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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

国際政治はどこへ向かうのか

2015-07-22 21:01:19 | 大学公開講座
 講師の遠藤教授が言う「この世から政治はなくならない」という言葉が新鮮に聞こえた。そして「なるほど」と思った。北海道大学のエース(?)の一人、国際政治学の遠藤乾教授の話を聞いた。 

 北大公開講座「人と環境が抱える難問~その解決の最前線~」第6講が20日(月・祝)の午後にあり、第6講のテーマは「平和は可能か ~日本の安全保障を考える~」と題して、法学研究科の遠藤乾(けん)教授が務めた。

          
          ※ 講師を務めた遠藤乾教授です。

 この日は「海の日」ということで祝日だったのだが、北大としては初の試み(?)として、通常の夜間に聴講できない方々にも聴講の機会を提供しようと、昼間(午後)の講座を組んだのだ。この日は連続して二つの講座が行われたが二人の講師ともに、メディアに登場したことで名を知られた二人であり、大学内での評価は分からないが、いわば二人ともエース格の登場といった感があった。
 遠藤教授は最近「報道ステーション」において、ドイツの政治状況について分析・レポートしたことが印象に残っている。(もう一人の紹介は後日に)

 遠藤教授は講義の冒頭、「この世から政治はなくならない」と説いた。
 その理由として、①人間の世界において、他者は決してなくならず、その他者は他者であるかぎり、自分と同じ(信念・利益・アイデンティティをもつわけ)ではない。
 ②その他者は神でなく人間であり、したがって時に悪を志向する。
 ③この世の資源(時間、空間、エネルギー等)は有限であるからだ。
 放っておくと、有限資源を、優先順位の異なる人間同士が争う。それゆえ、その争いを一定程度緩和し、何かしらの了解可能なルール(法とは限らない)内でおさめるため、公的秩序を模索する動きが出てくる。「これが政治である」とした。
なるほど、地方政治、国内政治においても、そして国際政治においても遠藤教授の論は説得力を持つ考え方で納得した。

 そうした前置きのもとで、話はテーマの「国際政治」に移っていった。
 国際政治の中でも、現在日本において最もホットな話題は「安全保障」である。
 国際間における安全保障の方法論は、①相手国を脅かす「抑止」と、②相手国を安心させて攻撃されないように仕向ける「安心供与」の二つの組み合わせしかないと遠藤教授は強調した。

 そうした中で、日本はこれまで「安心供与」に軸足をおいた外交を展開していたといえる。
 しかし、中国の軍事的な台頭、米国の地位が相対的に低下する中で、日本の政府が変化してきたと遠藤教授は云う。
 つまり、現安倍政権が志向していることは「抑止一辺倒」で、日米一体で中国を威嚇しているような現状だと指摘した。

 確かに隣国である中国の軍事的台頭、北朝鮮の国内政治の不安定など、日本の安全を脅かす要素が増してきているようにメディアを通じて感ずる昨今である。そのことに対してどのように対応し、国(国民)の安全を保っていくのかという問題は、政治の大きなテーマである。
 このことに関しては、私の関心にも大きなものがあるが、拙ブログ上において政治的コミットメントは厳に慎むことを旨としている。
 ということで、私の考えを表明することは差し控えるが、関心をもってこの問題を見守っていきたいと考えている。


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