「血は立ったまま眠っている」(寺山修司の戯曲3/思潮社)
昨日も書きましたが寺山修司の処女戯曲である「血は立ったまま眠っている」を読んだとき、正直ボクの中では響く部分がすくなかった。しかし、流山児祥による「血は立ったまま眠っている」を観た時、役者の肉体を通して吐かれた寺山の言葉は、まったくもってイキイキとボクに語りかけてきたのでありました。寺山がこの戯曲に対して「はじめから「文学」を目ざしており、そのことが決定的な弱点となっている」と発言しているように、テキストで読むとインパクトが弱いのかもしれない。(ボクだけか?)しかし、演出家というフィルターを通すと劇的に変化してくる。そんな経験をさせてもらった寺山の戯曲である。以下、その戯曲からの抜粋。
★灰男:駄目だ、駄目だ、落第だ。何だ?つまらん。自由、だって?おれはまた大股にろげた山本富士子のおまんこの画でもかいてきたのかと思った・・・・・・何だ、つまらん・・・・・・「自由」だって?一体何のつもりなんだ!
◇
★良:ぼくは祖国を愛してるんだ、祖国ってことばは何だか、生ぬるい手ごたえがある。すばしっこくて、手じゃつかむことができないけど、そう実ビンショーだ。あいつは鼠みたいにあちこちに姿をかくす。
◇
★良:からかうのはやめて下さいぼくは姉さんの悪口言う奴は許せない。学校で姉さんのスカートまくった奴をぼくは殺そうとした・・・・・・。
◇
★灰男:女、女女、はじめて手にいれるおれの女、まっくらで遠い海へひとりで泳いで出かけ、帰ってきてはだしのまま、暗い階段をのぼっていったときのことをおれは思い出す。あの戸口のなかからびっくりするようにやさしい女の声がきこえてきたとき、それが母の声だと知らずに胸をおどらせていたおれだった。だがおれには女はいつもとなりの室の笑い声でしかなかった。
◇
★良:自由な時代、自由な朝、自由な両腕、自由な空―自由な言葉、自由なら何だってすてきだ。自由なドラム缶、自由な野良犬、自由なボロ靴、自由な川、自由な口笛を吹いてゆく自由な浮浪者、自由なおはよう、自由な愛、お姉さん。
◇
★男:歴史を信じない者は歴史に復讐される。ところが歴史だけしか信じない者は孤独になる。
◇
★男:君たちが今のままで抵抗していたって帰るの顔に水をかけているようなもんだ。結局とらえられるのは時間の問題で、君たちのしたことは何一つ世間に知れわたらない。気味たちは連れていかれ、こう、手をのばしただけで同時に両方の壁に触れられるような監獄へ入れられてしまう。
◇
★夏美:地下鉄の吊り革にぶらさがっている背広をきたお猿さん、一時間の昼休みに屋上でバレーボールをするだけのコンクリートの動物園のなかのお猿さん、くりかえすくりかえす経理の会社の教師のお猿さん、あのお猿さんたちを全部破壊して作り直してしまうことなんてとてもできやしないでしょう?
◇
★夏美:一匹のお猿さんになるまいとして、いつのまにか別の動物になってしまう人たち、そうした人たちを動物園にいれない、という訳にいかないわ。ところが動物園の檻の前で一年も番をしていたら実は目前の小さい四角な自由をゆめゆめみながら檻のなかなかに入っていたんだと思うかもしれないと思うの・・・・・・。広さにごまかされてはいけないんだわ。
◇
★良:このピストル!そしてあの鞄のなかのダイナマイト!これがぼくをためしてくれるだろう。ぼくは意気地なしだったからな。ぼくは煙草一本のむにさえ学校の物置で半日貧血しているような男だったからな。そのぼくが、自分の手で自由という得たいのしれない、ふしぎな厚みをもった夢のために、ぼくの自尊心を賭けて、・・・・・・そうだ、こいつは多分自尊心を賭けてだ。
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昨日も書きましたが寺山修司の処女戯曲である「血は立ったまま眠っている」を読んだとき、正直ボクの中では響く部分がすくなかった。しかし、流山児祥による「血は立ったまま眠っている」を観た時、役者の肉体を通して吐かれた寺山の言葉は、まったくもってイキイキとボクに語りかけてきたのでありました。寺山がこの戯曲に対して「はじめから「文学」を目ざしており、そのことが決定的な弱点となっている」と発言しているように、テキストで読むとインパクトが弱いのかもしれない。(ボクだけか?)しかし、演出家というフィルターを通すと劇的に変化してくる。そんな経験をさせてもらった寺山の戯曲である。以下、その戯曲からの抜粋。
★灰男:駄目だ、駄目だ、落第だ。何だ?つまらん。自由、だって?おれはまた大股にろげた山本富士子のおまんこの画でもかいてきたのかと思った・・・・・・何だ、つまらん・・・・・・「自由」だって?一体何のつもりなんだ!
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★良:ぼくは祖国を愛してるんだ、祖国ってことばは何だか、生ぬるい手ごたえがある。すばしっこくて、手じゃつかむことができないけど、そう実ビンショーだ。あいつは鼠みたいにあちこちに姿をかくす。
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★良:からかうのはやめて下さいぼくは姉さんの悪口言う奴は許せない。学校で姉さんのスカートまくった奴をぼくは殺そうとした・・・・・・。
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★灰男:女、女女、はじめて手にいれるおれの女、まっくらで遠い海へひとりで泳いで出かけ、帰ってきてはだしのまま、暗い階段をのぼっていったときのことをおれは思い出す。あの戸口のなかからびっくりするようにやさしい女の声がきこえてきたとき、それが母の声だと知らずに胸をおどらせていたおれだった。だがおれには女はいつもとなりの室の笑い声でしかなかった。
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★良:自由な時代、自由な朝、自由な両腕、自由な空―自由な言葉、自由なら何だってすてきだ。自由なドラム缶、自由な野良犬、自由なボロ靴、自由な川、自由な口笛を吹いてゆく自由な浮浪者、自由なおはよう、自由な愛、お姉さん。
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★男:歴史を信じない者は歴史に復讐される。ところが歴史だけしか信じない者は孤独になる。
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★男:君たちが今のままで抵抗していたって帰るの顔に水をかけているようなもんだ。結局とらえられるのは時間の問題で、君たちのしたことは何一つ世間に知れわたらない。気味たちは連れていかれ、こう、手をのばしただけで同時に両方の壁に触れられるような監獄へ入れられてしまう。
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★夏美:地下鉄の吊り革にぶらさがっている背広をきたお猿さん、一時間の昼休みに屋上でバレーボールをするだけのコンクリートの動物園のなかのお猿さん、くりかえすくりかえす経理の会社の教師のお猿さん、あのお猿さんたちを全部破壊して作り直してしまうことなんてとてもできやしないでしょう?
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★夏美:一匹のお猿さんになるまいとして、いつのまにか別の動物になってしまう人たち、そうした人たちを動物園にいれない、という訳にいかないわ。ところが動物園の檻の前で一年も番をしていたら実は目前の小さい四角な自由をゆめゆめみながら檻のなかなかに入っていたんだと思うかもしれないと思うの・・・・・・。広さにごまかされてはいけないんだわ。
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★良:このピストル!そしてあの鞄のなかのダイナマイト!これがぼくをためしてくれるだろう。ぼくは意気地なしだったからな。ぼくは煙草一本のむにさえ学校の物置で半日貧血しているような男だったからな。そのぼくが、自分の手で自由という得たいのしれない、ふしぎな厚みをもった夢のために、ぼくの自尊心を賭けて、・・・・・・そうだ、こいつは多分自尊心を賭けてだ。
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