本の読み方の設計図。

本の構造を明らかにしていく。
論拠・主張

論証=事例、引用。

汎用製品とCSRマーケティング。 : 知のコングロマリット#128

2010-04-01 01:34:41 | 知のコングロマリット
社会的責任のマーケティング―「事業の成功」と「CSR」を両立する
フィリップ・コトラー,ナンシー・リー
東洋経済新報社

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第4章では、コーズ・リレーテッド・マーケティングについて、おそらく日本のマーケットにおいて、比較的よく目にするパターンではないだろうか。アースミュージック&エコロジーが以前、なにか、環境関連の団体に寄付ができますという商品を出していたり、スターバックスがフェアトレードに対する寄付を商品の売上を通して行なっているというようなパターンである。

コーズ・リレーテッド・マーケティングが他のプロセスと一番違うのが、消費者のとる行動によって、企業の貢献度合いが変わるという点、慈善団体との公式な同意や調整が必要ということがある。また、販売促進的な側面も強く、売上の拡大することに繋がるという観点もある。

面白い事例をひとつ共有しておこう。アテナウォーターというミネラルウォーターのことで、マイクロソフトでマーケティング・マネジャーをしていたタリッシュ・メイ氏が創業した企業で、コモディティ商品の中でも社会的責任の取り組みが、ブランディングに繋がるという事例である。
アテナウォーターでは純利益のすべてをがん研究に寄付しているという。なぜ、ミネラルウォーターなのか、なぜがんへの寄付なのか?
ミネラルウォーターに関しては、意外にも年間30%の成長率を誇る商品であるということ、女性への訴求力の強い商品であるということがあるようだ。結果として乳がんへの連関があるという。タリッシュ氏のコメントとして、「日々の人々の生活に変化を与え、また競争や資金調達のための商談を必要としない製品を、私は作り出したかった。」という。

最後に、コーズ・リレーテッド・マーケティングの際の注意点を。
「おそらく成功している大半の企業は、巨大な市場あるいはマス市場をターゲットとし、広い流通チャネルをもち、消費者自らが好むような慈善活動の機会を提供している差別性のある製品を保有している」
という。

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