日記のブログ

個人的な出来事やニュース及び日記を投稿します

安倍改造内閣 重厚な布陣生かせるか 2007/8/28

2007年08月28日 09時45分46秒 | Weblog
七月の参院選大敗を受け、安倍晋三首相の命運を懸けた改造内閣が、きのう発足した。国民から事実上の不信任を突き付けられたにもかかわらず、続投を決めた安倍首相。主要閣僚に派閥会長やベテランを据えるなど、「重厚な布陣」を敷いたといえる。それだけに首相のリーダーシップが問われる。「改革」のひずみや痛みに対し、どう立ち向かっていくのか。

 注目されたのが、内閣の要になる官房長官のポストだ。「お友達内閣」とやゆされた前内閣のシンボル的存在だった塩崎恭久氏(56)が退任。代わって文相、通産相や党政調会長を歴任し、政策通として知られる与謝野馨氏(69)を起用した。

 調整能力に期待

 首相の女房役ともいわれる官房長官は、気心の知れた首相の出身派閥から選ぶケースが多い。塩崎氏に対する首相の信任は厚く、一時は留任するとみられていた。しかし、交代を求める党側の意向が強く、無派閥ながら調整能力に定評がある与謝野氏を選んだ。重鎮を担ぎ出すしかないほど、官邸が危機的な状況にあるとも受け取れる。

 主要ポストでは、外相から党幹事長に転じた麻生太郎氏(66)の後任に、元外相の町村信孝氏(62)が就任。来年七月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)を担う。財務相には元防衛庁長官の額賀福志郎氏(63)、テロ対策特別措置法の延長や在日米軍再編問題を抱える防衛相には経企庁長官、外相、法相など閣僚経験が豊富な高村正彦氏(65)を充てた。高村氏には、地元である岩国基地への米軍再編に絡む空母艦載機の移設計画について、住民の視点に立った対応を探ってほしい。

 町村、高村両氏はともに派閥会長を務め、額賀氏も津島派の会長代理。改造前とは一転して、派閥の実力者を取り込んだ重厚な態勢といえる。当選回数は首相より多く、政治経験も勝るとも劣らない。その力をどう使いこなしていくか。

 社会保険庁による年金記録のずさんな管理問題や労働法制見直しなど難問が山積する厚生労働相に起用された舛添要一氏(58)。首相への歯に衣(きぬ)着せぬ発言で国民の支持を得たが、行政手腕は未知数だ。被爆者の高齢化が進む中で、原爆症認定基準の見直しも急がれる。

 改革の影の部分といえる都市と地方の格差も新内閣の大きな課題だ。「改革派知事」として知られた前岩手県知事の増田寛也氏(55)を総務相に抜てき。疲弊が進む地方の活性化や分権推進が期待される。初入閣組では岸田文雄氏(50)が沖縄北方担当相に就任した。

 留任した閣僚は、伊吹文明文部科学相(69)、甘利明経済産業相(58)ら五人。首相が目玉としてきた教育再生や歳出削減などの改革を進めるため、継続性を重視した結果だろう。

 ただ、サプライズもあった小泉内閣の二回の改造時に留任した閣僚(担当換えを含む)はいずれも六人で、今回は一人少ないだけ。党内から「新鮮味がない」との批判がある。「人心一新」の掛け声と裏腹な印象がぬぐえない。

 「お友達」色残る

 首相は党役員人事で、ポスト安倍に意欲を燃やしながら、参院選後いち早く首相続投支持を打ち出した麻生氏を幹事長に起用。政調会長には首相に考え方が近いとされる石原伸晃氏(50)を充てた。党人事の方は逆に「お友達」色が強まったようにも見える。

 内閣改造後の記者会見で、首相は「閣僚の不適切な発言や政治とカネの問題、年金の記録問題で失われた信頼を取り戻すために、新しい内閣のメンバーで全力を尽くす」と表明。「適材適所の強力な布陣をつくった」と胸を張った。

 参院選で示された民意を、この内閣でどのように実現していくのか。国民が求めているのは、言葉を裏付ける実行力である。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 総務会長に二階氏 きょう内... | トップ | 夏休みは残り5日間と少ない »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事