新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

Better than never!

2018-04-09 14:43:08 | コラム
ハリルホジッチ監督解任?!:

9日は早朝から(と言っても午前4時だったと思うが)テレビのニュースでは「ハリルホジッチ監督を電撃解任」と報じていた。私は文句なく「良いことだ」と眠さに堪えて歓迎していた。と言うのも、私は今日までに何度も「監督を替えようよ」と提案してきたからだ。私は協会は誰の顔を立てる為か、または如何なる理屈であの駄目監督を辞めさせないのか不思議でならなかった。

そのニュースを見て協会の正式な記者会見を待ってからこの一文を書こうと思っていたが、午後2時が迫っても一向にニュースが流れないので「もう待っていられない」と踏み切ることにした。

私があの監督が駄目だと言うのには数多くの理由がある。先ずは「どう見ても選手の好き嫌いが余りに顕著であること」を挙げたい。監督ともなれば、また人として好き嫌いは誰にでもあることだ。だが、ハリルホジッチ氏の場合は選手選考に中々正当な根拠が見えず、戦略か戦術上と言うよりも単なる好き嫌いだけで、例えばドイツではあれほど立派に働く香川真司を外したり、ゴールを決めるポジション取りの感覚が優れた岡崎慎司を補欠扱いにするのは不当だと思っていたことがある。

本田圭佑は確かに衰えが見えるというか、選手として限界が見えて将来性に期待が持てなくはなった。だが、本田には監督が使いたがっている若手にはない豊富な国際試合での経験があるとともに、若手やテイーム全体に苦言を呈する能力を備えた数少ないプレーヤーであるにも拘わらず、冷たい扱いをしていたのは不当であると断じてきた。同時にこの3名はずっと日本代表を支えてきた功績がある主力選手だった。

私にも「新規に監督として任命された以上、前任者やこれまでになかった新機軸を打ち出して自分好みのテイームに仕立て上げていこうとする考えや意欲のほどは理解する」だけの度量の持ち合わせはある。だが、この監督の世代交代のやり方や代表メンバーの選択には多くの疑問点があり、と言うよりも実際に効果が上がっていなかったし、合宿に呼んだだけで試合に出さなかった者が不当に多かったのも不信感を抱かせてくれる理由になっていた。

それだけではない。就任以来4年近くも経った現時点でも未だにテイームの中心となるべき存在が確立できていないのは何故かと問いかけたい。確かに長谷部は怪我があろうと何だろうと主将の地位に止めて、テイームの精神的なリーダーとして存在感はある。だが、長谷部がテイームの戦術面での中心選手かと問われれば「違うだろう」となるのではないか。私はあの監督が率いてきた代表テイームには戦術を組み立て、全体を牽引する存在はいなかったと見ている。これは監督の責任に帰すべき問題ではないのか。

次は戦術面だ。ハリルホジッチ氏は明らかに縦一発的な、言うなれば古き良き時代に流行した「キックアンドラッシュ」の近代版とでも好意的に呼んでやろうかと気を遣いたくなるような、縦パス戦法に拘泥していたようだった。これは責任逃れ的な細かいパスまでを含めて「流れるようなパスワーク」を主体としてきた我が代表選手たちを戸惑わせるだけの結果に終わり得点能力の低いテイームを創り上げてしまう結果に終わっていたのではないのか。即ち、不適切な戦術に拘泥しただけだったのでないか

ここまでは批判ばかりだったが、それでも何とか予選を突破してW杯出場権は確保したのは監督の功績だっただろうし、不遇だった(?)選手たちの頑張りも称えて上げるべきだと思っている。しかしながら、先日のベルギーにおける2試合での不成績と選手起用のおかしさを見る時に、目前に迫ったロシアでの本戦に対する準備が余りにも不適切だと言わざるを得ないのだ。端的に言えば「中心となるリーダーが不在のテイームを作った責任は誰にあるのか」ということだ。

私は責任は監督だけではなく、彼を選んだ協会にも問題があると思う。日まで優柔不断に推移し解任も出来ずにずるずると引き延ばしてきた来た責任は重大ではないのか。宙ぶらりんにされた多くのこれまでに代表を背負ってきた選手たちに申し訳なかったとは感じないのかと言いたい。香川真司などは(やや不遜にも思えるが)監督に直接に「何故自分を外すのか」と問い掛けに行ったか、行こうとしたとの報道もある。それほど選手たちにも不信感があったということだろう。


繰り返していうが、今この時点でも解任しようと協会が踏み切ったのならば “Better late than never”であろう。だが、ここで選任されるだろう日本人の監督さんが背負うであろう責任は、ハリルホジッチ氏のそれよりも色々な意味で遙かに難しく且つ重大であろう。私は目の前に迫った代表選手選出には誰の目にも「公正且つ公平」と映るものになると期待するものだ。まさか、本日午後と言われる協会の記者会見の話題は他のことではあるまいな。



コメントを投稿