朝起きてリビングのカーテンを開くと庭一面の雪だびっくりする
友人の一人がこういった、「庭で春告げ鳥=鶯が鳴きましたよ」と。
一回聞いたけれど、その後一度も聞かなくなったという。実は私はその「啼き」を聞いていない
彼の住んでいる場所からは少し外輪山を登るという高い場所にある。地理的に違いがあるのだろう・・・
昨日、阿蘇は煙と煤に覆われた。野焼きだ。
五岳でも背後の外輪山でも火と煙に包まれた。火入れすると乾燥した葦が一挙に燃え上がり、あっという間に拡がっていく。
用心しないと火につつまれ逃げ場を逸し焼け死ぬ事故が毎年のように発生している
地中のダニを殺し、燃えた灰がさらに養分となって1~2週間するとワラビが顔を出す。
もう一つ、春を告げるお酒の新酒祭りが彼方此方で行われている。昨日は知り合いのいる川尻の銘酒瑞鷹で祭りがあるというので出掛けた。
川尻は伝統職人の町、特に鍛冶屋が有名。
瑞鷹はすぐ見つかったのだがこの日、祭りにあわせたイベント=新酒ウォーキング大会が開かれていたので人の多さに圧倒された
人口1万2千人の田舎暮らし、歩いていても人と出合わない。瑞鷹では残念ながら全く駐車場が用意されてなくて(町に開きスペースがないので車を停める場所がない!)探し回ったがないので仕方なく「新酒」は諦め、鍛冶屋さんの小さな車置き場に駐車して店に入った。
鍛冶工さんはお歳86歳という。矍鑠としておられ、鎚を握って作業をしておられた。若い弟子が一人。狭い工場で包丁を打っていた。
彼の言葉が胸に残る。
>「私の仕事は儲けない。なぜなら私が作る品物(刃物)は20年30年持つから買い換える必要がない。市販の物は早くだめになるように作られているので次々に買い換える必要が生じる。」
「私は儲けないでもいい。」
「客に喜んでいただける品を作ることが自分の誇りだ」
こういう誇り高い職人がまだ現代にいるのだ。弟子といっても30そこらかーこういう派手さのないしかし実に堂々とした師匠を選ぶ若者がいるというのも心強い。
見てたらお客が修理の草刈用の鎌を取りに来た。この客も年寄りで長ーい顧客だそうだ。刃物の修理ならあそこと昔は村に必ずあった鍛冶屋に頼んでいた。
私の村に鍛冶屋はない買うなら量販店だ。田舎では後継ぎがいないし、量販店の価格に対抗できない
何だか考えさせられる事実がここにある。