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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

北大全学企画公開講座№5 温度環境と人体の生理

2019-07-17 22:19:34 | 大学公開講座

 “暑い”“寒い”という温度環境が人間の生理に大きな影響を及ぼすことについて私たちは経験的に知っている。講義はそうした現象を科学的に解明するものだった。 

 北大の全学企画公開講座「いま感じる、生かす、スポーツの力」の第5回目が7月15日(月・祝)午後開講された。(この日は祝日だったが、午後に第5講と第6講が続いて開講された)第5回目は「様々な温度環境に対する人体の生理応答」と題して、北大工学研究院の若林佐井斉准教授が講師を務めた。

          

 講義はまず、近年熱中症による死亡数が急増していることを指摘した。このことは、地球の温暖化が進展していることを端的に示す証拠であるが、特に炎暑となった2010年の統計が突出しているのが顕著である。

          

 次に、人体が熱収支のバランスを崩す因子について図を用いて説明があったが「なるほど」と納得できるものであった。

          

 熱中症の予防としては、水分をしっかり摂ることが常識とされているが、その場合に同時に塩分を摂取することの重要性も指摘された。それは発汗する汗の中には塩分が含まれているのだから、ある意味当然のことかもしれない。

          

 ある意味の新発見として、北海道のTVの気象情報では見ることができない「熱中症予防情報」というものが関東地方では流されていることを初めて知った。また、年齢によって人体に占める水分量が違うという図も私には珍しいものだった。

          

          

 続いて寒冷環境における人体の生理について話が移った。講師の若林氏はどちらかというとこちらの方が専門に研究されている分野だと伺った。

 若林氏が強調されたのは、寒冷時において人体のパフォーマンスは低下するということだった。この点について、私も体験的になんとなく理解出来ることであった。氏の研究室では、そのことを実験を通して検証しているということである。

          

 そして、そのパフォーマンスの低下は人種によっての違いも明らかになってきているとのことだった。寒冷時において著しくパフォーマンスが低下するのはやはりアフリカンであり、続いてアジア系、最も影響を受けないのがコーカサスなど北極圏に位置する人々だとの結果が出ているということだが、納得できることだった。

 また、海女さんも低温時においてパフォーマンスの低下が小さいという結果が出ているとのことだったが、やはり長年低温の水中で作業を継続することで、体が低温に順応するということなのだろうか?

          

 寒冷時における人体のパフォーマンスの低下について、氏の専門でもあることから、残念ながら私には理解できないことも多く、理解できた部分のみのレポとなってしまったことをお断りしたい。