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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

花川病院市民公開講座 老いと病を考える

2024-01-15 20:02:04 | 講演・講義・フォーラム等
 加齢に伴う体力の低下、さまざまな老いの病気、さらには怖い怖~い「認知症」の発症など私たちシニア世代の前には様々なリスクが立ちはだかっている。主として老人のリハビリテーションを専門とする花川病院の医師とスタッフの方々のお話を伺った。
        
 1月13日(土)、道新DO-BOXにおいて午前10時から午後4時半まで一日びっしり組まれた花川病院市民公開講座に参加した。正直言って一日いっぱいの講座は大変だったが、得るものもそれなりにあった一日だった。
 プログラムは次のとおりだった。
【午前の講座】
 ◆「脳卒中と摂食嚥下障害」 普久原朝規医師 
 ◇「健康はお口の管理から」 歯科衛生士
 ◇「自宅でできる嚥下リハビリ」 言語聴覚士
【午後の部】
 ◆「65歳からのいきいき生活のために」 生駒一憲副理事長
 ◇「今から始めるフレイル・認知症対策」 理学療法士・作業療法士
 ◇「明日からやってみて!栄養アップで健康増進!」 管理栄養士
 「花川病院」というと聞いたことがあるなぁ、と思っていた。すると開会時に司会の方から「プロバスケットボールのレバンガ北海道のユニフォームの背中に病院名を入れている病院です」とのことだった。そう言われてみると、確かに見た覚えがあり「プロチームのスポンサードをするなんて、ずいぶん大きな病院なんだろうなぁ」と、その時思ったものだった。
    
 さて、講座の方であるが午前中の普久原朝規医師による「脳卒中と摂食嚥下障害」だが、氏はまず血管が詰まったり、破れたりする「脳卒中」について話された。「脳卒中」とは脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などを総称する言葉だが、発症すると後遺症が大変である。「脳卒中」の疑いがある症状としては、〇急な激しい頭痛、〇喋りにくい、〇飲み込みにくい、〇普段に比べて様子がおかしい、〇体の半分が動かない、などの症状が見られた時には迷わず救急車を!とのことだった。そして「脳卒中予防の10カ条」が示されたが、その内容についてはウェブ上で公開されているようなので、そちらを参照してほしい。         
 高齢者にとって嚥下能力が低下することによる「誤嚥性肺炎」の危険性が高まることも危惧されるという。この予防については講座の後に、言語聴覚士から予防法の紹介があった。(内容省略) 
       
 
 午後の生駒一憲副理事長による「65歳からのいきいき生活のために」の講座の方は、まず「フレイル(frailty)」「サルコペニア(sarcopenia)」について触れられたが、「フレイル」には「社会的フレイル(孤独、閉じこもりなど)」、「心理的フレイル(うつ病、認知症など)」、「身体的フレイル(サルコペニア)」の三つがあるが、生駒氏が問題にしたのは身体的フレイル=サルコペニアについてだった。そのサルコペニア状態になるのは、加齢や疾患によって食事の摂取量が減ったり、運動する機会が減少したりすることによって、筋肉量の減少⇒運動量の低下⇒食欲の低下⇒低栄養状態⇒さらに筋肉量が減少……と悪循環を引き起こすことだという。
 身体的フレイル=サルコペニアを予防するためには、一つは「食事」だという。栄養素をまんべんなく摂取することが必要だが、特に高齢者の場合は良質な「たんぱく質」、「カルシウム」の摂取が肝心だそうだ。
 次に「運動」である。ここで私は新しい言葉を知った。「運動」で大切なのは「有酸素運動」「レジスタンス運動」の組み合わせが大切だという。「レジスタンス運動」とは、初耳だったが、意味するところは言葉どおり「筋肉に抵抗(レジスタンス)」をかける運動をことである。
 私は以前にとあるところで、体の筋肉量を計測していただいたことがある。すると下半身は十分な筋肉量があるが、上半身はやや弱い、との診断結果が出た。その結果は分かるような気がした。私は日常的にけっこう負荷をかけたウォーキングに取り組んでいる。だから下半身の筋肉量はそれなりに付いているのだろう。しかし、上半身を鍛えるようなことはほとんどやっていないので結果は素直に受け止めることができた。
 そこで講義後に生駒氏に「有酸素運動は日常的に取り組んでいるが、レジスタンス運動を日常的に取り組む方法はないでしょうか?」と質問した。ところが紹介された運動はいずれも下肢を鍛えるものばかりだった。その後の理学療法士が紹介してくれた体操も下肢を鍛える内容ばかりだった。さて、上半身の筋肉を鍛えるにはジムでも通わねばならないのだろうか?う~ん。手軽の取り組める方法はないものだろうか??
        
 レポが長くなってしまった。二つの講座の後に病院の各スタッフがアドバイスしてくれた内容について割愛することにしたい。
 長~い、一日いっぱいの公開講座だったが、それなりに得ることができた市民公開講座だった。


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2 コメント

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筋肉量計測が怖い (しろまめ)
2024-01-17 10:39:11
やっぱり足腰が弱い人が多いのでしょう。

ジムなどでも、上半身の筋肉を鍛えるマシーンはたくさんあるみたいですが、足腰を鍛えるのはベルトローラーと自転車こぎくらいしかないみたいですし。
とは言え、ジムに行ったことはないので、テレビなんかで見た印象でしかありませんが。

ぼくなんて運動不足ですから、筋肉量の計測なんて怖くてできません……。
「上半身も下半身も筋肉が不足しています、上品さとハンサムさは水準を遥かに上回ってます!」なんて言われそうで。
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しろまめさんへ (田舎おじさん)
2024-01-24 15:49:30
 しろまめさん、たくさんのコメントありがとうございます。
 私はたまたまこうした類の講座を受講したので講師(医師)のお話を紹介し、自分自身を振り返ってみましたが、人間の筋肉量なんてそれほど大切だとは思っていないんですね。それなりの年齢を重ねているのに、筋肉自慢をしてもしようがないですから…。まあ、サルコペニアにならない程度に日常的に体を動かすように意識していれば良い、ということなのかもしれませんよ。
 懸賞作品の執筆に熱心なあまり、座り続けるのではなく、たまあには新鮮なアイデアを求めるために近所を散歩することを心がけるきらいが良いのでは?と思いますがねぇ。
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