アベノミクスは未だ成功の途上にあるのか?:
安倍総理は何度か財界等に賃上げを要望された。それこそが景気回復の為であり、内需振興策となるからだ。確かに大手企業では賃上げが実行されたようではあるが、実質賃金は遅々として上昇の気配がないそうだ。それはそれとして、私は景気を盛り上げる為には何をさて措いても給与を上げることが先決問題であり最も重要だと信じている。私は外国人に問われた場合に「アベノミクスはこれから本当に成功するのだ」と答えるようにしてきた。
だが、これは典型的な「鶏が先か卵が先」の議論であり、「給与を引き上げる前に設備投資等を増やさねばならぬほど需要が成長していなければならない」と言われている。アベノミクスでは政府が喧伝するほどには景気を回復させていないという批判が多いのだが、18日夜のPrime Newsではその辺りを藻谷浩介氏とニッセイ基礎研の斉藤太郎氏が大いに論じ合ったので、興味を持って聞いていた。
両氏の議論を極めて大雑把に纏めてみれば、
実質賃金が目に見えるほど上昇していないのは、近年には団塊の世代の定年退職が始まったので、言わば所得が高かった世代が大量に引退した後に、それよりも少数で初任給を貰う若者たちが就職してくるのだから、差し引きすれば給与の総額は増えていかないのである。確かに、定年後も働き続ける人も増えたが、その所得は現職の頃よりは増えることはないのだ。、
更に、我が国では中小企業の数か圧倒的に多いのであるから、大企業で賃上げが実行されても、全体を引き上げるまでにはならない。その上に、非正規雇用の増加傾向が止まらない以上、雇用は増えても実質賃金が上がっていかないことの原因になっている。また、人口の減少が続き、雇用の面では就労年齢の若者が減っているのだから、有効求人倍率が上がるのは当然で、決して喜んでばかりはいられない。
藻谷浩介氏は「総理は働き手の不足を外国人を招き入れて補うと言われるが、現在日本の居住する外国人は精々200万人である。そ子に1,000万人を加えても減少しつつある労働人口を補いきれるとは思わない」との説を述べていた。
要するに、「人口が減少し、就労可能な者が減っているのだから、実質賃金が増えずにGDPに大きな比率を占める内需というか個人消費が振るわないのは当たり前ではないのか」という極めて常識的な解説だったのである。では、大企業があれほど大きな内部留保を積み上げてあり以上、それを崩して給与には回せないのかと司会の反町が問いかけたが、経営者な臆病で「何時襲ってくるか解らない『何か』に備えているのだから、それには期待できない」と説明した。言わば、安心の材料だと。
また、設備投資が振るわないのは、この設備過剰が問題とされているこの時期に設備を拡張してまで売れる製品があるのかということが懸念されているので、ここも望み薄だと言っていたと記憶する。ここまで来れば「鶏が先か」論になるのだが、藻谷浩介氏は賃金を上げるべし説を推しているのだと思って聞いていた。だが、上記のように、大企業では賃上げが可能でも、景気が中小企業が思い切った賃上げを実行できるまで降りて行っていないということ。
私は何処かで誰かが景気回復の貢献しようと思って、勇敢にも単独ででも大幅な賃金上昇に打って出ようかと計画するほど先行きの見通しが明るくないのだと考えている。TPPだのFTAだのEPAだのと一寸聞けば明るい貿易の未来を思わせるかのような話は多い。だが、関税が撤廃されたからといって我が国以外の国や諸地域が、喜んで輸入を増やしたり、我が国からの輸出が栄えるとは未だどうしても考えられないのだ。
世界第2の経済大国とやらでも危機説が横行しているではないか。世界の何処かで、一向に盛り上がらない内需を捨ててまでも、何処か外国に輸出したいほど景気が回復しているのだろうか。尤も、仮に可処分所得が大幅に増えても、買いたいような斬新な商品がないのではないかという問題もあるとの説もあるが。
安倍総理は何度か財界等に賃上げを要望された。それこそが景気回復の為であり、内需振興策となるからだ。確かに大手企業では賃上げが実行されたようではあるが、実質賃金は遅々として上昇の気配がないそうだ。それはそれとして、私は景気を盛り上げる為には何をさて措いても給与を上げることが先決問題であり最も重要だと信じている。私は外国人に問われた場合に「アベノミクスはこれから本当に成功するのだ」と答えるようにしてきた。
だが、これは典型的な「鶏が先か卵が先」の議論であり、「給与を引き上げる前に設備投資等を増やさねばならぬほど需要が成長していなければならない」と言われている。アベノミクスでは政府が喧伝するほどには景気を回復させていないという批判が多いのだが、18日夜のPrime Newsではその辺りを藻谷浩介氏とニッセイ基礎研の斉藤太郎氏が大いに論じ合ったので、興味を持って聞いていた。
両氏の議論を極めて大雑把に纏めてみれば、
実質賃金が目に見えるほど上昇していないのは、近年には団塊の世代の定年退職が始まったので、言わば所得が高かった世代が大量に引退した後に、それよりも少数で初任給を貰う若者たちが就職してくるのだから、差し引きすれば給与の総額は増えていかないのである。確かに、定年後も働き続ける人も増えたが、その所得は現職の頃よりは増えることはないのだ。、
更に、我が国では中小企業の数か圧倒的に多いのであるから、大企業で賃上げが実行されても、全体を引き上げるまでにはならない。その上に、非正規雇用の増加傾向が止まらない以上、雇用は増えても実質賃金が上がっていかないことの原因になっている。また、人口の減少が続き、雇用の面では就労年齢の若者が減っているのだから、有効求人倍率が上がるのは当然で、決して喜んでばかりはいられない。
藻谷浩介氏は「総理は働き手の不足を外国人を招き入れて補うと言われるが、現在日本の居住する外国人は精々200万人である。そ子に1,000万人を加えても減少しつつある労働人口を補いきれるとは思わない」との説を述べていた。
要するに、「人口が減少し、就労可能な者が減っているのだから、実質賃金が増えずにGDPに大きな比率を占める内需というか個人消費が振るわないのは当たり前ではないのか」という極めて常識的な解説だったのである。では、大企業があれほど大きな内部留保を積み上げてあり以上、それを崩して給与には回せないのかと司会の反町が問いかけたが、経営者な臆病で「何時襲ってくるか解らない『何か』に備えているのだから、それには期待できない」と説明した。言わば、安心の材料だと。
また、設備投資が振るわないのは、この設備過剰が問題とされているこの時期に設備を拡張してまで売れる製品があるのかということが懸念されているので、ここも望み薄だと言っていたと記憶する。ここまで来れば「鶏が先か」論になるのだが、藻谷浩介氏は賃金を上げるべし説を推しているのだと思って聞いていた。だが、上記のように、大企業では賃上げが可能でも、景気が中小企業が思い切った賃上げを実行できるまで降りて行っていないということ。
私は何処かで誰かが景気回復の貢献しようと思って、勇敢にも単独ででも大幅な賃金上昇に打って出ようかと計画するほど先行きの見通しが明るくないのだと考えている。TPPだのFTAだのEPAだのと一寸聞けば明るい貿易の未来を思わせるかのような話は多い。だが、関税が撤廃されたからといって我が国以外の国や諸地域が、喜んで輸入を増やしたり、我が国からの輸出が栄えるとは未だどうしても考えられないのだ。
世界第2の経済大国とやらでも危機説が横行しているではないか。世界の何処かで、一向に盛り上がらない内需を捨ててまでも、何処か外国に輸出したいほど景気が回復しているのだろうか。尤も、仮に可処分所得が大幅に増えても、買いたいような斬新な商品がないのではないかという問題もあるとの説もあるが。