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金正恩氏 市場改革を開始、油断は禁物

2013-11-21 | ラジオ
韓国のマスメディアが報じたところによると、今年8月、金正恩氏はピョンヤンで行われた非公開会合で発言し、資本主義の浸透を恐れる必要はなく、大都市や国境地域を解放し、経済改革に必要なものを手に入れなくてはならない。と話したということだ。
その報道が真実に基づいているのかどうかは今もって不明だが、北朝鮮から入ってくるここ数ヶ月のニュースを見れば、そのようなことがあったとしても不思議ではないと思えてくる。1970年代末の中国で行われたような、改革を髣髴とさせる動きが夏以降続いている。
楽観的な見方をする多くの人たちは、北朝鮮での改革によって核兵器の放棄にまでつながると見ている。それが理想郷幻想に過ぎないことは明らかだ。北朝鮮にとって核兵器は重要な外交道具であり、戦略抑止の決定的手段でもある。これを放棄することは、そのまま政権の安定を脅かすことにもなりかねない。

逆に改革ともなれば尚更核兵器の必要性は高まる。なぜなら政権が一枚岩でなくなることは不可避であるからだ。そこで核兵器があれば、国内の政治危機に他の国が干渉することが避けられると考えることができる。
北朝鮮はリビアから教訓を得ている。カダフィ政権が核を保有していれば、生き残る可能性は断然高かったと、北朝鮮では考えられていることだろう。つまり核兵器を放棄したことが、カダフィにとっての手痛い間違いであったというわけだ。
また楽観的な多くの人々は、中国型の改革によって北朝鮮が自由化し、人権をめぐる状況も改善すると考えている。おそらく部分的には正しいのだろう。改革の結果として自由化は在り得るのだ。
しかしそれが伴わない可能性もあるのだ。国内の政治的安定が常に脅かされるということは、成功した魅力的な例である韓国を見ても分かることだ。
つまり北朝鮮では政権を維持するためには、アメリカや韓国などと緊張関係を保つことが必要となる。住民を国家の呼び声のもとに動員し、核兵器及び抑圧的体制が、何のために必要なのかを分からせなくてはならない。それゆえ、北朝鮮で改革が行われたとしても、政治犯の数は少なくとも減少することはないだろう。
ただ、北朝鮮国民の大変な生活を改善するだろうという点では、北朝鮮の改革は歓迎すべきものだ。

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筑摩書房

11月8日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル


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