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アメリカのシリア攻撃でアジアに石油旋風が起こる

2013-09-04 | ラジオ
アメリカのミサイルの標的が地政学地図に出現したことに、世界の石油価格は敏感に反応した。シリア爆撃への見込みだけで、石油相場はここ4ヶ月で最大の水準に達した。
2日間で5%も上昇し、既にバレル当たり117ドルに達している。世界市場は明々白々な警告を受け取っている。近日、石油価格の大変動が起こるかも知れない。

関係業者らは配当の書き換えを急ぎ、新価格表の作成に着手している。もしもアメリカが現実にシリアにミサイルを放ったら、石油価格はバレルあたり140ドルから150ドルにまで高騰すると、ソシエテ・ジェラール社は予測している。
中東産油国の紛争が泥沼にはまった場合にも、やはりバレルあたり150ドルへの高騰が予測される。これはファンタジーではないと、投資会社ノルドカピタルの分析局長ウラジーミル・ロジャンコフスキイ氏は述べている。
「シリアはそう多くの石油を産出してはいない。ですがシリアは石油流通の道の上に位置している。シリアはイランと隣り合っている。このイランもまたシリアと全く同様、不安定化ファクターだ」
専門家は、このように述べている。

もしも軍事的な干渉が行われた場合、イランはホルムズ海峡を封鎖し、ペルシャ湾産の石油の動脈を止める可能性がある。この海峡を通って毎日、世界全体の5分の1にあたる石油が運ばれている。イラクからの輸出も難航することになる。
投資会社レギオンの分析局長ワレリイ・ワイスベルグ氏は、シリア侵攻初日の石油価格動向について次の予測を示している。
「もしも軍事紛争がアクティブなフェーズに入ったならば、中東産石油はバレルあたり120ドル強に高まるだろう。この期間が短期間で済む可能性もある。リビアとエジプトの一件の後にも同様の状況があった」
専門家は、このように述べている。

ですが問題はアメリカその他、NATO諸国のシリア侵攻がどれだけの期間、続くかということのみにあるのではない。既に武力の行使による紛争の終結という見込みだけで、発展途上国市場からの資本の引き上げが誘発されている。それもパニックじみた(?)だ。最初のベルはUAEから聞こえてきた。ドバイ証券取引所のインデックスは7%も下落した。
発展途上国の多くは、差し引き石油輸入国だ。中国もインも、インドネシア、タイ、トルコ、みなそうだ。この国々が、シリア発の石油旋風に最初に打たれることになる。インド市場は既に恐慌に見舞われている。インドは石油の80%を輸入に頼っている。
地政学的リスクの高まりによって、インドルピーは20年ぶりの低水準に落ち込んでいる。アメリカによるシリア侵攻は、また中国にとっても頭痛の種だ。

再びロジャンコフスキイ氏に話を聞こう。
「中国にとっては、石油価格が恒常的に上昇することは極めて危険なことだ。中国はようやく経済成長の鈍化の時期を抜け出したところだ。いま中国にとって極めて重要なことは、年間のGDP成長率を7.5%とというレベルに維持することだ。それが第18回共産党大会で選ばれた新指導部の施政方針なのだ」
ロジャンコフスキイ氏は、このように語っている。

石油価格の高騰でいい目を見ているのはアメリカだ。アメリカはシェール製品によって燃料の国内価格を、世界平均と比べて相当低く抑えることが出来ている。
このことがまたひとつ、ロシアの一部専門家によれば5年後にも、世界最大の経済大国の座をアメリカから奪うという中国の、アメリカへの非難の種となっている。
中国の中東およびアフリカの資源へのアクセスを制限することは、アメリカの戦略目標のひとつだ。アメリカはこの目標を、リビア侵攻やスーダン南北分割によって、うまく成し遂げてきた。アメリカがシリアにトマホークを打ち込むとき、地政学的ライバルの筆頭である中国が悶え苦しむ姿も、と視野の端に捉えられている、ということには疑いがない。

(?)は男性アナウンサー・W氏の不明瞭な言葉で何と言ってるのか不明

世界を不幸にするアメリカの戦争経済 イラク戦費3兆ドルの衝撃
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