言っても、例によって余計なことばかりで、この映画のことはあまり出てこない。ネタバレありです)。原題は「The favourite」。意味は「お気に入り」。そう。例によって邦題は説明色を強めて「女王陛下の」を付け足したのね。イギリスのアン女王の「お気に入り」だった貴族夫人の座を、エマ・ストーン演じる侍女が策略をもって横取りするお話。その手段は「色仕掛け」。もともと貴族夫人が女王の寵愛を得たのも同じ手段だった。このあたりの描写は、監督が「哀れなるものたち」と同じなのでテイストもそっくり。この監督こういうのが好きなのねー、と納得しました(「哀れなる」の方が数倍過激だけど)。

エマ・ストーンはこのところ、アカデミー賞ノミネートの常連。メリル・ストリープみたいね。あたしがメリル・ストリープを最初に見たのは「フランス軍中尉の女」で、とっても印象的だった。

因みに、英語の「The favourite」をイタリア語で言うと「ラ・ファヴォリータ」(La favorita。ただし、これは「お気に入り」が女性の場合で男性なら「イル・ファヴォリート」になるのかしら。英語は日本語と同じで男女の違いはない)。とくれば横野君の出番。ここからはバトンタッチ。はい、横野です。そう「ラ・ファヴォリータ」はドニゼッティのオペラ。ボクにとって思い出深いオペラで、というのも、ボクがオペラにはまったのは中一のときのNHKイタリアオペラで、三つの作品が演奏されて、その全部がテレビで放送されて、それを見たからなんだけど、その三つというのは、パヴァロッティが歌った「リゴレット」と、マリア・カラスの再来と言われたスリオティスがタイトル・ロールを歌った「ノルマ」、そしてもう一つが「ラ・ファヴォリータ」だったんだ。ヒロインはメゾ・ソプラノのフィオレンツァ・コッソット。当時、パヴァロッティは日本では無名で、さっきのスリオティスとこのコッソット、そしてテナーのアルフレード・クラウスがビッグ・ネームだった。そしてテレビ放送でナレーションを担当したのは、もちろん後藤美代子アナウンサー。その後藤アナが語る粗筋で印象的だった一句が「時既に遅く」。今でも、後藤アナの声で頭に残ってます。