新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

北朝鮮が拉致被害者再調査報告を先送り

2014-09-20 16:33:22 | コラム
北朝鮮の姿勢と我が国の交渉の前途は:

非常に遺憾なことだったが、私でさえこの北朝鮮の先送りは想定可能な事態だったと思わせられた。

拉致被害者家族の無念さとお怒りは想像に難くない。この態度は国際的というか外交的な礼儀から考えても無法であり、礼を失する態度であると思う。だが、私ですら想定可能な範囲にあったで事態だ。政府からは可能な限りの合法的手段で可及的速やかに報告させるように、外交筋から強硬に申し渡させたいと切望する。私には我が外務省の対外交渉の姿勢は何故か強硬姿勢ではなく、穏やかで且つ儀礼的に見えたのだが。非常に難しい交渉であろうが、最善を尽くして貰いたいものだ。

私はこの先送りの報道に接して(見てかな?)何処なくテレビドラマの営利誘拐犯が「警察に通報すれば人質を云々」と言って脅してくる場面を想起させられた。さらに、身代金を持参する者を指定する手法をすら思い出さされた。今回の場合は対北の制裁を緩和する等々の色々な微妙な駆け引きもあるだろうと推察出来る。だが、拉致をした側に何となく切り札を握られているような感もあって、言うなれば「隔靴掻痒」にも準えたいもどかしさをすら感じてしまう。

今朝ほどから菅官房長官が2~3の民放テレビに登場して「政府は拉致被害者家族の心中を十分に心得ており、今後とも慎重に速やかにことが進むよう対応していく」という意味のことを語っていた。官房長官としてはそれ以上言いようがないだろうが、ある解説者が「なるほど。そつがないお答えだ」と述べていた。あの場で彼が実態を語る訳もないし、相手国が相手国なだけに慎重な姿勢を採られたのは当然だろう。

これから先は今までにも増して難儀な交渉になって行くだろうが、内閣も担当官庁も「論争と対立」をある程度は恐れても、主張すべきことは言葉を選んでも主張していって貰いたいと考えている。我が国側が、交渉の相手が北朝鮮であろうと何処であろうと、国際交渉の場では「これは言わなくとも相手側が我が方の心中ないしはその場の空気を読んで、察してくれるだろう」という類いのやり方を回避するものと期待している、拉致被害者と長年待ち続けせられているご多くの家族の為にも。


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