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まるの日<へミシンクとミディアムな暮らし> ※ブログ引っ越し中

・まるの日圭のブログ
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に引っ越し。

第10話 『影響』

2012-12-25 17:25:10 | 『日常』

まだ小説終わりませんが、これで2/3くらいまで来ているとおもいますんで、もちょっとお付き合いください。
内容的に行っていること、ヒーリングとか過去世の開放とか、そのやり方は実際の手法を交えてますので。
レトリーバルの時なんかにも使える感じになっております。
これくらいの情報を見ていても、ヒーリング後に話すときはかなり端折ってますので。
実際はこれくらいのストーリーが存在していて。その要点だけを話している。もしくは書いている。
と思っていただけましたらと思います。
たぶん他の方も同じく、見えている人にはこれくらいの文字情報になるくらいなんだと思います。
ただ、ヒーリング中は頭ぼんやりな感じなので。詳細に覚えて無いところもありますけどね。
それでは、2人の関係が新たな展開に入る、そういう話になってますので。

飽きずに読んでいただけると助かります。


<>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

翌日、だからといって急に二人は仲良くしてしまうわけでもなく。
普通に、いつもどおりの学校生活を送っていた。
祐一は。学校女子のことなら何でも知っているというクラスメイト、井出 恭介にちょっと外葉のことを聞いてみた。
容姿端麗で申し分のない美形キャラなのだが。
何しろ、イヤラシイ。
井出と祐一は高校一年の時から同じクラスで、何かマイノリティ的な感覚が似ている気がして結構親しく付き合っていた。
昼休み、一緒に弁当を食べている時に外葉の話題を出したら。
「お前には無理だから諦めろ。」
「そうじゃない。ちょっと興味があるだけの話だ。」
「確かに、メガネにおさげに小柄、その上隠れ巨乳という萌え要素を兼ね備えた逸材ではある。ただ、男子に対しては目が厳しいみたいで。かなり優秀でないと視野に入らないらしい。」
「何! 隠れ巨乳なのか? 」
「昨日お前気づかなかったか?いつもより強調された胸元を。あれは腕が痛いせいでフロントホックに切り替えて来たものと推測される。フロントホックは基本巨乳用だ。俺の得てきた情報では・・・。」
と無駄な知識を語りながらスマートフォンを取り出して、電話帳を開き始める。
なぜかそこには電話番号と共に、スリーサイズも書いてあって。
ついつい祐一も覗き込んでしまって。
「ってそういう話じゃない。家庭環境とかそういうの教えろよ。」
「なんだ、ああ見えて実はEカップとかそういう話題じゃなかったのか?」
「それはどうでもいい!」
じつはどうでも良くないことはないのだが、その話題を持ち出すと昼休みが終わってしまう。
「隠れ巨乳でメガネ美人っていいよなぁ。萌えるぜ。」
「その話題はいいから。家庭環境教えろよ。」
「家庭環境か。喜べ、父親は不在だ。母子家庭で、小学校低学年の時に両親が離婚したらしい。」
そうか、それで昨日の話か。
母親の彼が家に出入りすることで、なにか違和感を感じているのか。
でも、それだけでも無いような雰囲気だったが。
「お母さんもかなりな美人らしいぜ。上手くいけば両方ゲットできで。親子丼も楽しめるという、夢のような展開も待っているって、いいよなぁ。」
と言ってニヤニヤしている。美形なのにこういう表情をするのだから、女子に嫌がられて当然だ。
「お前はAVの見過ぎ。」
男女構わずすぐにこういう話題を持ち出すので、井出が変態と言われてしまう所以だ。
「下ネタは世界共通のネタで、老若男女すべてが微笑ましくなる魔法の話題だ」
と常に力説している。
言いたいことはわからなくもないが、理解できるのはよほど広い心の持ち主だけだろう。
その後も祐一は住所とかお母さんの名前とかそういう情報までしっかり聞いておいた。
「スリーサイズも聞いとくか?」
「お母さんの聞いてどうするよ。」
そういう無駄な知識まで仕入れている、井出は侮れない。

授業も終わって、ふと携帯を見るとメールが入っている。
誰からかな?と思って見ると、それは八坂からだった。
「? 珍しいな。」
メールを開くと、それは外葉についてだった。
「あの子には多分、男性に関する問題があるような気がする。
それを解決しないと、右腕が完治しないかもしれない。そういう兆候が見えたら、それなりにケアを頼みます。」
ということが書いてあった。
ケア。って。
なに?

そういえば、ヒーリング中に男性性がどうしたとか桜火が言っていたことを思い出す。
「桜火」
「はい」
帰りに歩きながら桜火を呼び出す。
「どういうことだ?この間終わったんじゃないのか?」
桜火は祐一の隣に並んで、
「まだ、終わっていませんよ。あなたと外葉さんの関係は修復されていますが。外葉さんと、別の男性との関係に滞りがあるというか。もっと強い引き合いがあるというか。」
「なんだ、はっきりしない言い方で。」
「今日は外葉さんのあとを付けて帰ってください。」
「えっ?」
驚いてつい叫んでしまったが、桜火は他の人には見えないので、一人で勝手に叫んでいるように見えてしまう。
急いで咳をしてごまかすと、
「はぁ?いきなりストーカーか?」
小声で言うと桜火は、
「身の安全確保と言ってください。」
「明らかにストーカーじゃないか。」
「今日住所聞いたでしょう?携帯でそれ見ながら歩いて行けば迷わないでしょうし。」
「もしかして、住所まできく事になったのは桜火のせい?」
「いいえ、それはあなたの意思。ただ、それが結果的にいい方向には向かってますけど。」

結局、桜火に説得されて、祐一は少し先のコンビニで、外葉が学校から出てくるのを待っていた。
そのまま外葉のあとをこっそりと付けていって。何げに携帯で地図を確認しながら、何かを探しながらこっちに歩いている風を装っていたりと、偽装に励みながら。

しばらく友人らしき女子生徒と歩いてたので、かなり距離をとっていたのだが。
途中で一人になったので、見えない位の距離感で歩いて行く。
道路を挟んで歩いてみたり。途中で無意味に十字路をわたってみたり。
そんなことしながらついていくと、もうじき家に着きそうな頃になった。
「ここまで何もなし、俺ってただのストーカーじゃないか?」
祐一が自分の行動を反省していると、
外葉の住んでいるアパートの下に一人に男が立っているのが見えた。まだ20代後半位の若い男性。
短髪で黒っぽいシャツを来ているので、ちょっと見カタギの人に見えない印象があった。
身長は八坂ほどではないにしろ、祐一と同じくらいはある感じで。その割に横幅が広いので、ガッチリとした印象をうける。
その姿を見た瞬間、外葉は立ち止まり。引き返そうとするが。
気づいた男が声をかけてきたようだった。
「これか?」
桜火に聞くと、
「しばらく見ていてい下さい。」
と言って物陰から見ておくように指示される。
どうやら、この男が母親の新しい彼のようで。これから家に入りたかったらしいが、まだ外葉の母親が戻ってきていなかったので入れなくて困っていた。
という事を言っているらしい。

「柳白仙」
「なんじゃ」
「うわっ!」
呼び出してみたら意外とすぐに来たので少し祐一も驚いてしまった。
「呼び出しておいて、何驚いておる。」
「いや、本当にすぐに来るとは思わなくて。で、あの状態は何?」
「男は待っておったのじゃ。外葉が戻ってくるのを。」
「え、それ知っててなんですんなり帰すのさ。」
「わしらはガイド。全てのバランスを見て行動する。それが必要であれば、その本人が選んだものであればわしらは関与せぬ。」
「たまに思うけど、ガイドっていざというときに役にたたない気がするんだよね。」
「それもお主の概念じゃ。」
「それはそうと、どうしたらいい?」
「好きにせよ。」
「それでいいのか?」
「それを助けたいと思えば助ければいい。無視しようと思えばそれでいい。」
「俺はどうしたほうがいい?」
「自分で考えるのじゃ。」
柳白仙に聞いてもなんにも進展ないので「桜火」と呼んでみたら
「あなたのお好きなように。」
と一言
全くガイドは、どれも役にたたん!

目の前では男が外葉の肩に手など回して、家に入ろうと誘っている感じに見える。
その行動は女子を連れ込もうとしている姿にしか見えない。
外葉も家の鍵はもってなくて、とかなんとか言って二人きりで家に入ることを避けようとしているみたいだ。
ええい!
祐一は物陰から出て、外葉のところへかけつけた、
「外葉お待たせ。これから行こうか。」
と普通に声をかけてみた。
あまりにも当たり前に、普通にそこに登場したので、男も外葉も動きが一瞬停止した。
そして、
「あ、ああ、そう祐一君とこれから約束してたの、あとでお母さん戻ってきてからまた。」
そう言って外葉は祐一に駆け寄り、祐一はその男に一礼してそのまま駅の方へと二人で歩いていった。
見せつけるように、外葉は祐一の腕に手を回していたりする。

駅まで歩く途中、二人は仲睦まじく並んで歩いているように見えたことだろう、
「で、なんで呼び捨て?なんでココにいるの?」
と祐一は外葉に迫られていた。
そこで、祐一は最初に八坂からもらったメールを見せて、訳を話した。
「つまり、なんかありそうだから、様子を伺っていてくれ。と言われたから家の前までつけてきたんだよ。」
「それで、なんで呼び捨て?」
「それは、ああいう男には、親密な男がいるようにみせたほうが効果があると思ったんだよ。」
「ふーん。」
明らかにメガネの向こうから怪しむ目線が祐一を貫く。咄嗟に、下の名前を呼んでしまったのは偶然で故意ではないのだが。
「いいわ、別に下の名前で呼んでくれたほうがいいし。苗字は前のお父さんの苗字そのままだから。それと、助けてくれてありがとう。」
礼を言われて、一瞬耳を疑ったが。
「あの男、お母さんと付き合っているのに。どう見ても私も狙っているように見えるのよね。それがいやなの。」
なるほど、それが八坂さんの言っていた事か。
と祐一は理解した。

駅舎のなかに二人はオレンジのプラスチックの椅子に並んで腰掛けていた。
祐一が缶コーヒーを買って戻ってくると、外葉は母親に電話して、いつごろ帰るかと確認しているところだった。
電話が終わるのをまって、コーヒーを外葉に手渡す。
外葉はお礼を言って受け取り、そしてため息をついた。
「お母さんに言ったのか?」
「言ったわ、あの男の事。でも、あなた自意識過剰じゃないので片付けられて。あまり本気で対応はしてくれてないの。」
「どうする?今日は。」
「まだ家に帰ってもあの男いるだろうし。どうしようかなぁ。」
「家に来れば?」
思いっきり怪訝そうな顔をされて、祐一は慌てて手を振った
「いや、俺んちは部屋が幾つか余っているんだよ。妹も居るし。妙なことはしないって。オヤジは単身赴任だし。
俺んちに来てもなんの不都合もないから、言っているだけだ。緊急避難的に使える場所は幾つかあったほうがいいだろう?」
慌てて言い訳じみたことを言う祐一を見て、外葉は笑い出した。
「ふふふっ、やっぱり。比良坂君はいいわね。そういう事を何げに言うところがね。」
何が?と思うところだが。
「私に声をかけてくる人は、何だか下心見え見えの人ばかり。でも、比良坂君からはそれが感じられないの。どうして?」
いや、俺もあわよくばそうなればいいかもしれない、とは思っている一人なのだが・・・。
と口には出さず
「そうだな、男だってそういう奴らばかりでもないさ。それに弱みにつけこむみたいなのも嫌だし。俺は面倒くさがりだから。」
「妹さんがいるから、女の子に優しいとか?」
「それは始めて言われた。」

外葉は少し背伸びをして。
「今日はありがとう、助かったわ。」
「お礼は八坂さんに言ってくれ。」
「さて、今日はちょっと時間潰して、それから帰るからあとは大丈夫。」
「そうか。」

これからひと駅移動した本屋で時間を潰して。母親に連絡をとってから帰るということだった。
駅の改札で、外葉は
「これから、私を下の名前で呼ぶことを許します。というかそっちでこれからは呼んでよね。」
「なら、そうさせてもらう。」
「ただし、私も比良坂君を下の名前で呼んでもいいかしら?」
「あ、ああ、いいよ。」
そう言うと、ニッコリと外葉は笑って
「じゃあ、祐一君、また明日。」
「また明日。」
外葉がホームに上がっていく階段にさしかかるまで、ちょっとぼんやりと見送ってしまった。
女子と下の名前で呼び合う仲になる。
ある意味高校生活で一番かないにくい願望であったが。
それが意外とかなってしまうとは。
いろいろなものが重なってこういう縁にもなるものだな。
過去世では殺してしまったけど。
なんて思っていると、
「祐一さん」と耳元で声をかけられびっくりして声を立ててしまった。
また咳をしてごまかして、駅舎の外にでる。
「なんだよ、桜火、いきなりだと驚くじゃないか。」
「あなたも、ご注意下さい。」
「何を?」

「名前、あの男の前で呼ばれたでしょう?」
「それで?」
「名前を認識されたら、念がこっちにも来るようになるのです。あなたはあの男から見れば邪魔な存在。名前を覚えられたから念が来る。それだけの話ですけどね。」
「それだけって、結構重要なんじゃないの?」
「いいのですよ、本来外葉さんに行く念が分散されて、あなたにも行くようになった、ってことですから。外葉さんにはいいことです。」
「俺には?」
「いいじゃないですか、可愛い女の子とまたご縁がつながった訳ですから。」
「で、何がある?」
「なんのことですか?」
「念がきたら、俺には何が起こるかってことだよ。」
「気にすることはありません。ちょっと気が重くなったりする程度です。」
「ちょっとか、それ。」
「明日になれば、その影響もわかりますよ。」
「今日教えてくれないか?」
「今日はダメです、もう日が落ちたから、これからは陰のエネルギーが増してきますので明日にします。」
「そんなん有りか?」
「明日になれば教えますから、それまで安心していて。」
「これまでに、安心できたことないよ。」
そういう話をしながら家に歩いていたが、ほかから見たら一人でブツブツ言っているので。ハンズフリーフォンをしている人か、おかしい人と思われるかのどちらかだろう。





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