拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

「後宮からの誘拐」と「アルジェのイタリア女」

2021-10-24 06:59:21 | 音楽
今年買い換えたものと言えば、魔法瓶(今どきなんて言うんだっけ。ポットだ)もそう。新しいやつは心棒がなくてより便利。だが、3日に一度くらいへりが茶色く汚れる。なんで、こんなところが汚れるんだろう。もしかして、Gが侵入しているのだろうか、と真剣に考えた。が、ネットで「水道水の不純物で汚れる」と言っているのを発見。そう言えば、汚れる部分というのは、余ったお湯を翌日やかんに移すときのお湯の通り道だった。そこで、やかんに移すたびにそこをちり紙(今どきなんて言うんだっけ。ティッシュだ)で拭いてみた。汚れが出なくなった。ってことは、水道水の不純物が原因だった?さて。魔法瓶とか言うと、千一夜物語を読んでる者としては、こすると魔神が出てきそう。イスラムの世界の物語である。イスラムと言えばモーツァルトのオペラ「後宮からの誘拐」。ところで、最近、久しぶりにロッシーニのオペラ「アルジェのイタリア女」を視聴したら、なんで今まで気づかなかったんだろう、と思うくらい両者の粗筋が似ている。ともに、イスラムの太守(地方の統制官。戦後の日本のマッカーサーみたいなもの?マッカーサーは日本で大人気だったんだって。ついこの前までは鬼畜米英って言ってたのにね)に求愛されたヒロイン(ヨーロッパ人)が本来の恋人と一緒に太守のもとから逃げる話。粗筋だけではない。今回「アルジェ」を聞いてたら、(移動ドで)♪ド、ド、ドー、シドレドシラソーってメロディーを合唱が歌ってる。これって、「後宮」のラストで合唱が歌う(移動ドで)♪ドー、ドー、ドー、レドシラソーとそっくりじゃん。ホントになんで気づかなかっただろう。多分、私が勝手に「後宮」の舞台をトルコだと思っていて、アルジェリアとは離れてるんで、同じイメージがわかなかったんだろう。だが、改めてみてみると、「後宮」の舞台は「地中海沿岸のとある国」。あらま。そしたらアルジェリアの可能性だってあるわけだ(北アフリカは、一時、イスラム勢力の支配下にあった)。ますますそっくり。すると、疑問は上記のメロディー。ロッシーニがモーツァルトをぱくったか、あるいはトルコ(トルコのことばかり言ってるが、モーツァルト達と近い時代に音楽の都ウィーンを包囲したイスラム勢力はトルコなので)の音楽に基となるものがあって、それを両者がぱくったか、ってなあたりが考えられる。因みに、「後宮」は、モーツァルトの生前、彼のオペラの中で一番ヒットした作品である。それから、「アルジェ」の第1幕の幕切れの重唱はそれはそれはそれは楽しい。だいたい、喜劇のオペラは2幕立てで、第1幕の最後にこういう聞かせどころがくる。同じロッシーニの「ランスへの旅」もしかり、モーツァルトの「コシ」もしかりである。