時折、片手に持ったナンも口に放り込む。ナンというと、インドのバターが入ったふっくら熱々のものを想像するだろうが、イランのナンは薄くて平べったくて、大きい長方形ものだ。50cm以上あるものを少しずつちぎって食べる。熱々でもなく、コクがあるわけでもなく、あっさりしていて、どちらかと言うと味気ないものに感じた。やっぱりイランの主役は米だ。
イランに来て中国の影響も全くなくなり、インドのカレーテイストもすっかりなくなった。あたたかいイランの家族に迎えられ、美味しいイランの家庭料理を堪能して心から満足していたが、中東、ヨーロッパにどんどん近づいていき、僕たちの慣れ親しんだ味の文化からは随分離れてきてしまったんだな、という淋しさも少しだけ感じたのであった。 (完)
(写真 市場で山盛りに売られるスパイス)
イランに来て中国の影響も全くなくなり、インドのカレーテイストもすっかりなくなった。あたたかいイランの家族に迎えられ、美味しいイランの家庭料理を堪能して心から満足していたが、中東、ヨーロッパにどんどん近づいていき、僕たちの慣れ親しんだ味の文化からは随分離れてきてしまったんだな、という淋しさも少しだけ感じたのであった。 (完)
(写真 市場で山盛りに売られるスパイス)