田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

盤渓小学校の特色ある教育

2011-07-10 19:31:35 | 札幌(圏)探訪
 札幌市中央区の盤渓地区に特認校という指定を受けた盤渓小学校がある。過日、ユニークな教育活動を展開している盤渓小学校を訪れる機会に恵まれた。

        
        ※ 緑に囲まれた盤渓小学校の全景です。

 「特認校」とは、正式には《札幌市小規模特認校制度》と称され、「自然環境に恵まれた小規模の小学校や中学校で、心身の健康増進を図り、体力づくりを目ざすとともに、自然にふれる中で、豊かな人間性を培いたいという保護者の希望のある場合に、一定の条件のもとに、これを認める」という制度ということだ。
 札幌市には現在5校の小中の特認校が存在するが、盤渓小学校は昭和52年に全国初の特認校の指定を受けて発足した。したがってすでに特認校として34年の歴史を有している学校である。

 その盤渓小学校が私が所属する某団体の研修会の研修先として選定され、過日7月7日(水)に訪問したのだ。
 盤渓小学校は中央区にありながら、ばんけいスキー場をはじめ、豊かな緑が広がる「盤渓市民の森」が間近にあるという絶好のロケーションに位置している。

 その盤渓小学校で話を聴いた。
 何がユニークかというと、盤渓の自然を生かした「体力づくり」に力を入れているという点である。公立学校として普通の学校と同じカリキュラムをこなしながら、創意工夫を凝らして子どもたちの「体力づくり」に取り組んでいるという。
 夏は自然の地形を利用したサーキットトレーニング、冬はばんけいスキー場を活用したスキー学習に力を入れているという。

 その成果が素晴らしい。
 夏場のトレーニングを経て秋に行う体力テストでは、ABCDEの5段階の中で全校児童の80.5%がAとBの段階に達しているという。ちなみに全国平均ではABの出現率は38%だそうである。
 さらに素晴らしいのがスキーの技能の上達ぶりである。
 昨シーズン終了時にSAJのバッジテストで1級取得者が8人、2級取得者が26人だったということだ。学年わずか20人しかいない学校でこの数字は、5・6年生はほとんどが1・2級の取得者ということになる。このバッジテストは大人向けのものであり、受験するためにはジュニア1級を取得していなければならないということだから、子どもたちのレベルは相当なものである。

          
          ※ スキー学習の様子です。(同校HPより転載)

 詳しくは聴けなかったが、学力自体もかなりのレベルにあるという。
 何せ1学級20人という理想的な定員だから、個々の児童の学習状況を把握することができ、学習指導の効果も上がっているものと想像される。

 学校の説明を受けた後、実際の子どもたちのサーキットトレーニングに取り組む様子を見学した。どの子も真剣にトレーニングに取り組んでいた。
 子どもたちが真剣になるには自分の成長が実感でき、意欲的になれるように記録をとり続けているとのことだった。

        
        ※ 盤渓小のグランド横の崖を利用したフィールドアスレチックを使った
         トレーニングの様子です。

 少人数で、学習にも、体力づくりにも意欲的に取り組むことができる盤渓小学校。学齢期を迎えた子どもがいるご家庭においては、学校を選択する上で有力な候補の一つになる学校のような気がした。