田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

C.W.ニコルと森を考える

2011-11-20 22:20:57 | 講演・講義・フォーラム等
 ナチュラリストとして日本人の間でもすっかりお馴染みとなったC.W.ニコル氏の話を聴く機会がありました。氏はすでに70歳を超えているが、現在も精力的に活動を続けられ、私たちに森の大切さを説かれました。

          
 
 11月18日(金)道新ホールにおいて、国際森林年記念講演会が開かれ、講師として招かれたC.W.ニコル氏が「心に木を植える」と題されてお話されました。
 氏は北極探検など世界を巡る中、空手を学ぶために来日して日本の森と出会い、日本の森(自然)の美しさに魅了されてしまったと言います。
 日本に豊かな森が残ったのは、ヨーロッパのように大量の家畜を飼育しなかったこと、あるいは自然を敬う神道のせいではないか、と氏は述べました。

 しかし、その豊かな森も経済至上主義の中で伐採されてしまったり、外国産の安価な木材の輸入によって森が放置されてしまったりしたことから、日本の森がどんどん荒廃していると氏は言います。

 そのため、氏の住む黒姫高原で放置林を買い取り、森林再生のための実践をしているとして、その実践を映像と共に紹介してくれました。その映像で見る事前と事後の森ではまるで別の森をみるほど森は蘇っていました。その森には多様な生物が生き、そこに子どもたちを招き、自然と触れ合う活動を展開しています。
 氏はその森を「アファンの森」と名付けています。アファンとは、氏の故郷であるウェールズの炭鉱が廃校になり荒廃した山を、市民の力で再生させ緑が蘇ったことにちなんで名付けられたようです。

          

 氏は自らの実践を通して、私たち聴衆にも呼びかけます。「美しい日本の森を再生しましょう!」と・・・。
 氏は講演を通して、いくつか印象深い言葉を私たちに伝えてくれました。
 「ブナの原生林を流れる水が笑っている」
 「森づくりは、人づくりである」
 「森が回復したら、日本人は回復する」
 「自然と遊ばなくなった日本の子どもは絶滅危惧種である」
 「人間の遺伝子の半分は森からできた」 などなど…。

 日本の森を護る。日本の森を再生する。そうした動きが時々報じられるけれど、それはまだまだ大きな動きとはなっていないようです。
 森が産み出す自然治癒力、森がもたらす癒しの力、森が育む生物多様性、etc. etc.…。
 私たちは森の持つ力を再認識し、その再生について一人ひとりがもっと積極的にならなければならないのかもしれない。
 最後にニコル氏は「森と川と海の良い日本を創ろうよ!」と締め括られた。

札幌Cafe紀行 №89 e.cot cafe

2011-11-19 22:05:57 | 札幌Cafe紀行
 イギリス風のアンティークなインテリアに囲まれ、窓外にはイングリッシュガーデンが広がっているという、まるでイギリスに旅したような雰囲気の中で「深山膳」という純和風なランチを楽しみました。その意外な組み合わせが面白く感じられました。 

          
          ※ e.cot cafeのおしゃれな外観です。

 e.cot cafe(イーコットカフェ)というちょっと意味深な店名にも惹かれ、白石区まで友人と足を伸ばしました。
 私たちははじめ白石区菊水の車の通りに面したところに「e.cot」と大書した建物があったので「ここだ!」と思い建物の中に入っていったのですが、どうもカフェらしさがなくガランとしていたので建物から出ました。すると、中から女性が出てきて「ここはカフェではありません。カフェは裏側の建物です」と教えてくれました。
 後から調べてみると、どうやらその建物は建設会社などが運営するエコな商材などを展示したり、発信したりするギャラリー兼事務所だったようです。

          
          ※ こちらはカフェと間違えたギャラーリ兼事務所「e.cot」です。建物の屋根で植物が育っています。

 そこで「e.cot」という名前なのですが…。ちょっと調べてみましたがよく分かりません。そこで私はたくましく想像を働かせてみました。
 e.cotの「.」を取ると、ecoになります。エコな商材を扱うということで、「エコ」と「(良)い~こと」の掛け合わせ言葉ではないのか、と想像したのですがいかがでしょうか?

          
          ※ こちらは英国産ミニクーパーの屋根に芝生を載せています。

 つまらぬことを長々と書いてしまいました。
 肝心のe.cot caféですが、リード文に表したようにオーナーの本田享子さんがイギリスに赴いて直接買い付けてきたのではないかと思われるテーブルや椅子、さまざまなアンティークなインテリアが店内を満たしていました。

          
          ※ ご覧のような英国風アンティーク家具や小物が店内に満ちています。

          
          ※ テーブルや椅子も英国風といった感じです。
   
          
          ※ テラス席もイングリッシュガーデン風の庭に囲まれて…。

 そんな中、ちょうど昼時だったこともあり食事を頼もうとしたところ、「食事は和食の深山膳だけを提供しています」とのことでしたので、その「深山膳」(デザート、ドリンク付き 1,260円)をオーダーしました。
 「深山膳」はお店のうたい文句によると、経験豊富な板前が新鮮な食材を吟味してつくる限定ランチだそうです。日によって内容は変わるようですが、私たちのときはアンコウの煮こごりをはじめとして、どの料理も深い味わいのする美味しいものでした。

          
          ※ 一つ一つの料理の味がしっかりしていた「深山膳」です。

 私たちが訪れたとき、数組のご婦人たちも賑やかに食事を楽しんでいました。ご婦人たちには英国風のアンティークなインテリアに囲まれての食事や語らいは男の私が想像するよりははるかに楽しいものなんでしょうな。
 ところで「e.cot」とはどんな意味があるんでしょうかね? なお、ギャラリー兼事務所の「e.cot」と、「e.cot cafe」は、前者は主人が関わり、後者は夫人がオーナーを務めているという関係のようです。(これもまた私の想像なのですが…)

          
          ※ 食後のデザートも上品な感じです。

【e.cot café データ】
札幌市白石区菊水元町9条2-2-29
電  話 011-873-7799
営業時間 11:00~18:00
定休日  日曜・祝日  
座  席 30席(夏季テラス席10席)
駐車場  有(10台)
入店日  ‘11/11/14

Fan Service First

2011-11-18 22:46:22 | 講演・講義・フォーラム等
 時には英語のタイトルもいいかな?と思い採用しました。「ファン サービス  ファースト」は北海道日本ハムファイターズの会社もチームも共通に大切にしているスローガンだということです。日ハム球団の前社長・藤井純一氏の話を伺いました。

          
 
 藤井氏というと、2010年のドラフトで斉藤佑樹投手を引き当て、左手を大きく挙げた姿が印象に残る日ハム球団の前社長です。
 その藤井氏が11月11日(金)アスティビル45でOBSフォーラムの一環として「北海道で生まれ変わったファイターズ」と題して講演されました。
 OBSとは、小樽商科大学ビジネススクールのことで、そのスクールのイベントとして市民にも開放されて開催された講演会です。

 藤井氏は2000年から4年間、当時赤字経営に陥っていたサッカーチーム・セレッソ大阪の社長に就任し経営を軌道に乗せた方です。
 その手腕を買われて、2005年(株)北海道日本ハムファイターズに招かれ、翌2006年から5年間日ハムの社長として陣頭指揮をとり、今日のように北海道民に愛される日ハム球団に育て上げた立役者です。

 藤井氏のお話は、日本ハム球団の組織をいかにして活性化させたかという視点からお話しされました。
 辣腕藤井氏ですから組織のさまざまな改革に着手されたようですが、その根幹には「北海道日本ハムファイターズはサービス業である」という揺るぎない信念があったようです。
 サービス業だから「ファン サービス ファースト」は当然のスローガンと考えられたようで、氏は何度もこの言葉を口にされ、社員はもとより、選手にも徹底させたということです。

 面白いエピソードを披露してくれました。
 日ハムはシーズンオフになると、選手を全道各地に派遣しトークショウを行いファンとの触れ合いの場を作っています。日ハムに移籍した二岡智宏選手が派遣された後、藤井氏が「どうだった?」と聞いたそうです。すると二岡選手が「10年間在籍した巨人時代に書いたサインの数より、一日で書いたサインの数の方が多かった」と語ったそうです。

 日ハムはシーズン中、ファンが喜ぶようなさまざまな企画を実施していますが、これらは皆社員のアイデアから生まれたものだそうです。会社は社員のやる気を引き出すために能力主義を取り入れ、年齢や会社歴に関係なく成果を上げる社員を重用する人事制度を採り入れ、社員のモチベーションを高める工夫をしているということです。

 日ハム球団はプロ野球界の中でも、そのユニークで先進的な経営が成功し注目を浴びています。
 その中心的存在であった藤井氏の揺るぎない信念で、社員を強力にリードし続けることによって改革を成し遂げることができたものと私には思えました。

 藤井氏は最後に会場からの「会社を改革するコツは?」との質問に「ビジョンを持ち、それを全員で共有することが大切である」と述べたられたが、このことはどのような組織にも共通する課題ではないか、と思われた。
 どのようにして全員で“共有”するのか、そこが経営者の腕の見せどころなのかもしれない。
 

初めての雪景色

2011-11-17 20:57:39 | 札幌(圏)探訪
 今朝未明、今冬初めて札幌にまとまった雪が降りました。あたりは一面銀世界となりました。そこで雪景色が消えぬうちにと早朝カメラを抱えて外に飛び出しました。 

 札幌の今冬の初雪は11月7日(月)と記録されました。しかし、私には雪を確認することはできませんでした。ですから私にとっての初雪は実質的に本日ということになります。

 一夜にして一変した雪景色は、つい先日まで紅葉・落葉の景色とはまた違った雪国独特の風情を感じさせる素晴らしさでした。
 雪が消えぬうちにと午前7時過ぎに外へ出たため、知事公館の庭は門が閉ざされていて残念ながら撮影することはできませんでした。

 それでは今回もつまらぬキャプションは抜きにして、写真を羅列することにします。

          

          

          

          

          
          ※ いつも春一番に花を付ける札幌気象台の桜の木も白い花を咲かせていました。

          

札幌Cafe紀行 №88 おとうふ工房 めめ

2011-11-16 13:43:12 | 札幌Cafe紀行
 とうふにこだわったメニューが並ぶ「おとうふ工房 めめ」です。豆腐好きの方にはたまらない店かもしれません。北海道神宮の森を借景として、美味しく食事ができるカフェでした。 

          
          ※ 「おとうふ工房 めめ」のエントランスです。

 北海道神宮の駐車場の一角に「豆腐屋さんがあるなぁ」とは見ていたけれど、そこが食事ができるカフェとは認識していませんでした。妻に教えられ、ランチをすることになりました。(カフェ本にも出ていました)
 店内はいわゆるカフェというよりは、レストランといった雰囲気です。神宮に参った帰りでしょうか、それとも近くの主婦でしょうか、たくさんの人たちが食事を楽しんでいました。
 店内は窓を大きくとり、そこから北海道神宮の森が見えるようになっています。四季折々の森の様子を眺めながらの食事や語らいはきっと楽しいものでしょう。

          
          ※ 店内の椅子・テーブルです。

 さて、私は数あるメニューの中から「野菜たっぷりすいとん」(1,000円)をチョイスしました。内容は、一口豆乳、すいとん汁、冷奴、サラダ、そのほか小鉢、コーヒーというような内容でした。
 食事が出てくる前に、豆乳が先に出てくるあたりがとうふ工房レストランの面目躍如の感があります。
 すいとんは食糧難時代の食べ物として知られていますが、出されたすいとん汁はもちろん食べやすく美味しく調理されたものでした。

          
          ※ 食事の前に提供された豆乳です。

          
          ※ 私がオーダーした「野菜たっぷりすいとん」です。

 私は正直言って豆腐は冷奴以外はあまりお好みではありませんが、近年はヘルシーブームにのって注目されている食品です。豆腐好きの方にはぜひ訪れてみたいお店の一つです。

          
          ※ 店内の大きな窓からは北海道神宮の緑が眼前に広がっています。

【おとうふ工房 めめ データ】
札幌市中央区宮ヶ丘474
電  話 011-622-2102
営業時間 10:00~16:00
定休日  木曜日  
座  席 36席
駐車場  有(北海道神宮駐車場に1時間30分利用可能)
入店日  ‘11/11/08


第三モッキリセンター

2011-11-15 22:03:20 | 札幌(圏)探訪
 オヤジの仲間づくり21の会の11月例会は、札幌駅南口エネルギーセンター、さっぽろ都心北融雪槽を見学した後、ミーティング会場として企画氏は「第三モッキリセンター」に案内してくれました。ここがまた興味深かった…。
 

          
          ※ 暖簾をくぐるとそこはオヤジの聖地(?)でした。

 企画氏曰く、第三モッキリセンターは「午後2時から飲めるオヤジの聖地」だそうです。
 そもそも「モッキリ」という言葉を拙ブログをお読みの皆さんはご存じないのではないでしょうか?私の世代でさえ死語にちかい言葉です。
 辞書によると「コップや升に盛り切り1杯ずつ売る酒。『盛り切り酒』の略」と出ていました。私たちの父親世代の方々が勤めの帰りに、酒屋さんに寄ってコップに注がれた酒を一杯きゅっとひっかける、そんなシチュエーションで使われていた言葉です。
 そのような昭和年代を思い出させる居酒屋が札幌の街にあったとは知りませんでした。

          
          ※ 「第三モッキリセンター」が入っているビルです。

 第三モッキリセンターは中央区南1東2のビルの一階に確かに暖簾を下げて営業していました。
 店内は居酒屋というよりはごく普通の食堂といった感じの造りで、厨房の周りにテーブルが配されています。そして奥の方に座敷の席がありました。私たちは5人で訪れたので、座敷席に陣取りました。
 私たちが入店したのは午後4時少し前でしたが、テーブル席にはすでに何組かの先客がお酒や食事を楽しんでいました。

 メニューを眺めて、酒も肴もとてもリーズナブルなことに気付きました。
 例えば、ビール(中ジョッキ)350円、清酒(上)一合280円、焼酎一合180円といった具合です。また、酒の肴も全て200~350円程度です。(もっとも庶民的おつまみばかりですが…)

 私たちは、湯豆腐、えだ豆、身欠きにしん、シシャモ焼き、厚揚げ焼き、たまご焼き、などを頼み、お酒を介しながら、歓談しました。
 約2時間、体も心も満足し、会計をしたところ一人当たり約2,000円という安さでした。

          
          ※ 座敷席はこのように昭和レトロの雰囲気に満ちています。

 巷に多い最近の居酒屋のようなサービスや清潔さにはやや欠けますが、昭和時代のレトロな酒場の雰囲気を思い出したい向きには一度訪れてみることをお勧めします。
 
 こうした店がいまだ健在ということは、今も会社帰りなどに「ちょっと寄っていこう」などという人がけっこういるということなのかも知れません。う~ん、ちょっと面白い店を紹介してもらいました。
 なお、「第三」ということは、「第一」、「第二」もあったのではと思い、ネットで調べたところ、その昔、小樽に実在していたようですが、今はもうないそうです。


さっぽろ都心北融雪槽

2011-11-14 19:34:15 | 札幌(圏)探訪
 年間の平均降雪量が5メートルもありながら190万人もの人々が暮らす大都会は世界を見ても例がないそうです。それだけに札幌市の雪対策は大変なようです。雪対策の一つとして札幌都心に設けられた融雪槽を見学しました。


                 

 札幌市における以前の雪対策は他の道内の都市同様に郊外の雪堆積場に運ぶことが主だったようです。しかし、都市化の進行によって堆積場の確保がだんだんと難しくなってきたそうです。
 そこで札幌市しては堆積場を補完する施設として都心の周辺に融雪槽や融雪管、投雪施設などを設け始めたということです。
 今回、そうした施設の一つ「都心北融雪槽」を見学する機会に恵まれました。

 都心北融雪槽はJR札幌駅北口の駐車場の下に造られていました。
 札幌駅からエルプラザに向かう地下歩道の途中から事務所に入り、説明を受けた後、融雪槽を見学させてもらいました。
 融雪槽は現在は(降雪期間できないから)もちろん稼働していなく、融雪期間以外は防火用水槽として利用されているそうです。ですから見学したときはプールそのもので、駅北口の駐車場の地下が大きな水槽(プール)になっていました。

          

 融雪槽が稼働するのは1月下旬くらいからで、昼間は駐車場として利用されているため、雪を投げ入れることができるのは夜間だけに限られているとのことです。
 シーズンになると夜間に駐車場の一角が開けられ、そこから雪を積んだダンプが投げ入れるのです。一日の処理能力が4,000㎥とのことで、ダンプに換算すると285台分ということでした。
 雪を融かす熱源は、先に見学した札幌駅南口エネルギーセンターから供給を受けているそうです。

 雪堆積場以外の札幌市のこうした雪対策施設は、融雪槽が4か所、融雪管が2か所、投雪施設が3か所あると説明を受けました。
 三つの施設の違いを簡単に説明すると…。
 融雪槽は、投入された雪を水槽の中で融かして下水道に導く施設。
 融雪管は、投入された雪を下水処理水の熱を利用して融かし川に流す施設。
 投雪施設は、下水道管に直接雪を投入し未処理下水の熱で雪を融かし下水処理施設に導く施設。(あるいは私の理解不足があるかもしれません)

          

 雪堆積場の用地の確保が年々難しくなってき、さらには雪対策に対する市民の要望も一段と厳しくなっきている今、こうした施設が街中にさらに増えていくのではと予想されます。
 ただ、施設の造成費、ランニングコストもかなりの費用を要するとのこと。札幌市としての難しい判断が求められている問題でもあるようです。 

札幌駅南口エネルギーセンター

2011-11-13 17:01:37 | 札幌(圏)探訪
 JRタワーをはじめとして札幌駅周辺のビルの電気・冷暖房を一手に引き受けている「札幌駅南口エネルギーセンター」を見学することができました。センターはJRタワーの地下3階の地中深くから地域にエネルギーを送り続けていました。 

            
            ※ 配布された「札幌駅南口エネルギーセンター」のパンフレットです。

 オヤジの仲間づくり21の会の11月例会は、11月10日に行われました。幹事役の好企画によって私にとって初めてとなる三つの施設を見学することができました。
 今日から順を追ってレポートすることにします。

 札幌駅南口エネルギーセンターは、天然ガスコージェネレーションシステムを活用して周辺地域のビルに電気・冷暖房などのエネルギーを供給しているということです。
 コージェネレーションとは、ひとつのエネルギー源から電気、熱など複数のエネルギーを同時につくりだすトータルエネルギーシステムのことです。

        
        ※ 係りの方の説明を聞きながらエネルギーセンターの施設を見る会のメンバーの面々です。

 南口センターの場合は、天然ガスでまずガスタービンを回して発電し、各施設に電気を送ります。
 発電の際に排出される排ガスを「排熱ボイラ」で蒸気として回収し、各施設の暖房・給湯用として送っているそうです。回収した蒸気だけで足りない場合は、ここでも天然ガスを直接燃焼させて蒸気を作り出しているということでした。
 さらに、「排熱ボイラ」からも排ガスが出るそうですが、それは「融雪温水ボイラ」で熱回収し、ロードヒーティングなどに活用されているということです。
 そしてさらには冷房もシステムの一部として作り出しているそうですが、説明が難しいので省略します。

        
        ※ 航空機のジェットエンジンと同じガスタービンだそうです。

 このように一つのエネルギー源から、効率良くエネルギーを産み出すシステムをコージェネレーションシステムと称するそうです。
 従来のシステムではエネルギー源を私たちに役立つエネルギーに交換できる割合は約40%だったものを70~80%に高めることができているといいます。

 こうしたエネルギーを作り出す所を一か所にしたことによって、札幌駅周辺の空気が以前に比べて大変きれいになったということです。さらには、エネルギー源を天然ガスにすることによってCO2の削減にも寄与しているとのことでした。

        
        ※ センターからはこのような巨大なダクトで冷暖房用のエアが送られているとのことです。

 私の一つの驚きは、あの札幌駅周辺のビルが北電の電力を利用していなかったという事実です。また、北海道庁の電力も別のシステムではあるのですが、やはり北電の電力ではなく「道庁南エネルギーセンター」で作っていることも今回知らされました。
 このように都会では電力会社から電気を購入するのではなく、自賄いするビルや会社が徐々に増えつつあるという状況を少しだけ理解できたように思います。


コンサドーレ 勝つには勝ったが…

2011-11-12 21:28:54 | スポーツ & スポーツ観戦
 見放したはずのコンサだったのですが、シーズン後半になりJ1昇格が話題になってきてやはり気になってきました。当初観戦するつもりはなかったのですが、急遽予定を変更し厚別競技場に駆けつけました。 

 11月12日(土)J2リーグ第35節、コンサドーレは対大分トリニータ戦でした。
 コンサは大分戦を含めて残り4試合を残して現在第4位につけています。J1にあがるためには第3位までに入らないといけません。
 ですからコンサドーレは残り4試合一つも取りこぼせない状況なのです。

       
       ※ 選手入場時、会場内は赤黒のボードでコンサカラーで埋められました。(写真ではよく分かりませんね)    

 さて、今日の試合です。
 コンサイレブンはポーターの大声援を受けて試合開始からアグレッシブに攻め立てました。試合開始後8分、内村選手が見事な個人技で早々と先取点を奪いました。意外に早い得点は観ている側としては楽しくこの後観戦できるのではと期待しました。

 ところがここからがジリジリとさせる展開になりました。
 数多くあったチャンスをことごとく得点できなかったのです。
 特にジオゴ選手はGKと1対1になった後、GKもかわして「もうゴールだ!」と思ったのですが、そこからやや時間を要したために相手DFに間に蹴りだされてしまいました。
 また、砂川選手もGKと1対1になりながら枠を外してしまい絶好のチャンスを逃しました。

 観ている側としては味方が1点リードという展開が一番ハラハラドキドキする展開なのです。それは敵方が得点してしまうと試合が元に戻ってしまい気持ちとしてかなりガッカリとしてしまうからです。追加点が取れそうで取れない展開に見る側はジリジリとする時間が続きました。

       
       ※ コンサの得点に喜ぶ熱烈サポーター席の人たちです。
        
 その状況は後半になっても続きます。
 前半と同じように決定的な場面を何度か逃します。内村が、宮澤が…。
 大分の攻撃に何度かハッとする場面もあり、悪い予想が頭をよぎります。それは勝利を目前にした試合終了直前に同点に追いつかれるという悪夢です。
 そんな悪夢がよぎり始めた後半40分、ようやく古田選手が決めてくれ、勝利を確信することができました。

       
       ※ 試合終了後、サポーターに挨拶する選手たちです。

 どうしても応援するチームを悲観的に見てしまう私ですが、今日のような試合をしているかぎり残り3試合全てに勝利することは難しいのではないか、と思えてきます。
 チームの体質はそれほど簡単に修正できるものではありません。得点力不足はこれからの戦いにおいても苦しい戦いを強いられることと思います。
 願いはGKホスンをはじめとして比較的安定している守備陣の頑張りです。なんとか守り抜いて、チームに勝利をもたらしてほしいと願っています。

ノンフィクション作家の魂を見た!

2011-11-11 15:41:59 | 講演・講義・フォーラム等
 ノンフィクション作家合田一道氏のお話はいつ聴いても心躍るものがある。豊富な取材体験を基に、数々のエピソードを披露してくれるお話に聴き入ることのできる時間が楽しい。氏のお話を札幌市資料館で聴くことができました。
 

          

 11月5日(土)、札幌市資料館教養講座は「時代に見る日本人の遺書」と題してノンフィクション作家の合田一道氏が講師を務められました。
 合田氏は「日本人の遺書」(この本は5,040円ということでなかなか手が出ない)という著書を発刊されていますが、今回はその中から9名の方の遺書を取り上げてお話いただきました。その9名の遺書とは…、
 ◇明治42年、塩狩峠の列車事故で身を投じて同乗客を守った「長野政雄」さん
 ◇昭和20年、特攻隊員として戦死した「前田啓」さん
 ◇昭和20年、敗戦後の満州で長男を残し自殺した「山本直樹」さん
 ◇昭和20年、同じく敗戦のため軍人の夫と共に自決した「幸田明・美智子」夫妻
 ◇昭和22年、ヤミの食糧を拒み餓死した裁判所判事の「山口良忠」さん
 ◇昭和40年、日高山脈山中で雪崩のために事故死した北大山岳部の「沢田義一」さん
 ◇昭和43年、「もう走れなくなった」と自殺したマラソンランナーの「円谷幸吉」さん
 ◇昭和60年、降下する日航ジャンボ機の中で家族に遺書を綴った「河口博次」さん
 ◇昭和43年、美唄炭鉱事故の時、地底で遺書を書いた「坂口新八郎」さん(氏は平成5年に没)

 合田氏はこれら9名の方々の遺書の写しを示しながら、そのエピソードを語ります。そのエピソードとは、可能なかぎり現地に赴き関係者からの聞き取りや、実際にその地に立った感想などを述べられるのです。
 例えば、長野さんの場合には、「塩狩峠」を著した三浦綾子さんと長野さんの死の原因について語り合ったということです。
また、前田さんの場合には、実際に知覧の地に赴いて前田さんが知覧基地を飛び立つときの心境に思いを馳せたということです。
さらには、日航ジャンボ機事故が起こった御巣鷹山にも実際に登られたと話されていました。

          

 合田氏のお話から、ノンフィクション作品をモノにするということは相当な取材を基にして作品を描いていることをあらためて知らされた思いでした。こうした豊富な取材が話を面白く深くしてくれているのだと思います。
 合田氏の講演があればこれからもできるだけ駆けつけたいと思った今回の講演会でした。

 なお、演題の「時代に見る~」とは、遺書そのものが昭和20年代前半ころまでは自分の意思を包み隠し国のため、誰かのため、というものであったが、昭和の後半になると率直に死を恐れ、死を嘆く心情が現れた遺書になっていると合田氏は締め括りました。