CRIブログ カノア建設・教育プロジェクト&リンダウバ&ウテさん招聘プロジェクト

①07~08年ブラジル・北東部漁村でのプロジェクト②08年9月、ブラジルから3人の強く生きる女性が日本にやってきました!

広島講演会2日目

2008年09月08日 15時15分47秒 | リンダウバ・ウテ・エビーニャ日本招聘
こんにちは、ひろです。
昨日の広島での様子をご報告しようと思います。
また写真がないのですが、あとでアップしますのでお許しを。

昨日は午前中かんかん照りの中、リンダウバはマサ,トシと平和記念公園見学。
記念館では悲惨な情景の連続で、リンダウバは「このような写真を小さな子どもに見せるのはとても良くない、とても重い」と漏らしていました。
ウテさんは午前中定者さん宅でゆっくりした後、午後からの講演会会場で皆、合流しました。

今日の会場は広島県海田町。広島でもブラジル人の多い街として知られています。お客さんの中にもブラジル人の姿が見えました。また、2005年にモンチでボランティアをしていた高橋加奈子さんも来て下さいました。
会場ではまず「ファベーラの丘」の上映。上映前、音響のセッティングがうまくいかず、少し遅れてのスタートとなりました。会場の設備があまり整っていなかったことが原因ですが、小畑さんをはじめとして主催者の方々の懸命な努力により、無事開演にこぎつけました。その間、ウテさんはテレビ局のインタビューへの応対をされていました。

映画上映後の午後2:50よりウテさんとリンダウバの講演会がスタートしました。通訳は昨日と同じマサさんです。
一通りウテさんと映像によりモンチ・アズール、ファベーラのなどについて解説があった後、会場の方々からの質問を受け付けました。始め中々出なかった質問も、一人のブラジル人による質問をきっかけに、様々な意見が飛び出しました。
「言葉や文化の違う日本において、ブラジルから来たことども達が日本の学校に溶け込むには一体どうしたら良いと皆さんはお考えでしょうか」
「一体何に一番困っているのか、日本人側が分かっていない状況がある」
「私は初めて海田町で学校に入学したブラジル人の支援から、これまで多くのブラジル人、外国から来た人たちのお世話をしてまいりました。海田町でお困りのブラジル人の方々、私とお友達になりましょう!」
「日本では現在多くの自殺者、殺人事件が毎日のように起こっている。日本自体コミュニティが崩壊していると言わざるを得ない。このようになってくると、日本人の中に、外国から人たちを助ける程のゆとり、余裕がないのではないか」

それらの問いに対し、ウテさんは
「私は日本の状況がそれほど分かっていません。ですから、今回日本を訪れて、日本の各地を見、そしてブラジル人学校の大会に出席し、そこでまた色々な話を聞いてから考えようと思います。ですが一つ言えることは、このような問題に一人で立ち向かうことはとても大変です。コミュニティ、グループをつくって、皆で取り組んでいくことが重要だと思います。」などと応えました。
また、リンダウバは、昨日にも増して力のこもった声で次のように述べました。
「私はこれまで世界中の若者たちの面倒を、自分の大勢の子どもと一緒に面倒を見てきました。確かに世界は広く、距離は離れています。でも決して遠くはないのです。今回私はブラジルから日本へ来ました。でも何もブラジルとは全く異なる別の場所に来たとは思いませんし、私は変わりません。皆さんだってそうです。」
リンダウバを見ていると、今回の訪日で全国に、今までの自分の経験から得たメッセージを必死に伝えようとする思い、力にみなぎっているように感じます。その声は力強く、言葉は簡潔で心に響きます。
ウテさんリンダウバと接していると、ここはブラジルなのか日本なのか、分からなくなります。そうすると「あぁ、どっちだっていいや」という気になってくるから不思議です。でも今日思ったことは、きっとこの二人が何も変わらず、何もブレていないから、接する僕らも何の違和感なく接することができるのだろうなぁと思いました。

また質問には「ブラジルでは子ども達に広島の原爆のことをどのよう伝えていますか」というものがありました。
それに対しウテさんは「今まで原爆のことを伝える機会はありませんでした。確かに世界中で起こっている悲しみを、私たちは子ども達に伝える必要があります。ですがそれには子ども達の年齢と、どのように伝えるのか、について深く考える必要があります。ただやみくもに悲惨な映像や写真を子ども達に与えては、かえって逆効果です。いつ、どのように伝えるかがとても重要な問題です」と答えていました。
横でリンダウバが「ブラジルには一度も爆弾が落ちていないのよ」と言っていましたが、リンダウバの平和記念館でのショックも察するに余りがあります。

最後に「モンチ・アズールでの活動をどのように広めていきたいと考えていますか」という質問がありました。
対してウテさんは次のように答えました。
「現在『KID'S GUERNICA』という日本からやってきた活動があります。これは世界中のさまざまな地域の子どもたちによってパブロ・ピカソの「ゲルニカ」1937年と同じサイズ(3.5 m× 7.8m)の巨大なキャンパスに平和の絵画を描くというプロジェクトです。ピカソはスペイン市民戦争のときゲルニカの町への残虐な爆撃に抗議してその作品を制作しました。参加した子どもたちはイマジネーションと創造力によって平和の力強いメッセージを表現しています。このように表現活動を通して、他のグループ達と一緒に平和への活動を広げていくことが可能であると考えています。」

様々な意見が飛び交いましたが、時間となり講演会は終了しました。最後の挨拶に主催者の一人である定者さんにより「今回このようなイベントを開いたのには、日頃見過ごしてしまっているであろう在日ブラジル人の問題などへのきっかけをつくりたいと思いました。ブラジルでファベーラの生活の向上へ向けて長年取り組んでいる方々の話しを参考に、我々も生活の向上に向けて取り組みましょう。」という言葉で締めくくられました。
会場から温かい拍車があり、そしてウテさん達もお辞儀をしても、皆中々席を立とうとしません。おそらく、まだ聞き足りない、言い足りない、そのような気持ちがあったのでしょう。今回の講演会が、広島の人々のなんらかのきっかけとなることを僕自身期待し、勿論、自分にとってもきっかけとしたいと思います。

講演会終了後、会場の外で楽器を演奏していたブラジル人達とリンダウバが何やら話し込んでいました。何を話したかは聞いていませんが、リンダウバはどこでも変わらないなぁ、とつくづく思います。
その傍らでウテさんがパンをほうばっていました。長丁場の講演会でお腹もすいたのでしょう。ウテさんの子どものような可愛らしい笑顔を見ていると、とても嬉しくなりました。

僕は昨夜広島から埼玉へ戻りましたが、まだまだ続く全国行脚、より豊かに充実したものになるようお祈りします。


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2 コメント

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楽しみです♪ (ミキ)
2008-09-09 08:18:02
サポート&臨場感あふれる楽しいレポート、毎日ありがとうございます!!!
お疲れ様です。
私も毎日ブログを見て、笑ったり、しみじみしたり、考えさせられたり、、、エネルギッシュで変わらないリンダウバとウテさんにやっぱりパワーをもらいまくってます。とにかく、会いたい!関東で会えるのを、ワクワクドキドキ楽しみにしてます。 みなさん、体調を崩さずに、楽しいいい旅になりますように☆
海田町ブラジルスポット (痔持ち)
2008-09-09 21:34:24
広島講演2日目、みんなと別れた後、僕は小幡さんの車で広島駅まで送っていただいたのですが、バスの発車時刻までまだまだ時間があったため、小幡さんは海田町にあるブラジルスポットに連れて行ってくださいました。

1つ目は、ブラジルファッションショップでした。こちらに10年以上住んでいるブラジル人夫婦が経営していました。なかなかセクシーな洋服がそろえてありました。

2つ目は、ブラジルに良くあるメルカード(小さなスーパー)でした。懐かしい商品がいっぱいです。

小幡さんどうもありがとうございました。

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