平成4年10月に実弟より生体腎移植を受けたが、そのころの秋田県の医療現場ではまるでSFの話のごとく協力もサポートもなかった。
それから16年、移植で戴いた腎臓はその生涯に幕を下ろし再び人工透析の生活が始まります。それが6年前の平成20年2月でした。父が亡くなった翌日からの透析となりました。理由は単純です。もっと早く透析導入が必要でありましたが、亡くなろうとしている父に透析に戻ることを知らせることなく逝って戴きたかったからです。
透析の再導入にあたり、最近の医療を調べました。人工透析は平均寿命が10年と言われています。健常者が毎日腎臓で老廃物を濾過する働きをする腎臓。それが1週間に3回、1回に付き4時間では良いわけがない。最低限死なない程度に生かしておく医療です。根本的な治癒は「移植」以外にはない対症療法なのです。では、毎日人工透析をすれば良いではないか?単純にそう考えます。しかし施設で行う透析では保険点数が決まっており。1週間に3回までしか医療保険が適用になりません。では長時間行う方法は無いのだろうか?調べた結果、「在宅血液透析」という医療を知りました。自宅に透析の機械を設置し自分で針を刺して透析するのです。この場合は回数に制限はありません。毎日自分の都合の良い時間に何時間でも透析して良いのです。この医療は「脳死からの腎移植」よりも延命率が高いと報告されております。私はこの医療を自分で行いたいと4年前から様々な方に相談をしました。そして日本移植者協議会など自分が理事を務める組織も総動員して秋田県で行う画策をしましたが思うように進みませんでした。どこへ聞いても「感染症になったらどうする?」「敗血症は大変だぞ!」「事故が起こって死んだら誰が責任を取る?」といった「在宅血液透析のリスク」ばかりを強調し、その恩恵については一切語らない医師と技師、看護師達。まるで口裏を合わせたように同じ回答。現在で半数どころか9割の病院関係者は異口同音に答えます。ぶっちゃけると、お金にならないのに責任だけ負わされると考える医療関係者の構図が見えます。患者のQOLなど関係ないのです。
再透析を導入して5年目を迎えた頃、ネットを検索していると「在宅血液透析研究会 in 山形」の情報を目にしました。山形県の矢吹病院の政金先生が主催する研究会でした。早速メールで先生に直接思いを伝えたところ、「導入出来るかどうかは後で考えたらよい。まずは山形に来なさい」と言われ私は家内と共にその研究会に参加しました。そこで在宅血液透析の有効性、危険性も勉強することが出来ました。政金先生ともじっくりと話し合う時間を戴き、結果として遠隔による管理を視野に、在宅血液透析導入に向けたトレーニングを開始することになりました。1ヶ月に一度山形まで家内と二人で出かけ、自己穿刺や管理を学びました。戻って秋田の透析病院にお願いをして自分ですべて行う練習をさせて戴きました。それを7ヶ月続けて在宅血液透析導入の許可を戴きました。
しかし問題はその後です。秋田の自宅に透析機器が導入されてもそれを指導監督する秋田の病院がないのです。政金先生とは、iPadのフェイスタイムを使いオンラインで経過を見ながら行う透析を提案されその方向で練習していました。そんな中、政金先生他矢吹病院スタッフが秋田に来られ、私の透析病院施設、秋田市の福祉課などを回り、在宅血液透析について説明をして下さり、3ヶ月後に秋田県内初の在宅血液透析導入が決まりました。
まだまだ反対の先生やスタッフが多い医療です。全国で30万人を超える透析患者が居ますが、在宅を行っているのはわずか300人です。東北では8名。しかしこの医療は患者の生存率とQOLを飛躍的に高めます。是非とも多くの患者が行えるようにしていきたいと思うのです。そのためには、私が事故なく、安全にそして健常者と変わらない元気な姿を見せ続け情報を発信していくことが大切だと思うのです。
それから16年、移植で戴いた腎臓はその生涯に幕を下ろし再び人工透析の生活が始まります。それが6年前の平成20年2月でした。父が亡くなった翌日からの透析となりました。理由は単純です。もっと早く透析導入が必要でありましたが、亡くなろうとしている父に透析に戻ることを知らせることなく逝って戴きたかったからです。
透析の再導入にあたり、最近の医療を調べました。人工透析は平均寿命が10年と言われています。健常者が毎日腎臓で老廃物を濾過する働きをする腎臓。それが1週間に3回、1回に付き4時間では良いわけがない。最低限死なない程度に生かしておく医療です。根本的な治癒は「移植」以外にはない対症療法なのです。では、毎日人工透析をすれば良いではないか?単純にそう考えます。しかし施設で行う透析では保険点数が決まっており。1週間に3回までしか医療保険が適用になりません。では長時間行う方法は無いのだろうか?調べた結果、「在宅血液透析」という医療を知りました。自宅に透析の機械を設置し自分で針を刺して透析するのです。この場合は回数に制限はありません。毎日自分の都合の良い時間に何時間でも透析して良いのです。この医療は「脳死からの腎移植」よりも延命率が高いと報告されております。私はこの医療を自分で行いたいと4年前から様々な方に相談をしました。そして日本移植者協議会など自分が理事を務める組織も総動員して秋田県で行う画策をしましたが思うように進みませんでした。どこへ聞いても「感染症になったらどうする?」「敗血症は大変だぞ!」「事故が起こって死んだら誰が責任を取る?」といった「在宅血液透析のリスク」ばかりを強調し、その恩恵については一切語らない医師と技師、看護師達。まるで口裏を合わせたように同じ回答。現在で半数どころか9割の病院関係者は異口同音に答えます。ぶっちゃけると、お金にならないのに責任だけ負わされると考える医療関係者の構図が見えます。患者のQOLなど関係ないのです。
再透析を導入して5年目を迎えた頃、ネットを検索していると「在宅血液透析研究会 in 山形」の情報を目にしました。山形県の矢吹病院の政金先生が主催する研究会でした。早速メールで先生に直接思いを伝えたところ、「導入出来るかどうかは後で考えたらよい。まずは山形に来なさい」と言われ私は家内と共にその研究会に参加しました。そこで在宅血液透析の有効性、危険性も勉強することが出来ました。政金先生ともじっくりと話し合う時間を戴き、結果として遠隔による管理を視野に、在宅血液透析導入に向けたトレーニングを開始することになりました。1ヶ月に一度山形まで家内と二人で出かけ、自己穿刺や管理を学びました。戻って秋田の透析病院にお願いをして自分ですべて行う練習をさせて戴きました。それを7ヶ月続けて在宅血液透析導入の許可を戴きました。
しかし問題はその後です。秋田の自宅に透析機器が導入されてもそれを指導監督する秋田の病院がないのです。政金先生とは、iPadのフェイスタイムを使いオンラインで経過を見ながら行う透析を提案されその方向で練習していました。そんな中、政金先生他矢吹病院スタッフが秋田に来られ、私の透析病院施設、秋田市の福祉課などを回り、在宅血液透析について説明をして下さり、3ヶ月後に秋田県内初の在宅血液透析導入が決まりました。
まだまだ反対の先生やスタッフが多い医療です。全国で30万人を超える透析患者が居ますが、在宅を行っているのはわずか300人です。東北では8名。しかしこの医療は患者の生存率とQOLを飛躍的に高めます。是非とも多くの患者が行えるようにしていきたいと思うのです。そのためには、私が事故なく、安全にそして健常者と変わらない元気な姿を見せ続け情報を発信していくことが大切だと思うのです。