新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

4月17日 その2 トランプ大統領批判

2017-04-17 13:27:53 | コラム
トランプ大統領論の補完:

私はトランプ大統領の政策と言うか外交面で打ってきた手法には反対するとまでは言わないが、少なくとも支持しようとは思わずに批判してきた。彼は私が22年半のアメリカの製造業界において出会った如何なる経営者というか幹部級のビジネスマンにも、ドナルド・トランプのような粗野というか言葉遣いが悪い人物がいなかった。その意味だけでも好感は持てないのだ。

その具体的な政策面でも議会の承認を経ずして大統領令に署名したことなどは、これまでの慣行や慣例を無視したもので、余りに乱暴すぎる手法だと驚かされた。例えば、7カ国からの入国禁止の大統領令を発する場合には、私が常に言ってきた”contingency plan”が用意されていて然るべきだったと思う。だが、その準備がなかったとしか見えないのは、アメリカのビジネスの常識を承知していなかったとしか思えない不用意さだ。少なくとも議会の承認を得ていなかったのだから、反対か反抗か起きた場合に備えておく周到さがあって然るべきだった。

明らかにその準備が整っていなかったのは、統治の手法に無知というか準備不足の誹りは免れないと思う。こういう人物を「ビジネスマン」と呼ぶ一部の有識者や評論家は何を考えているのかと思ってしまう。これだけでトランプ大統領を支持しないと言うには根拠が薄弱かも知れない。だが、私には一事が万事でこういう手を打ってくるトランプ大統領が、果たして前後を熟慮した上で政策を打っているのか、衝動的なのかが現時点では判断出来ないので、否定まではしなくても少なくとも支持はできないと言いたいのだ。

トランプ大統領がこれまでのアメリカの政治のあり方や、前任者のオバマ大統領がやらなかったことをやろうという、言わばパラダイムを変えようという壮大な目論見を言う評論家がおられるのは承知している。だが、悲しいな現時点ではトランプ大統領がかかる試みを側近等との間で慎重に検討した上で着手したのか、あるいは単なる衝動的な場当たり的なことなのかが私には判然としないのである。

確かに、対習近平に見せた強引且つ巧みな戦術やDPRKの刈り上げのお兄さんを追い詰めようとする試みなどは、到底オバマ大統領には企画することすらできなかっただろう。その辺りは評価せねばなるまいが、DPRKに先制攻撃をかけた場合に同盟国の親愛なる安倍総理が率いる日本国に途轍もないとばっちりで、核弾頭か化学兵器を搭載したミサイルが撃ち込まれるだろうことまで想定されていたのだろうかと疑ってしまう。

故に、私は彼を「平地に乱を起こす」ことを辞さない人だなどと、敢えて批判したくなるのだ。


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