『外事警察 その男に騙されるな』

その行動は徹底的に秘匿され、家族にも正体を明かさない。

任務遂行のためなら手段を選ばず　民間人をも利用する。


『外事警察 その男に騙されるな』
監督・・・堀切園健太郎
脚本・・・古沢良太
出演・・・渡部篤郎、キム・ガンウ、真木よう子、尾野真千子、田中泯、イム・ヒョンジュン、北見敏之、滝藤賢一、渋川清彦、山本浩司、豊嶋花、イ・ギョンヨン、
キム・ウンス、パク・ウォンサン、遠藤憲一、余貴美子、石橋凌　他

【解説】
対国際テロ捜査に奔走する“日本のCIA”警視庁公安部外事課の活躍を描いた、NHKの人気テレビドラマを映画化したサスペンス。『静かな生活』の渡部篤郎、『クライマーズ・ハイ』の尾野真千子ら、再結集を果たしたテレビドラマ版のメンバーに加え、『食客』のキム・ガンウ、『男たちの挽歌 A BETTER TOMORROW』のイム・ヒョンジュンなど、韓国の実力派俳優が共演。韓国に実在する防空壕（ごう）でロケを敢行し、2日間40時間を費やして撮り上げたという銃撃シーンも見ものだ。

【STORY】
東日本大震災の混乱が続く、2011年の日本。原子力関連部品のデータが、某大学の施設から盗み出される事件が発生する。警視庁公安部外事課の住本（渡部篤郎）は、不正輸出にかかわっているとマークしていた奥田交易の社長夫人・果織（真木よう子）の経歴や行動パターンを調査。彼女を協力者として取り込む住本だったが、何者かに刺されてしまう。やがて、その襲撃が日本にひそんでいる韓国人工作員から警告であることが判明し……。




この作品、NHKドラマだったんですね～。
知らなかった・・・
こんなに面白いなんて～！知らなかったのが勿体ない～

名前を出せない、かの国（名前を言えないあの人、ヴォルデモートみたい　笑）が絡む核の恐怖。
私達が知らないだけで実際、陰ではこういうこと起こってるかもしれない・・・そう思ってしまうリアルな作り。

漢江にかかる封鎖された橋。虚ろな表情で歩く血まみれの女性・・・その手から落ちる１枚の色褪せた写真。韓国語で保護されて「韓国語、わかんね～よ」ちょっと　はすっぱな喋り。この女性は一体誰？
掴みはおっけ～です。一気に惹きこまれた～～～。

舞台が韓国から始まり、日本へと・・・会話も韓国語・日本語と飛び交い
ちょっと邦画じゃないような雰囲気も良かった！



このところ、TVに出ずっぱりだった渡部さん～ハマり役でしたね。
静かに語りかけるかと思えば、急に大声で脅したり～緩急つけての尋問？説得？迫力ありました・・・あんな風に“おとされる”んだ。
見た目、物腰柔らかな男性・・・それが・・・
そのギャップが素晴らしい。


真木さんは『SP』では男前～、こちらでは大人しいお母さんなのかと思ったら、大きな秘密を抱えた女性でした。
陰のある女性、、、これもいいですね。
迫力ある演技が素敵だった。


もうちょっと見せ場があるとよかったなと思った「カーネーション」の尾野さん～
彼女なら、もっともっとやれるのに・・・少し惜しい気が。


『男たちの挽歌 A BETTER TOMORROW』で印象深い演技を見せていたキム・ガンウ。
やっぱりいいですね～～。
一癖も二癖もありそうなカンジが良かった。


もの凄い存在感は田中泯さん。
いつも印象に残るけど、今回の狂気も感じる目力は凄かった！
信念を貫く人って、それがいいことか悪いことか別としてこれが正しい！という思い込みは凄まじい。
目に宿る住本への疑い・・・細かな表情が怖くて・・・


日本のCIA＝外事警察。その存在もよく知らなかった私には、まるで他の国の出来事のようで、驚くことばかり。
最初から最後まで楽しめました～。

ただ一つだけ引っかかったのが、ラスト近くの住本、安　民鉄、果織、そして核爆弾スイッチを押す徐の攻防。
１００％充填が終わったら、大変なことになると分かってるシーンで～あまりにも会話も行動も緩い。
ここが一番の見せ場なのに、そこまでスピーディにきた展開に一気にブレーキがかかり・・・
そこでの“語り”が重要なのは分かるけど、一般人の果織までもが全く焦ってないのはどう見てもおかしいかな～？
もう少し“見せ方”あったんじゃないかな～って、ちょっと残念だった。

久々に見応えある邦画だった！「その男に騙されるな」って言われてるのに、すっかり騙された・・・
オススメ～

あの東北大震災で閉ざされた街は実際の映像なのでしょうか？


マリー的お気に入り度　・・・　★８個＋半ちょっと　（見えないとこで動くお金ってこんなに！？と、びっくり・・・）