Today's agenda

通勤ローディ、たまにホビーレース

土曜の、「暑い」朝練。

2013-08-07 01:13:41 | 練習
長らくお世話になったピナレロF4:13。ついにドナドナされていきました。
相手は朝練の友、T田君。これから彼は、「力が必要な時に、力を与えて頂ける」ことになるでしょうね。(聖書F4:13より)


そんなT田君との土曜朝練。コースは、山岳コース。
「金曜の飲み会で酒が抜けてないよ・・・」なんて、都合のいい言い訳があるので、ドグマで行ってきました。


朝8時に集合。ピナレロ2台だと、やっぱ、絵になりますね。
この季節、もう既に暑い。夏休みで元気ハツラツの子供達に、「帰ってきたら、ヘロヘロになってるからね」と予言して出発。



峠までは、地獄の道。飲み会に行ってない、T田君が快調に飛ばす。オイラは、差がどんどん広がり、50mから、あらら、見えなくなっちゃいました。
もちろん、このコンビに「待つ」なんて選択肢はない。
「アルコールは分解されると、エネルギーに変わるから・・・。でも、即効性のエネルギーが足りないから・・・」と、走り出してすぐに、最初の休憩。
もちろん、補給は、即効性のコイツ。


「これで、翼を授けてもらったから、飛べるゼ!」なんて、自分を騙しながら、最初の峠口へ。


この道は知ってる。最初の上りは短い。
エネルギーがあったら使いたいのが、貧乏性な性。いきなりアタック!

T田君が離れていく・・・、が、これで、オイラ活躍終了。地獄の長い上りへ。
「あと上りが3個もあるのに元気ですね!」っと、もちろん、あっさりと抜かれ、上りをクリアすることだけに専念。

頂上では、T田君が、余裕のお寛ぎ。「3分ぐらいし・か・、待ってませんヨ」なんて、うーん憎いゼ!


オイラの燃料を使い果たしたので、帰りたいとか言い始めると、T田君から、謎の補給が。
「FITさんからのお試しモノらしいけど、効くので試してみてください」と。・・・まだ、帰らせて貰えなさそうデス。(FITさん、ありがとうございます。味は・・・でした)



気温は、早くも36℃を突破。やはり、暑い一日です。
水分の補給に、茅葺に寄って、アイスを食らい、大分復活。もう、酒もクソも言ってられません。



ここからは、10%勾配で150m程上る、巴山へ。地味な地獄ポイントです。
ここがツライのは、真っ直ぐに上ること。勾配の変化がなく、延々と10%なこと。

「蛇行禁止」なんて看板がなかったので、あっても、見なかったことにして、ひたすら蛇行。
前にすすんでないんじゃないか?ってくらいの蛇行で、なんとかクリア。
ここからは、(個人的に)お待ちかねの、下りゾーンです。


「重たい物の高い所に置くと、位置エネルギーが貯まります」なんた、物理の法則の通り、下りでは速いオイラ。
ここで、どれだけT田君にダメージを与えるかで、岐路の楽しさが変わります。

「踏んで踏んで踏んで踏んで・・・、回して回して回して回るぅ~」と、懐メロの替え歌を歌いながら、下りしか頑張れないオイラ。
その気になり易いT田君に、存分に楽しんで頂けるように、後ろをチラ見しながら、頑張りました。


ここからは、自分だけ回復する作戦。(←セコイ)
三河湖のあたりを、自分のペースでひたすらクルージング。「湖畔の道は気持ちいいんだも~ん」って、自分の世界へ。
途中、暑さ対策の水補給もしつつ、岐路へ。



岐路でしかテンション上がらない自分も情けないですが、やっとT田君がヘタレてきました。オイラは、アルコールが抜け切りました。

下り基調の道で、オイラもそれなりにヘロヘロの、脚攣りまくりですが、T田君は、それ以上にヘタレます。

やっと、ドグマっぽい走りが出来ました。
細かな凹凸は無視できて、踏んだだけ進む、大変良くできたドグマ。ヘタレた脚でも、楽しめるから、ドグマ乗りはやめられません。(あれ?F4:13でも同じことを言ってたような・・・)
T田君に先着して、最後の休憩場所へ。



気温は37℃を超えており、ここからは、お気楽に帰宅。
T田君の黒いジャージが、汗から出た塩で、まだら模様に変わるぐらい、暑い一日でした。



帰宅後、娘達と花火大会の見学へ。いい夏の一日でした。




夏のツーリングで分かった事は・・・、多分、このコンビ、トロバラには向いてないです。
お互い、自分の世しか見ない、自己中コンビ。この特徴を活かすには・・・と、考えて出た結論は、「スプリンターの発射要員」。

自分勝手に、スプリンターを引きずり回し、「じゃあ、オイラ燃料切れるので、発射するから、あとはヨロシク・・・」なんて、自己中なアシスト。
「そんな使い方が、合ってるのかもね。」と、お互い納得したものの、「じゃあ、何のレースにでるねん?」との答えもないのが、哀しいところ。


秋に向けて、レースの計画を立てたいところですが、さて、どうしたものか。



今日はここまで

ドーピングの行く末は・・・

2013-07-29 08:03:38 | レース観戦
「ピラータ、スーパーマリオのドーピング発覚」。

衝撃的な記事ですが、故人までも対象に入れちゃうのは、どうなんでしょう?

UCIの、「俺たちは、昔は検知出来なかったズルでも、今なら吊るし上げることができんだぜ!これで、クリーンな競技だ!」との荒い鼻息とは裏腹に、墓をも掘り返すような検査には、もはやファンはドン引きです。

一般人からも「やっぱりな」的な反応をされ、ロードレースのステータスは地に落とされつつあります。


こんな発表で、誰が得をするのか?


UCIは、「これで、ドーパーは一掃できるでしょ?」なんて気でいるかもしれませんが、とてもそんな気がしないのです。

既に、薬によって、選手のパフォーマンスを著しく向上できる事は、証明されてします。

もともと、ドーピングの禁止薬物もサプリメントも、医療の世界からの要求である「元気じゃない人を、元気にする」薬。
EPOだって、ステロイドだって、この薬のお陰で助かった人は多く(私のその一人です)、100%の善意から生まれた薬です。

ロードレースは、著しく体に負担を掛け、体力を消耗するスポーツです。
ステージレースで消耗しきった体と、病気で弱っている体は、どちらも、回復させるとの目的は同じです。

更に、体は常に異物を嫌います。
摂取後、体にとって異物とならないモノ、つまり、もともと体にあるモノに変わるのが、医学にとっても、望ましい薬なのでしょう。

つまり、学術的には、薬学、医学の進化と共に、ドーピング学(?)も進化してしまいます。
また、倫理面でも、体にもともとある成分、そしてそれは、検知出来ない成分に変わる薬であれば、それは、「安全なサプリメント」と定義できるのかもしれません。


残念な事に、崇高な医療の目的で、さらに強力で検知不可能なドーピング薬が、自然と開発される。皮肉なもんです。

少しでも効果があるものには、大きなお金が動くのが、トッププロの世界です。ホビーレーサーでも、いい薬があれば、使いたくなるでしょう。
平たく言えば、これからも新たな「安全なサプリメント」の開発し続けられるでしょう。


例えば、チームSKY。クリーンなチームを謳ってますが、何がクリーンなんでしょうか?
あれだけ、人・物・金に糸目を付けないチームですから、そして、空力の良いウェアの開発にまで手が回るチームですから、言ってはいけない事をあえて言いますが、「安全なサプリメント」の開発にも手がけているのでは・・・なんて勘ぐってしまいます?

また、お金のあるチームも、逆にないチームも、ドーピングとの飛び道具を求めてしまうのは、残念なことです。


要は、やっぱり、UCIの取り締まりの強化だけでは、限界がある・・・というよりは、より状況は悪化するかもしれません。
つまり、「取り締まり難易度が高いドーピング=安全なサプリメント」だけが横行する世界になるやもしれません。


タイラー・ハミルトンの本を読んだからかもしれませんが、今のツールを見てて、未だに違和感を覚えてしまうんです。
毎晩がっついて、ツールを見てましたが、まだ、無邪気にツールを見る気にはなれません。


プロロードレースのありかたを含めた、抜本的な改革が必要なのではないでしょうか?



今日はここまで


Recon jet

2013-07-18 09:10:51 | その他部品調査
グーグルグラスなんて、話題になっていますが、サイクリストなら考えちゃうのが、「あれ、自転車用のサングラスに取り付けられない?」ってこと。

ありました。こちら


「Recon jet」という、ヘッドアップディスプレイ。
その画面には、こんな絵が出せるようです。


サイコンの画面と同じですね。
ただ、スマホと同じ機能も持っているので、音声会話や、チャットなど、コミュニケーションツールとしても使えるようです。

例えば、

チーム監督:(チャットモードで)3km先で横風がアリとの情報入手。各員、前方に上がり、集団を分裂させること

チーム員:(他チームに知られたくないので、そっとOKボタンを押す)

とか、

選手A:(音声モードで)アタックがかかった。俺が潰す!

選手B:お前は、足温存だ。俺が潰しに行く!

監督:奴は独走力のある選手だ。二人で行け!絶対に逃がすな!

とか、臨機応変な戦術や、現場レベルでの対応の早さなどのメリットが生まれるかも。

また、選手のパワーと心拍が、監督の元で一元管理できるので、心置きなく、選手を使い倒すことができますね。
選手は手を抜けないので、大変ですが…。


とにかく、自転車の電動化が進むと、自転車側の情報も増えてきます。
チャット画面をサイコン画面に表示する訳にはいかないので、このサングラス型情報端末は、ロードレースの戦い方を変えるかもしれませんね。

ただ、だからといって、敵チームの端末にウイルスを仕掛ける攻撃や、端末をハッキングして、選手の「恥ずかしい写真」を見せて動揺させるなんて攻撃があるかもしれませんが。

ネット社会なれば、ロードレースのネット化も、個人的には「アリ」だと思ってますが。


今日はここまで

近況のアップだけ

2013-07-16 00:54:54 | 日記
ブログ停滞してます・・・。(まだ、やめたつもりはありませんよ)

最近は、ツールの盛り上がりと共に、仕事も盛り上がり、どっちが先に今日のゴールを切れるかの勝負を続けています・・・。


さて、最近やっと、バイク・・・、といってもモーターバイクの方の完成が見えてきました。
あとは、オイル入れて、エンジン始動させて、配線をきっちりして、見栄えを良くして・・・と、細かい作業ばかり。
完成したら、アップしますので、お楽しみに。


が、自転車の方も、並行して作業しています。
予算が限られた中での部品選びですが、一から作る自転車は、やっぱり面白いですね。
・・・って、「乗れよ!」ってのもありますが。


ってことで、ネタもありませんが、ボチボチやっていきますので、気長にお付き合いくださいな。


今日はここまで

読書の夏

2013-07-09 08:00:31 | 日記
やっとサガンのゴールパフォーマンスが見れました。
結構な競り合いだったので、アタフタしながらのパフォーマンスでしたが、期待させた割には、意外と地味だったかも…。

(↑シクロワイヤードより)


ツール休息日。こんな本を読んでいます。

近藤史恵の新刊「キアズマ」。
これまでのプロ自転車選手ではなく、大学の自転車部を舞台にしています。
相変わらず、引き込まれる内容です。


もう一冊は、「サイクル・サイエンス」。

カーボンオフセットや、記録的な話など、これまであまり興味がなかった所は、面白いです。
技術的な所は素人向け。訳者がちゃんと調べずに翻訳してるので、エンジニアには、読みづらいかも。
2800円もする割に内容は少ないので、立ち読みがオススメです。(←コラ)


暑いので、乗るだけではない自転車を、のんびり楽しみましょう。


今日はここまで

「1kmで1秒短縮」って、どんだけスゴイの?

2013-07-05 08:41:44 | フレーム調査
ツール開幕!

一筋縄ではいかないステージが恒例の序盤戦。
今年も、ゴール前のドラマが多彩。

ゴール前、僅差で逃げ切った…犬がいたり、スプリンターの激突の前に、バスがゴールに激突したり、ゴールパフォーマンス宣言をしてるサガンの連続2位放置プレーがあったり、楽しんでいます。

さて、そんなツール。
ガッツリと喰いついたのは、チームTT。

マシンは、なかなかの進化。
ウェアは、まだまだ進化できそうですけどね。

↑中途半端な空力処理のスーツを着せられて、可哀想なスカイの面々。(シクロワイヤードより)

今年のTTマシン、1kmで1秒短縮できる実力があるらしいです。
この「1kmで1秒短縮」って、空力だけで稼ぐとしたら、どれぐらい大変な事なんでしょう?
ちょっと、考えてみました。


まず、「1kmで1秒短縮」は、速度に換算すると、1.67%のアップになります。

速度アップに空気抵抗低減値は、ざっと二乗に比例すると仮定すると、3.4%の空気低減低減が必要です。

この空気抵抗低減をフレームの改善だけでやるならば、ライダーも含めた全体抵抗に対するフレームの割合が15%と仮定すると、フレームの空気抵抗値を22.4%も下げる必要があります。

はぁ?22.4%?

仮に、乱流発生の抑制やら、フレーム断面形状の改善やらで、CD値を下げるならば、例えば、CD0.3→0.245まで下げないとなりません。

机上の計算とはいえ、ちょっと、あり得ない数字ですね。


では、どうやってフレームの抵抗を22.4%も低減したのか?

多分、色んな「合わせ技」でしょうね。

例えば、高強度材をふんだんに使って、チューブを「きしめん」みたく投影面積の小さな形状にするとか、空気の流れを乱すコンポにカバーをするとか、コンポ自体のフリクション低減だって、抵抗の低減になりますし。

(↑ブレーキにカバーはこんなの)

感覚的には、フレームのCD値改善が5%、投影面積の改善が10%、カバーとかで3%、その他7.4%ってとこでしょうか?(根拠のない推測ですが…)


ともかく、言いたいのは、技術の進歩なんて、とっても「地味」なんですよ。
何年も頑張って研究を続けた成果が、0.5%とかって、ザラにあります。それでも、結果が出ただけ、大したものだと、評価されます。

よく深夜の通販番組とかでは、「なんと、2倍の効果!(当社比。人によって効果には差があります)」とかよく謳われてますが、エンジニアの世界では、んなことは、(殆ど)ありません。

「0.5%の効果の研究成果を10人が持ち寄って5%の効果にする」、それがエンジニアの世界です。


「1kmで1秒短縮」。一見他愛もない数字に見えますが、その裏には、沢山のエンジニア達の、長きに渡る努力の成果が出たのだと思うと、ぐっとくるものがありますよね。

もしツールのTTのゴールの観客席で、チーム関係者でもないのに、勝利に感涙する人がいたら、それはマシンの勝利を喜ぶエンジニアなのかもしれませんね。


「ツールで勝利したTTマシン!最先端技術と研究の塊!そんなマシンが、今ならたったの○○○万円!」なんて言われると…。そして、もうすぐボーナスだと考えると…。

ツール期間中、財布を握りしめて、自転車屋さんに行かれるときは、ご注意ください。(オイラだけ?)


今日はここまで

3Dプリンターで自転車部品の製作って、あること、ないこと?

2013-06-29 20:02:16 | その他部品調査
3Dプリンター。最近の流行で、もちろん私も、仕事ではお世話になっています。
この3Dプリンター、機械加工、冶金ではあり得ない形状が作れるので、とても面白いものです。(例えば、中空のボールは、3Dプリンター以外では、作れない)

最近では、3Dプリンターで金属部品も作れちゃうとのこと。
じゃあ、「自転車部品も作れちゃうのでは?」と、その可能性について書かれた記事がこちら








この記事では、
「樹脂だけでなく、金属部品も、3Dプリンターで製造可能」
「(3Dプリンターを使えば)大手メーカー品だけでなく、個人プロデュースのガレージコンポーネントメーカーの誕生も近いのかもしれない」
「CNCなどの切削では、どうしても分子構造的に弱い方向性が生まれてしまうが、3D金属プリンターでは各方向に均一な強度を出すことができるのだ」
と書かれているが、本当にそうだろうか??


この3D金属プリンター、工法は簡単、焼結の粉をレーザーで焼き固めながら、成型していくもの。
単一金属だけでなく、色んな金属を混ぜることも可能。つまり、チタンチューブだけど、ネジ部だけ鉄にするなんてことも、原理的には可能。

「これって、金属の粉を焼き固めた「焼結」と同じじゃない?」「形状の制約がなくなるから、超軽量ラグが簡単に作れるよね!」と思ってしまうのは時期尚早。
これって、むしろ「焼結の欠陥品」に近いかもしれないのです。


まず、「焼結も3D金属プリンターも、粉を焼き固めて成形するのは同じだよね?」ですが、同じではありません。

(一般的に)焼結は、金属の粉をプレスで「押し固めて」密度を上げてから、「焼いて」金属粉同士を接合させます。
この焼くときの温度管理が重要。粉の表面だけを溶かして、粉同士の結合強度を上げます。温度を上げすぎると、組織が変態して、強度が劣ってしまいます。

一方、3D金属プリンターには、押し固める工程がありません。つまり「クズクズの低密度の金属体」になります。
また、その接合方法も、レーザー溶接。つまり、どの程度ちゃんとくっ付いてるかなんて、よく分からない状態になっています。

つまり、3D金属プリンターで作られた部品には、金属としての強度はおろか、機能部品の材料として使うのは、かなり困難だと思われます。


じゃあ、「3D樹脂プリンターなら、自転車用の部品を作れるのか?」と言うと、これも困難なんです。

3Dプリンターには、幾つかの手法が存在しますが、概して、だんだんと形状を作っていく方式です。(積層のような)
樹脂部品の設計で、もっとも気を使うのは「ウェルド」、つまり樹脂同士の繋ぎ目で、積層の場合、そのウェルドが多数存在していることになります。
3D樹脂プリンターでは、例えば「PEEK」のような、基本特性はアルミ並みの強度を持つスーパーエンプラも取り扱えるとのことですが、このウェルドがあると、強度はその数分の1程度しか出ません。
数分の1の強度でいい部品なら、まぁ、作れますが、強度が必要な機能部品に使うのは、現段階では、強度、コストとも、通常の型で作る成形品に敵わないと思います。


と言う訳で、色んなチャレンジが行われ、展示会や記者発表で、良い事だけを言う適当な発表に、いちいち振り回される記者もいらっしゃるようですが、3Dプリンターで製品を作ってくるメーカーは、・・・出て欲しくないもんです。

ただ、見た目は大変美しいので、「オイラも、こんな自転車が欲しいなぁ~」なんて、ちょっと本気で思っちゃいました。


今、オイラも次のミニベロの部品集め中。今日も朝練帰りにFITさんに部品注文完了。
早く届かないかなぁ~・・・って、実はやり切る為には、かなりの勉強が必要になりそうですけどね。

この話は、また後日。
あっ、ツール見なくっちゃ・・・。

今日はここまで



ハミルトン

2013-06-22 14:35:48 | レース観戦
ブログの更新が、週一程度になってしまった…。
書きたいことはあるのに、眠気との戦いに連敗中。

今日は、そんな敗戦処理みたいな記事です。

ツール開幕を前に、今読んでいる本が、こちら。

シークレット・レース。ドーパー、タイラー・ハミルトンの告白本。
「秘密のレース」ではなく、「レース界の暗黙の掟」みたいな内容で、不思議とスッキリとした気持ちになれる本。


この本を読むのは、自分のブログで、ドーピング問題について触れた以上、推測に元ずく勝手な意見だけを言い放つのは、無責任かな…と思ったから。
例えば、「じゃあ、ドーピングをした者の気持ちを考えた事があるのか?」との問いに、黙ってしまうようでは、語る資格はないのだろうね・・・と。


昨今のグランツールは、お決まりのように「ドーピング違反」が続いています。先のジロでも、残念ながら、ありました。
この背景にあるのは、もちろん、検査技術の向上によるものですが、ズルをする(させられる)選手側も、更に高度な(痕跡の残らない)ドーピングをやっているとの話もあります。
いや、むしろ、痕跡をなくすドーピングの方が、簡単なんでしょうね。

こんな「イタチゴッコ」が繰り返される以上、UCIも、「ズルは許されない」と摘発に力を入れるだけなく、選手が(そして選手に)ドーピングをさせない環境にしてあげる事も必要ではないでしょうか。

あれだけ過酷な競技で、チームも選手も、将来が全く保証されていない。
つまり、何年も自転車競技一筋でやってきた挙句、運悪く、無名のままでクビになると、路頭に迷ってしまう。チームだって、成績が悪ければ、スポンサーが付かずに「解散」となる。

(ドーピングせずに)一発当てないとクビ、ドーピングで引っかかってもクビ。なら、引っかからないドーピングに躍起になるのも、残念ながら、分かる気がします。


結局、お金なんです。自分は我慢できても、家族が生活できないと、プロ選手はやっていけない。
沿道の観客から、観戦料を頂くことが出来ないロードレースなれば、ファンとして、選手やチームに利益を還元できる取り組みはできないものでしょうか?

具体的には、競輪みたく公営ギャンブルにするのも一つの案でしょうし、身近な所では、チームのグッツを買うとか、ファン倶楽部の人達との交流会とかが、私はうれしいかも。


ツールも、今年が100回目。
物事を根本的に見直すには、いい時期なのではないでしょうか?


今日はここまで


35ハンドルはカーボンステムからの要求?

2013-06-14 08:20:06 | その他部品調査
自転車整備で困ること。
樹脂(カーボン)部品に使われているボルトの、シビアなトルク管理。


樹脂(カーボン)にボルトを直接締め付けたり、樹脂部品を挟んで締め付けたりすると、「座面の陥没」と「クリープ(正確には応力緩和)による、ボルト軸力低下(緩み)」に気を付ける必要があります。

特に樹脂の場合、季節の温度差ですら、樹脂とボルトの熱膨張係数の違いにより、ボルトの軸力が大きく変わるので、注意が必要です。

最近は、ステム、ディレイラーの板、シートレールなどが樹脂化され、その締め付けには、M5ボルト(又はM6)が使われています。

この、「樹脂にM5ボルト締め付け」が、とっても難しい。


特に、カーボンステム。

あの4本のM5ボルトが緩むと、とても怖い思いをしますよね。

「ダンシングしようと思ったら、いきなりハンドルが回っちゃって、怖かったよぉ~」って、長く自転車に乗ってる人なら、一度は経験してるのではないでしょうか?

「…だから、トルクレンチで、締め付けトルクを管理しましょう」と、以前アッサリと書きましたが、よくよく計算すると、φ25.8とφ31.8のカーボンステムが成立していないんですよ。マジで。


結論から書くと、夏場に締めたカーボンステムは、冬のダンシングでハンドルが滑り(回転する)、冬場に締めると、夏場にボルト座面が陥没し、次の冬に滑ります。


「滑るならM5ボルトをもっと締めればイイじゃん!」と、パッと思い付きますが(私も出先だとそうする)、こうすると、ボルトを締めた瞬間に座面の樹脂が陥没しちゃうんです。



計算してみましょう。

カーボン樹脂の場合、許容圧縮応力を140MPa(許容圧縮応力の高い、低弾性カーボンの下限値)とし、それをJIS規格の六角穴付きボルトで締めたとすると、最大締め付けトルクが3.8Nmで、樹脂の座面応力安全率が1.0の限界値になります。(軸力バラツキ考慮)。

慣れた人なら、手感でも「そろそろ座面がヤバイかな?」と感じとれるでしょう。

ちなみに、これ以上のトルクで締めると、座面が陥没(破壊)しながら、ボルトの軸力を上げることになります。


その3.8Nmで締めた時の軸力が4.4kN程度。ボルト4本で、計17.5Nmの軸力になります。
この軸力で、ステムはハンドルバーを固定しています。

この軸力を、φ31.8ハンドルの耐回転トルクに換算すると、「75.0Nm」のトルクにまで耐えられます。
(摩擦係数は、ハンドル表面をザラザラに処理したと仮定して、0.3±0.03で計算)


一方、体重80kgのライダーが、全体重をハンドルにかけてダンシングした場合、ハンドルを回転させるトルクは、「78.4kN」なります。


あれ?耐回転トルクを超えちゃった…。滑りますよね。


「オイラは体重60kgだから大丈夫!」って訳でもありません。
ダンシングしてる時に、路面の凸凹で突き上げ荷重を受けると、アウトですから…、残念!(←もう流行ってないよ)



そこで登場するのが、DEDAのφ35のハンドル。(トレンテチンクエ)

同じ締め付けトルクでも、耐回転トルクが「82.7Nm」まで上がります。
とりあえず、普通に走る分には、ある程度は滑らなくなりそうです。

DEDAのエライのが、ステムをカーボン化していないこと。
軸力を倍(8.8kN)程度まで上げられるので、まずハンドルは滑らないでしょう。

先の計算は誰でもできることなので、「カーボン化するなら、M5ボルトでは心配。でも、M6にするとゴツくなるしなぁ…。まぁ、皆が見慣れた頃に出そうっと」とのDEDAの思惑でしょうかね。
そのうち、カーボンステムもラインナップされると思いますが、もし、M5ボルトだったら笑いますけどね。(でも、イタリア人の仕事だしなぁ…)


DEDAは、「35ハンドルはハンドルの剛性を上げる為だぁ!」なんて言い張ってますが、先のZEROステムのリコールで懲りているメーカーなれば、「実は、ハンドルが滑るのが怖いから、φ35にしました」なんてネガティブな事は言えないもんね。

色んなサイトでは、「φ35ハンドルの剛性は必要か?」なんて議論されているようですが、まず、ギリギリスペックを追い求める部品の、設計成立性を議論するのが先ではないでしょうか?
(文系の人には、チョットキビシイかな?)


とかく、ハンドルは滑ると大事故になりかねないので、ボルトのトルク管理は、季節の変わり目毎に行うことを、オススメ致します。

ただ、そのトルクレンチでも悩みが…。
この話は、次回に。


今日はここまで



TTバイクには進化の余地が沢山?

2013-06-08 18:21:43 | フレーム調査
TTのバイクって、まだまだ詰める所が多い。

↑トニ・マルティン。

いいフォームですね。こんなのを見ると、エンジニアなら、本能的に機材側も負けてられない気になってきます。

何が足りなく、何がムダかとの目で見ると、「車体フロント側の空力的努力」と、「なんとなく存在しているバックステー」、そして、「ディレイラーの存在」をなんとかしたくなってくる。

ドーフィネのコースは、どフラット。スタート以外は、あまり変速しないでしょう。
ヘタれた時は、既にタイムは期待できないので、「ヘタレの為のギアなんて、ない!」ってことで、切り捨ててもいいでしょう。(←他人には厳しい人)

となれば、変速機はいらない。単なる重りか、空力を悪くする突起物でしかない。
いや、変速機が必要としても、誰が外装式って決めたのでしょう?(←UCIが)

コーナーがあり、不確定要素の多い一般道ベースのコースでは、ブレーキは必要なんですが、誰がキャリパーブレーキ前提なんて言ったのでしょう?(←だから、UCIが!)


こう考えると、究極的には、ディレイラーもキャリパーブレーキもいらない。
変速機がいるなら、アルフィーネでも付けておけばいいし、ブレーキはコースターブレーキで、いいんじゃないでしょうか?




しかし、ライダーが苦悶の表情を浮かべながら頑張っているのに、自転車がUCI規定のせいで、旧態依然としてるのは、なんだか勿体ない。

某サイトには、「機材の進化は必要なのか?」とありましたが(変速機の家電化…?)、機材を使う最高峰のレースなれば、最先端の技術を使ってこそ、そのプライオリティが上がるもんだし、一般ライダーも、そんな自転車が市場に出ることを望んでいる人も多いと思います。

競輪選手は確かにスゴイけど、その自転車は半世紀前の技術のもの。その自転車の方に憧れる人は、(多分)あんまりいないでしょう。(競輪自転車ファンの方、ごめんなさい)



機材を使うスポーツは、選手だけが戦っている訳ではありません。

機材メーカ、サプリメーカ、マッサージャー、トレーナー、監督など、チームを構成する個々が、それぞれの視点から、それぞれの勝利を得る為に、日々努力しています。

UCIも、そんな化石化した自転車での競争となる前に、もう少し、技術の進化に見合った規定に、少しはアジャストして欲しいもんです。

とかく選手だけにスポットライトが当たりがちですが、裏方まで含めたチームスポーツとの視点で、ロードレースを見てみたいもんです。


…なので、今、そんなテストカーを製作中。(チャリ通用のビアンキの後継車)
妄想の世界も楽しいけど、実走からは沢山のフィードバックがあるからね。

何をやるのかは、まだ書ける段階ではありませんが(苦手な分野だし)、ツールを戦うコンポーネント開発の、気分だけでも味わいたいもんです。


今日はここまで