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なぜピョンヤンとソウルは戦いを望まないか(2)

2013-01-28 | ラジオ
一方の韓国は明らかに軍事的、技術的に優越しているが、戦争を始めない。この原因としては少なくとも2つ挙げられる。
第一にソウルの脆弱性が挙げられる。韓国国民の半分にあたる約2500万人が住むソウルは、北との国境にかなり近い位置にある。国境の北側にはソウル全体を射程に納める強力な砲兵部隊が配備されている。核兵器なくとも、北は韓国に対して多大な損害をもたらすことができる。
それであるから簡単な勝利ではあっても、南にとってその代償はかなり高くつくのだ。つまりソウルが破壊されれば、事実上の経済崩壊となり、韓国は数十年前の状態に投げ戻されることとなるのだ。

また二つ目の理由もある。それは北に勝利すること自体が莫大な経済的問題を引き起こすことだ。北は南に比べてかなり貧しく、南北の一人当たり収入レベルの差は、世界中で国境を接している如何なる二国間のものよりも大きいものだ。
つまり北を併合することは、新たな領土の開発に天文学的な金額を投下しなくてはならないことを意味する。さらにそれを助けるような資源が北にはない。南にとって短期決戦での勝利であれ、その勝利は経済的なカタストロフィを伴うものなのだ。
それゆえ、朝鮮半島が戦争の瀬戸際である、というような報道があっても、平静を保たなくてはならない。それは一種、ジャーナリスティックな決まり文句に過ぎないからだ。

北朝鮮 14号管理所からの脱出
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白水社

1月15日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル