新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

イチロー君の引退と菊池雄星の初登場

2019-03-22 08:16:12 | コラム
矢張りイチロー君は引退だった:

昨21日の夜は大凡の結果は読めているつもりでシアトルマリナーズ対オークランドアスレティックスの試合を延長戦になる前まで見ていた。その試合の終了後にイチロー君の記者会見があるとの予告はあったが、何を言うかは解っていると思って見ずに寝てしまった。今朝になってその記者会見の録画を見たが、如何にも彼らしい淡々とした語り方で引退表明をしていた。

私は自分で22年半もアメリカ人の会社で過ごしてきた経験から見ても「イチロー君は偉い人だ」と思って感心している。それは、これまでに何度も述べてきたことで「あの異文化と異人種の世界に入って気後れすることなく、自らの特徴を十二分以上に活かして19年も抜群以上の実績を残して、生存競争に打ち勝ってきたことは、もうこれから先に我が国からあれほどの成績を残せる者が出て来ないだろう」と確信させてくれるだけの凄さと素晴らしさがあるのだ。

「あの異文化と異人種の世界」と言ったが、これだけは実際にその環境と雰囲気の中に雇われて(契約して)それに見合う実績を残したことがどれほど大変なことかは、実際に経験して見ないことには解らないだろうと思っている。それに言葉の違いにしたところで、その障害を克服して彼らの中に溶け込んでいくのは、外から想像する以上に困難なプロジェクトだと言えると思う。

それだけではないことがあるのだ。それは過去に何回か引用したダルビッシュの「アメリかでは何か異種の競技をやっているのかと思った」と同じ事で、私が何度か述べた「アメリカで言う会社と我が国の会社とは全く異種の存在である。事前にあれほど違うと承知していたら転進などしなかったかも知れない」ということで、ここでも、我が国とは異種の採用、馘首、昇進、昇給(減俸)等々が待っている世界なのだ。ここでは頼りになるのは自分自身のみで、懸命に仕事をするのは会社の為は二の次で「先ずは自分の為」というか“job security”の為なのである。

イチロー君の凄さはその世界にあって「前人未踏」の実績を残し、名選手として名を為しと言うか“legend”として尊敬され、球団があれほど気を遣った引退試合を企画してくれたほどの存在になり切っていたことだと思う。幾ら褒め称えても褒めきれないと言えるだろう。私は彼の偉い点だと思うことは「あれほどの選手になっても大選手としての貫禄を見せつけることなく、淡々として一選手として自らを鍛え続けて一選手として働き続けた謙虚さ」だと思っている。だが、自分から「人望がないから監督にはならないだろう」と言った意味は少し解る気もする。

所で、菊池雄星君である。昨日は恐らく緊張の限界にあっただろうと思わせるほど懸命に投げていた。良くやっていたとは思うが、勝負というかMLBと言う異次元であり異種の競技の世界の野球の怖さは「4回と2/3」という勝利投手になれる寸前で交代させられた辺りにイヤというほど現れていたと思う。彼が監督にローテーションに入れるべきか否かの判断を迫られた投球をしたとは思うが、あそこから先を切り抜けるには何が必要で、何が欠けていたかを厳しく思い知らされたと思って見ていた。

最後に、私が最初で最後にセーフコ・フィールド(現在はT-Mobileに変わったとか)マリナーズのイチロー君を見たのは、2007年9月11日だったと記憶する。意外だったのは180 cmもあるという彼は「あれ、あの小さな選手は誰だ、#51の背番号だが」と一瞬疑ったほど、異人種の中では小柄に見えたのだった。その日はヒットは1本に終わり、センターと交錯した格好で、フライボールを落球したという珍しい出来事があった。イチロー君、ご苦労様でした。



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