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義足ランナーが健常者を抜く日

2020-02-15 14:10:09 | 大学公開講座

 義足ランナーがオリンピックアスリートより速く走るって??そんな野望を抱いてスポーツ(競技用)義足の研究・製作に励むエンジニアのお話を聴いた。それとともに、ロボット義足の開発のお話でとても興味深いお話を聴いた。

        

2月13日(木)夕刻、北海道科学大学において公開講座「義足ランナーが健常者を抜く日」~スポーツ義足製作の舞台裏~」と題して(株)Xiborg(サイボーグ)社長である遠藤謙氏の講演を拝聴した。遠藤氏は北海道科学大学保健医療学部義肢装具学科の客員教授を務められていることから今回の公開講座が実現したようだ。道科学大に義肢装具科という学科があることを初めて知った。

     

     ※ 講演をされる遠藤謙氏です。

 遠藤氏はもともとロボットを研究するエンジニアであり、義肢とは関りはなかった。しかし遠藤氏が留学したMITで出会ったHogh Herr教授の「世の中に身体障害などない。ないのは技術がないだけだ」という言葉に刺激を受け、ロボット義足の研究の世界に足を踏み入れたということだ。ロボット義足とは、脚がまったくないような人にロボット技術を駆使して脚の動きを再現させて歩かせるようにする義足である。

 そのロボット義足を遠藤氏はあの乙武洋匡氏に装着するプロジェクト「Ototake Projekt」に取り組んだという。乙武氏とは「五体不満足」という本を著し、一躍時の人になった方で、四肢がまったくない人である。その乙武氏に脚を作って歩かせるという相当に困難なプロジェクトである。そのプロジェクトの進展過程を動画でもって見せていただいた。2年間のプロジェクトで試行錯誤を重ねる中で、乙武氏は20mを独力で歩くことを実現させた。まったく両脚のない乙武氏がかなり不安定な歩き方ながらも一人で歩ききった姿を、見ることができたのは感動ものだった。

    

  ※ Ototake Projectはまず乙武氏が義足に慣れるため、脚の短いものから始めたという。

    

    ※ 完成したOtotake Modelを横に置いた乙武氏です。

    

 ※ 完成したロボット義肢を装着した乙武氏と開発に携わったメンバーです。遠藤氏は右端。

 ロボット義足の研究と共に、遠藤氏はスポーツ義足の研究にも取り組んでいた。スポーツ義足とはパラリンピックが脚光を浴びていることから、お分かりの方が多いと思われるが、義足が金属製のバネで作られているものである。パラリンピックの選手たちは脚がないだけで、他はアスリートそのものの能力を有する選手たちである。その短距離の選手たちは用具の進歩もあって今や100mで10秒台に突入する選手も生まれてきているという。

動画を見せていただいたが、彼らの走る姿はアスリートそのものといった感じだった。遠藤氏はそうした選手たちとタッグを組んで、「義足ランナーが健常者を抜く日」を目指して研究を進めているということだった。ばねの形状、材質、義足と残存部位とのアジャストの問題等々、改良の余地はまだまだあるとのことだった。

    

      ※ スポーツ義足の数々です。種目によって、個人によってすべて違います。

            

      ※ パラ陸上の有力選手の前川楓選手ですが、堂々たるアスリート体型です。

 遠藤氏はまた、競技用ばかりでなく、脚を失った人が誰でも走ることができる安価なスポーツ義足の開発も目指しているという。

 パラリンピックの選手たちの躍動の陰に遠藤氏たちのような研究者の存在があることを改めて教えられた講演だった。


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