団塊亭日常

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シンギュラリティーメモ その1

2018-07-19 17:40:05 | 気になるニュース

シンギュラリティーはかつてのマルティメディアと同じ次元のメディアがはやす実態なきブームか、はたまた人類始まって以来の大変革か。

人類はチンパンジーとたもとを分かってジャングルを出、急速に脳を発達させて虚弱な肉体を補ってあまりある力を得、今やその知能によって地球のみならず宇宙まで支配下に置こうとしている。しかも支配下に置く分野と深さは指数関数的に増している。ご存知のシンギュラリティー到来だ。

一体このシンギュラリティーはどのような世界に我々を導くのか、誰もが明確な答えを持っていない。寿命が伸びて100歳以上になる、ほとんどの仕事はロボットがやってくれて人は知的な仕事のみに従事すれば良いといった美しい雲を描いて本来は感じずにはいられない地球の危機を目隠ししているようにも感じられる。本当にそうなれば嬉しいけれど疑問も残る、いや疑問の方が大きい。

チンパンジーの視点からはすでに人類はシンギュラリティーを得ているのだろうか。チンパンジーの中に仮に知能の発達した個体がいて、現在の人類の技術到達点を予測したとしたら、バラ色の世界を描いて見せただろうか。実情は残念ながらバラ色の世界と大きく異なり人類は自分たちの社会システムに矛盾と不安を感じながら、差し迫った根源的な危機にあまり深くも考えずに超楽観的に生きている。チンパンジーから人類に移行したときにシンギュラリティーが来たのではなく、萌芽があったと言うべきで現代のシンギュラリティーとはまさに地球上で始まって以来の一回限りの特異点で、地球上の生物が過去に経験したことのないものだと理解できる。

ここからが本題だが過去に経験したことのないものは一般的に危険な要素を含む。この只者ではないシンギュラリティー、美しい雲を描くのも楽しいが危険な要素も考えて置かなければならない。シンギュラリティーの中核をなすAIでこの先人類が見通しのよい世界を持てる可能性はあるだろうか。

プリテンディッド脳の限界

AIは人の脳の働きのフリをする機能で、いわばプリテンディッド脳だ。感情や自我意識などは期待できないだろう。定義次第では感情や自我意識を持つと考える人もいるが、無理筋だと思える。だけど最近の脳科学を素人ながら眺めてみるとプリテンド(ふり)できない機能がありそうだ。

最近の脳科学は人類の脳について相当な知見を得ているように見える、つまり人類の脳は進化して当面の課題を克服してきたが不完全なままにおかれている機能もある。その典型的な例が内側前頭皮質で良心つまり自分の行動が正しいか間違いか、善なのか悪なのか を識別する機能だ。

美しい、美しくないという美を感じる脳の領域は前頭前野の一部、眼窩前頭皮質と内側前頭前皮質にあり、利他行動、良心、正邪、善悪等とは別の独立した機能なのだが、脳ではこれらが回路を共有していて混同されやすいらしい。 女性では恐怖と性的な快楽の中枢が回路を共有しているなどのあやしい欲望もここに由来するのだとか。SM嗜好も脳がこれらを回路を共有しているために混同する、つまり似たものとして処理するためであり、実は脳機能に忠実なのだとも言える。

不完全な配線はとりあえず人類の生存を脅かすまでに至らなかったし、むしろ有用でさえあったので不完全な配線のまま残存し続けたと仮定してみると人類の輝かしい栄光や悲惨な愚行も説明がつく。

「社会脳」と呼ばれる脳の一群の領域のひとつで他者への配慮や共感性、利他行動をコントロールしているのだそれがよくいえば柔軟性を持ち、悪くいえばいい加減でありあいまいである。人間以外にこんなあいまいな判断をもつ生物はいないだろう。

人の間でもネアンデルタール人よりホモ・サピエンスの前頭前野の発達度は高い、つまり社会脳の機能が高い。ネアンデルタール人のほうが脳の容量ではまさるにもかかわらずホモ・サピエンスが繁栄したのは個の存続よりも集団の存続に重きを置く者が一定数いたからだと言えるだろう。

集団の構成員どうしでも一定の比率で存在するように、個体の内部でも葛藤がある。この配分が人類のあるいは個々のぶつかり合いを生み、ドラマを生む。

あいまいである社会脳

AIはこうしたよくいえば柔軟性を持ち、悪くいえばいい加減でありあいまいである社会脳を果たしてプリテンド(ふり)できるのかしらと疑念が湧いている。

初期のゆらぎが未来の確定結果になることを果たして予測できるのだろうか。哲学者や文学者の出番だが、現代の哲学者や文学者はこうしたIT向きの思考に弱そうだ。

 

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