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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

北のシネマ塾 84  駅 STATION

2012-12-16 23:22:35 | 映画観賞・感想

 映画「駅STATION」は主演の高倉健の魅力が凝縮されているような一作だが、映画に詳しい和田恵美氏がそれだけではない映画の魅力を語ってくれた。映画をより深く理解する一助として「北のシネマ塾」は面白い存在である。 

               

 「北のシネマ塾」とは、北海道をロケ地とした映画やTVドラマ、ドキュメンタリーなどの映像と、それに係わる資料を収集・展示しているNPO法人「北の映像ミュージアム」が定期的に収蔵するフィルムを題材として、視聴した後にゲストのトークを聴く塾である。
 シネマ塾は今年初めから開催されていたようだが、私はその存在を初めて知って今回シネマ塾に参加した。

 12月15日(土)午後、札幌芸術と文化の館(中央区北1西12)内にある「北の映像ミュージアム」で行われた12月の会には20名弱の参加者があった。
 「北のシネマ塾」は最初に映画を観賞した後、NPO法人「北の映像ミュージアム」の理事であり、事務局長である和田恵美氏が「駅STATION」について語った。

          

 この映画は1981年に制作された倉本聰氏の原作・脚本の映画である。和田氏によると倉本氏は東京での生活に嫌気をさして1974年に北海道に移住したが、交友のあった高倉健のために書き下ろした作品であるという。和田氏が言うには、この映画は倉本氏が北海道に移り住んでいなければできない脚本だったという。そう言われてみると、北海道ならではの雪に覆われた寂しい駅舎での出会いと別れなどは北海道ならではのシーンといえるだろう。

 また、この映画は降旗康男監督・木村大作撮影のコンビで作られた映画であるが、北海道を舞台にした高倉健を含めた三人で創られた映画は「鉄道員」、「居酒屋兆次」など4本あるということだが彼らが描く北海道の山・海・雪・列車は絶妙だという。
 確かに雪が降り続く銭函駅での直子(いしだあゆみ)との別離の場面、雪に埋もれた居酒屋「桐子」の場面、そして冬の嵐に吹き荒れる日本海、田舎のさびれた駅舎、等々…が効果的に描かれている。

          

 札幌のロケ時、酒を飲まない高倉健は「三平」でラーメンを食べ、「クロード(蔵人)」でコーヒーを楽しみ、「すし膳」の鮨を愛したという裏話も披露してくれた。

 その他にも映画をこよなく愛する和田氏ならではの切り口でいろいろ語ってくれた。
 同じ映画を観ても違う切り口からの話を伺うことはとても興味深い。
 月例で開催されているという「北のシネマ塾」をこれからも都合がつく限り参加したいと思っている。



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