拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

歌劇ドン・ ブラーコ(中点と伸ばす棒は不要)

2018-01-14 11:15:10 | 音楽
昨日のブラタモリを見て思ったこと。宝塚歌劇で最初に上演された作品は「ドンブラコ」。桃太郎を題材にした作品だそうだ。宝塚ではスターが羽を背負って登場すると聞いて、バロックオペラを思い出した(羽を付けた天使がよく出てくる)。そういえばアサイチに登場した小澤征爾さんは「古くから」と言う意味で「モーツァルトやベートーベンの時代から」とおっしゃっていたが、その前の時代(ルネッサンスやバロック)は念頭にないのかなあ。

マタイの謎をルカで解く

2018-01-14 09:17:23 | 音楽
マタイ受難曲(ルター訳)の中で不思議に思う部分がある。過ぎ越し祭の羊をどこに用意するかって話になったとき、イエスが弟子たちに「町のある人(einen)のところに行って頼んでこい」と言うのだが、この「ある人」っていきなりでてきていかにも唐突。英語訳も「a certain man」で同様。日本語の聖書は「かねて話してある人」で、これなら分かるが、やはりワケが分からないと思った訳者が意訳したのだろうか。この疑問に対して、キリスト者の某さんが他の受難曲に答えがある、とおっしゃった。で、シュッツを歌う会(会員募集中。例によってゆるーい会だからどなたでも大歓迎)でシュッツのルカ受難曲を始めたら早速答えがあった(答えを予想してこの曲をとりあげたともいえる)。イエスはこう言う「(拙訳)お前達が街の中に入れば、水瓶を運ぶ人に出会うだろう。その人についていって、その人が入る家に入り、家の主にこう言いなさい……」。ということであった。やはり予めその家の主人と打ち合わせができていたのだろう。因みに、ユダがイエスを裏切るくだり、ルカ伝は「悪魔がユダの体に入り込んだ」(Es war aber der Satanas gefahren in den Judas)と書いている。すごい表現だ。私、告白すると、最初「Satanas」を見たとき語尾の「as」はゴミだと思った。とんでもなかった。これも立派なドイツ語であった(ザータナス=ザタン=魔王。スペイン語ではサタナスと言うそうだ)。カンタータの歌詞にザタンはやまほど出てくるがザータナスは見た覚えがない。