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TeXtremeカーボンを選択した、デュラエースC75、C50

2013-03-15 17:57:58 | シマノ製品調査
シマノのカーボンホイール。その積層技術が面白いです。


「TeXtreme」のステッカーがありますが、どうやら、リムはOxeon社がシマノに供給しているようです。
シマノのハブは評判が良かった(リムはイマイチだった)ので、今度のデュラエースのホイールは、きっと良い物になることでしょう。


そのOxeon社(HPはこちら)、2003年にスウェーデンに、できたばかりの会社。(まだ10年!)
もとはチャルマース工科大学の人が設立したようです。(←エリート校らしい。材料工学かしら?)

HPのトップページではF1が出てきますが、どうやらレッドブルF1チームやNASCARにも供給しているようですね。自転車ではFELTのバイクにも使われています。



(↑Redbull HPより。確かに使われてますね)


このカーボンの何がスゴイのか?

カーボンの軽量化をしているんです。

カーボン(CFRP)は、マトリックス(樹脂)に対し、約30%ぐらいまでしか添加できません。これは、カーボン糸の束を固めるのに必要な量で、先の堺の大手成型屋さんも「30%程度が限界」と言っています。(ここはEUに対し、10年ぐらい技術が遅れているが…)

Oxeon社の面白いのは、テープ状のカーボンを積層しているところ。こうすれば、確かに必要なマトリックスは少なくて済み、薄いCFRPができます。


強度を上げるには、カーボン糸の纏まりをできるだ小さくして(1K(1000本)とか)編み込むのが、これまでの手法でしたが、Oxeonは、従来からあるカーボンテープを織り込んできました。
単体の引張り強度では、T1000とかの方が上でしょうが、比強度(重量に対する強度)なら、いいかもしれません。

また、フレームにしろホイールにしろ、全ての箇所に高い強度の材質が必要という訳ではありません。そんな所には、薄くて軽いCFRPが重宝されます。
逆に強度が必要な所には、何枚も必要な方向に積層してやればいいのです。

これは面白い設計ができますよね。薄い所はとことん薄く。取扱いを間違えると、すぐにパキッっといきそうですが、レース用機材なら、それもアリでしょう。


こうして出来たのが、シマノのホイールC75、C50。
OEM先の技術故、あまり自慢できないらしく、らしく書くのに苦労していますよね。(「…素材を選択し…設計を開発した」と書いてあるのがツボ。素材が開発されて、設計が選択されたのが正解なのでは?)
ただ断面を見ると、ありえないぐらい、薄い所は薄くなっています。

(↑シマノカタログより抜粋)

まあ、ともかく、リムもハブも「いいとこどり」の組合せなので、いいホイールである事は間違いないでしょう。
ハブが相変わらずの金属なので、全体ではそこまで軽くありませんが、高剛性のハブと、軽量リムのお陰で、トルクを掛けても上れるホイールなのではないでしょうか?


過去、シマノのデュラエースのホイール(金属)を履いたことがありますが(借り物ですが)、「悪くはないけど、面白くないホイールだなぁ」なんて思っていました。
今回の、この選択された素材により、どんな設計が選択されたのか、もし試せる機会があったら、試してみたいです…が。

…そう、オイラはカンパ乗り。一生、このホイールの良さは試せないかも…。


今日はここまで