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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

“伝える”意味を大切さを説いた安田菜津紀

2018-10-05 16:27:54 | 講演・講義・フォーラム等

 フォトジャーナリスト安田菜津紀は云う。“伝える”ことが世界の問題を解決するための第一歩だと…。自国の混乱のために生きることの困難さに遭遇している子どもたちを写真に収め、安田はその窮状を世界に発信している。

              

 10月4日(木)午後、北海道国際交流・協力総合センター(HIECC)が主催する講演会が札幌プリンスホテル国際館パミールで開催され、参加した。

 講演会はHIECCの設立40周年の記念講演会ということだった。

 講師は、TBSテレビの「サンデーモーニング」のコメンテーターとしても知られるフォトジャーナリストの安田菜津紀氏で、「写真で伝える世界の子どもたち ~紛争、災害の現場から~」と題しての講演だった。           

 この日、安田氏は主として三ヵ所で取材した写真を提示しながら話を進めた。その三ヵ所とは、カンボジア、岩手県陸前高田市、シリアの三ヵ所である。 

 カンボジアでは長い内戦の後遺症が今でも続き、400万個ともいわれる地雷(それも対戦車地雷)による犠牲者が今も後を絶たないという。

 また、貧しさゆえに人身売買により売り買いされる子どもたちのことは「トラフィック・チルドレン」と呼ばれているそうだが、その子たちは物乞いや物売りとして過酷な条件下で働かされているということだ。

           

          ※ シリアで取材する安田菜津紀さんです。

 陸前高田市では、東日本大震災で遭遇した肉親(義理の母)の死を目の当たりにする中で、被災した多くの市民に心を寄せた話を披露された。   

 そしてシリアである。シリアは今も内戦状態にある国だが、シリアの内戦は東日本大震災の年と同じ2011年3月に勃発しすでに7年が経過している。その間、シリアの人々は戦禍を恐れ難民化し、2200万人いた国民の半数以上に及ぶ1200万人以上が国外や国内の安全な場所を求めて避難している状態だという。

 そうした中、安田氏は内戦で傷ついた多くの子どもたちに接し、子どもたちの将来を憂うと共に、「私たちの現実に対して、世界が無関心であることが最も悲しい」というシリアの人々の訴えに共鳴する。         

 安田氏は自省する。「こうした現実の中で、自分には何ができるだろうか」と…。

 安田氏はこう結論付けた。「現実を伝え続けることで、命をつないでいきたい」そう決意したそうだ。

 安田氏はフォトジャーナリストとして、私たちに矛盾した世界の現実を、そうした中で力のない子どもたちが最初の犠牲者になっていることを私たちに伝えてくれている。

 こうした悲劇の全て(と言って良いと思います)は政治の貧困からきていると私は思う。彼らを何らかの形で支援するとともに、自国がそうならないように政治に関心を持ち続けることが大事なのだと諭された思いである。