田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 61 日輪の遺産

2011-11-29 22:40:46 | 映画観賞・感想

 映画は作家・浅田次郎の原作ですが、戦後M資金とか山下財宝などと囁かれた伝説に浅田次郎が独自の解釈を加えた作品です。軍部の極秘命令に知らずに加担することになった可憐な少女たちの過酷な運命と、軍の命令に逡巡する三人の兵士を描きます。
 
 11月28日、道新の販売店主催の試写会が道新ホールで開かれ、招待券が舞い込んで鑑賞してきました。
 題名の「日輪の遺産」についてですが、原作を読んでいないで何とも言えないのですが、辞書を見ると「日輪」は「太陽の異称」となっています。そこから派生して「日出ずる国=日本の遺産」と解釈できそうです。

          

 ストーリーは、昭和20年8月10日、帝国陸軍の真柴少佐(堺雅人)は、軍トップに呼集され、ある重大な密命を下された。それは現在の価値で約200兆円のマッカーサーの財宝を隠すというもので、真柴は極秘任務を遂行するが、やがて任務の終わりが見えたころ、勤労動員として駆り出された20名の少女たちに非情極まる命令が出され……。

 少女たち結局、終戦の報を聞いて軍が用意した青酸カリを自ら口にし、集団自殺をするという悲惨な最期を遂げるのです。
 しかし、私は正直言ってこの映画がいったい何を言いたかったのか、映画を観ている最中も、観終わってからも分からずじまいでした。
 ストーリーがフィクションであったということかもしれません。
 映画のレビュー欄を見ると、ある人は少女たちの可憐さを描いた映画だと言います。しかし、少女たちの可憐さを描くのに戦争物をもってくる必要性を感じません。 
 またある人は、骨太の映画であると言います。この映画のどこに骨太さを感じたのだろうか?
 私にはまったく分からない。浅田次郎の原作を読むと、この映画の意図するところも分かってくるのだろうか?

          

 映画そのものから離れて、出演者の中で少女たちの先生役を演じたユースケ・サンタマリアが普段のイメージとは真逆の優しく人間味のある先生役を味わい深く演じていたのが印象的でした。
 また、主演の堺雅人は最近いろいろな場面で目にするのですが、彼の演技達者ぶりをこの映画でも魅せてくれました。

 「日輪の遺産」…。ロードショーとしての劇場公開は終わっているようですが、私としては期待したほどではなかった、という評価にしておこうと思います。
 



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2 コメント

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少女たちの自殺 (ちゃんこま    )
2011-11-30 00:15:16
 戦争映画というと戦闘機のシーンとか戦艦の砲撃場面とかあるいはもっとリアルに銃剣のすさまじい格闘画面とかがなんとなく浮かびますが、この映画はそのような爆音や血みどろの戦いの風景がないように思いました。そういう場面はあまりなくても、けれども、可憐な少女たちが自殺していくという事柄自体が戦争の歴史の隠れた内容として、現在では考えられないような事態が、もしかしてあったのだろうと思ってしまいました。
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Re:少女たちの自殺 (田舎おじさん)
2011-11-30 22:23:13
 コメントありがとうございます。
 私が本文でも触れていますが、この映画は戦争物ではないと思います。戦争にまつわってあったであろうと原作者が想像した一つのストーリーということになるのだと思います。
 ちゃんこまさんが言うように、こうした悲惨な、悲しい物語は全国いたるところにあったんじゃないでしょうか。
 しかし、映画からはテーマのようなものを残念ながら感じ取ることができませでした。
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