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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

映画「NINE」(監督:ロブ・マーシャル)を見た

2010-04-01 | Weblog
■公開:2010年
■監督:ロブ・マーシャル
■出演:ダニエル・ディ=ルイス、ニコール・キッドマン、マリオン・コティヤール、ペネロペ・クルス、ケイト・ハドソンソフィア・ローレン、他

昨日アップしたボクの好きなフェデリコ・フェリーニ監督の「8 1/2」を原作としたミュージカル映画「NINE」を見ました。主人公となる映画監督グイドの名前も同じ、少年時代に性的な関心を与えたサラギーナも登場するなど、ほぼフェリーニの原作を踏襲する形をとりながらも、よりファショナブルに映像の画面の隅々まで装飾され、音楽がさら盛り上げるという形になっています。



ところでこの「NINE」は、ボクなどは、まずキャッチコピーで惹かれてしまうのであります。<映画史上最もゴージャス&ファッショナブル!>とあるコピーの写真は、グイド演じるダニエル・ディ=ルイスを中心にニコール・キッドマン、マリオン・コティヤール、ペネロペ・クルス、ケイト・ハドソンの美女4人が囲んでいる。それだけで大人の男と女のお洒落な映画なんだろうと連想され、現実では叶わぬセコい生活をしているボクは、せめてスクリーンの中でもと憧れを持ってそのコピーが書かれたポスターを眺めてしまうのです。こうした雰囲気を醸し出す映画にボクは弱くて、ビクビクっと引き寄せられてしまう。さらに、その元ネタがフェリー二の作品とあるときたら、もう見る前から贔屓してしまいよっぽどの駄作でない限り、座席に座る前からこれはイイ映画なんだ?と勝手に決めつけてしまうのであります。



ということで、贔屓目でこの映画の世界に入ってますから、ボクは十二分に楽しんだのですが、ストーリー自体はプレッシャーで苦しむプレイボーイの映画監督という話なので、映画を見た人は主人公がなにをクヨクヨ悩んでいるの?なんか暗くない?なんて思った方もいたかもしれません。ボクは仕事におけるプレッシャーの中で、崖っぷちに追い込まれたときに女神としての女性達の幻影を見るというのは、大いに共感できるのですが…。実際、この歳(49歳)になってつくづく思うのは、深い部分で強く支えてくれるのは女性という存在であるということ、男が心から癒されるのは結局、女性の愛情なんだということです。観音様を崇拝するようなものですね。ただ、女性は一方で男にとっては、両刃の刃の側面があることも忘れてはいけないので、判断を惑わすような形で様々な幻想としての女神が語りかけてくるのが、そうなんだよなと共感してしまうのです。ユング心理学の言うところのアニマ(深層心理における女性原理)のプラスの部分(包み込み育む)の部分とマイナスな部分(飲み込んでしまう)が様々な女性達によって表されています。



ただ、映画「NINE」では物語としての秀逸さは、元のフェリーニの「8 1/2」には残念ながら及ばないでしょう。やはり「8 1/2」の方が重層的な構造をとっていますし、映画の終わらせ方が違います。カーニバル的に終わらせたフェリーニの方が一枚上手に思えます。しかし、フェリーニのそれにないものとして「NINE」は歌とダンスがあります。ミュージカル映画なので、それをフルに使って、女神としての女性という設定が、より強調されダイレクトに伝わるようになっています。何よりも女優陣のダンスとともに歌う唄がとにかく最高だったのです。



豊満な胸と魅力的なヒップのペネロス・クルスが誘いかけるような甘い声と挑発的なダンスに惑わされ、グイドの戦友のような役を演じるジュディ・デンチの渋い歌声に人の深みを感じ、そして酔いしれ、ファーギー演じるサラギーナのパンチのある歌にとことんノックアウトされ、セクシーな魅力全開で歌うノリのいいケイ・ハドソンの「シネマ・イタリアーノ」を聞いて、どれも素晴らしく気分は昂揚し、ボクの目と耳が喜んでいるのがわかります。映画が終わった後、初めて映画館でサントラ盤を買ってしまいました。ボクとしては女優達のセクシーで切ない歌がなによりもよく思えました。その場面は何度も見てみたい、そんな気にさせられた映画でした。


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17 コメント

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TBありがとうございました (やく)
2010-04-02 19:39:47
この記事を読んでいたらまたあの感動がよみがえり「気分が高揚」しました。
私は女だけど、グイドの落ちこんだ気持ちもわかるような気がしましたよ。
これも歳のせいでしょうねえ。
コメント (飾釦)
2010-04-02 22:27:48
ありがとうございます。

私は購入したCDを聞きながら映画の感動を再現しています。やっぱりファーギーとケイ・ハドソンの歌が最高です。
TBの御礼 (ピアノ弾き)
2010-04-02 23:47:56
TBありがとうございます。 ファーギーの歌と「シネマ・イタリアーノ」は最高でしたね!しっかりと終了後の全体明かりがつくまで聴いてました。それも含め「男女の違い」を突きつけられた感じの映画でした。 
コメント (飾釦)
2010-04-03 22:54:14
ありがとうございます。

ピアノ弾きさんは「NINE」のもとになったフェリーニの「8 1/2」はご覧になったことはありますか?この映画も味わい深い映画ですよ。私のお勧めの映画のひとつです。
TBありがとうございます (華やぐ時間)
2010-04-03 23:45:37
映画の感想を上手に書かれているので 読ませていただきながら
あらためて 映画の細部を思い出しました (^。^)
ほんとに 歌と踊りを楽しめた映画でしたね♪
フェリーニの”81/2”を 観てみます
コメント (飾釦)
2010-04-04 09:21:08
いただきありがとうございます。

このところサントラのCDを聞いているのですが、聞けば聞くほど速くDVDが出ないかな、なんて思ってしまいます。ストーリーはどうなの?という意見の方も多いようですが、歌と踊りは最高だったんじゃないでしょうか?DVDでその歌と踊りを見たい気分になったら楽しみたいなと思います。
NINE (なると)
2010-04-04 15:02:19
TBありがとうございます

男の人の意見 とても参考になりました。
私は この映画をもう一度見に行きますよ
コメント (飾釦)
2010-04-04 17:28:42
いただきありがとうございます。

なると様は、ダニエル・ディ=ルイスに男の色気を感じたと書いていらっしゃいますね。私もそのような男性に近づきたいと思いつつ、女優にくぎ付けの一方で、彼を見ていました。もう一度ご覧になるのですね。すばらしい。
スゴイ!! (のんのん)
2010-04-06 11:16:48
TBありがとうございます。
私もこの映画のポスターを見たときに同じようなこと思いました。ポスターを見た瞬間からこの映画、絶対見る!!って思いました。
私【81/2】を知らないんですね、なのでストーリーへの理解力に乏しいのかも・・・って、思ったんですけど、それだけではないですね。きっと。女の私には理解できない男の人の女性に対する思い入れや期待や望み、憧れや願望、そういう色んな男性の想いのいっぱい詰まったお話なんですね。
感想を読ませて頂いて妙に納得しちゃいました。これを踏まえてもう一度見れたらいいなと思います。ありがとうございました。
コメント (飾釦)
2010-04-06 23:09:15
いただきありがとうございます。

つたない私の感想をお読みいただいて納得していただいたなんてとても光栄です。「NINE」を見た方は賛否両論あるような感じですが、よかったという意見の人は、また見たいと思われる方が多いように感じています。

この映画はいろいろな女性がでてきますが、どの人も“オンナ”を感じさせてくれるんです。老いたソフィア・ローレンだって私にはセクシーに見えました。そうした細かい配慮も私が、この映画をいいなって思う部分です。

ありがとうございました。

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